兎虎(TB)

なんでもないふりをしてあなたの隣に腰を下ろしたのは僕です。なんでもなく僕の手に自分のそれを重ねたのはあなたでした。わかってください、共犯なんです。あなたは僕を責められないし、僕もあなたを責められない。どちらかが離れればそれで終わる関係だったのに、今日という日まであなたも僕もここを離れようとはしなかった。わかってるでしょう、同罪なんです。あなたを好きになった僕をあなたは責められないし、そんな僕に優しさを差し出したあなたを僕は責められない。ねえそういうことでしょう。近くなりすぎたのかもしれないなんて言えた義理ではないんですあなたも僕も。ねえおじさん真面目な話ですよ、ちゃんと聞いてますか。なんでもなくキスをしたのはあなたでしたし、なんでもないふりをして愛を囁いたのは僕です。つまりそういうことです。そういうことですよね。
「それはちょっと違うなバニー」
なんでもないふりをしてたのはおまえだけだったと思うか。あなたは僕の目を見て言った。ああお互い遠回りしてたんですね。
「虎徹さんキスしていいですか」
「んなもん訊くなバカバーナビー」



ポエム(笑)

兎虎兎(TB)

「おじさん抱いてください」

今日の気温は33℃、わかりやすく真夏日だ。そんなときに自分んちの窓際に床座りしてガラス越しに直射日光をガンガン浴びていたバニーがついに壊れた。いやまあいきなり家を訪ねてきた俺がバニーの定位置、つまり椅子を占拠してしまったせいで居場所をなくしてしまったのは悪いと思うけど。でも頭やられるぐらいそこが暑かったんなら移動するなりなんなりすればよかったのに。半袖の黒いシャツを脱ぎながら虚ろな瞳のバニーは繰り返す。おじさん抱いてください。ああ本格的にやられてる。

「やだよ」
「なんでですか、近年稀に見るこの美形を抱きたくないだなんてどうかしてますよ」
「だって男だし…」
「じゃあ抱かせてください」

なんでそうなる。性欲が有り余ってるんだろうか。兎は万年発情期ってマジだったんだなあ、こんなクソ暑いのにリビドーがほとばしるとはむしろすごい。若いってすごい。つうかこんなおっさん相手に抱けだの抱かせろだのよく言えたもんだなあ、と考えている間に唇同士が重なり、体温という名の熱気が降りかかる。何気なしに触れたバニーの頬は汗で湿っていた。なんとまあ暑苦しいハンサムだこと。

「暑いです虎徹さん」
「そうだなバーナビー」

ああ暑い暑いと呟いているうちに首筋を舐められた。あつさで溶けたらおまえのせいだからな。

兎折(TB)

兎折というか虎←兎←折
いろいろとひどい
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僕はバーナビーさんと恋人関係にある。あのバーナビーさんと、僕が、恋人なのだ。人生何が起こるかわからないものだ、本当に。きっかけはほんの些細な出来事だった。タイガーさんに折り紙の綺麗な折り方をレクチャーしてもらっていたときに、バーナビーさんが僕にも教えてほしいと声をかけてきたのだ。そこからなんだかんだで2人っきりで話す機会が増えていって、そういう積み重ねの結果晴れて恋人っていうこれ以上ない間柄になることができた。きっかけを作ってくれたタイガーさんには感謝してもしきれないほどだ。バーナビーさんはすごくとても、驚くほど僕に優しくしてくれて、そんな彼を僕はとてもとても愛していた。彼に出会えて、僕は幸せだった。

僕とバーナビーさんは、恋人同士である。

おめでとうと四方八方から声がした。ありがとうとバーナビーさんが微笑んでいた。ところで彼の左側で朗らかに笑みを浮かべている女性はどなたでしょうか。眩しいくらいに白いそのお召し物はなんでございましょうか。ねえバーナビーさんなあにそのタキシード、まるで結婚式みたい。

「しっかしまさかバニーが結婚するとはねえ」

鐘が鳴る。ひどくけたたましい。耳を塞ぎたくなったけれど、塞ぐ手は新郎新婦に向けての拍手にばかり働いている。ヒーローのバーナビー・ブルックスJr.が一般女性と結婚。新聞ではそんな見出しが連日僕を嘲笑うかのように踊っていた。彼の結婚相手は艶のある黒い髪が特徴的な、とても美しい日本人の女性。僕との共通点なんて一切見当たらない。彼女の雰囲気はどことなくタイガーさんに似ていた。
受け止めきれない現実が僕を責め立てる。目の前の光景だって、きちんと理解はできていない。できるわけがない。ねえ、結婚って、なんなの。僕は何も聞いてない。ねえバーナビーさん。
頭を抱える僕の隣に誰かが立つ気配。ちらりと見やれば、それは今日の主役のひとりだった。つまりは新郎。つまりはバーナビーさん。彼は僕の肩にそっと手を置く。吐き気すら覚えた、とか、言えればいいのに。未だに愛しさが募るのだから僕はバカ以外の何者でもないのだきっと。

「折紙先輩、どうかしました?元気がないみたいですけど」
「…僕はあなたのなんだったんですか」
「?」
「僕に何も言わずに、いきなり結婚、して。僕は、あなたの恋人じゃ、なかったんですか」
「…そうですね、折紙先輩。ずっと、誤解させてしまってたみたいですね」

誤解、て、なんですかそれ。と口から言葉が滑り出す前に、彼の緩んだ口元が柔らかい声音を紡いだ。優しい声だった、本当に。それだけに、僕は反応を返すことができなかった。

「今まで僕のダッチワイフ役を務めていただいて、ありがとうございました」

お疲れ様でした、という台詞は、もう耳にはほとんど届いていない。僕はこれでもかと言うほど目をかっ開いて、微笑む彼を視界いっぱいに入れた。とにかく見るという動作しか今の僕にはできなかったのだ。唇は凍りついた、手は伸ばしたくてもぴくりともしない。足は地面に張り付いていた。

「では」

爽やかに片手をあげて帰るのはかつての僕の恋人、だと思っていたひと。彼からしてみれば僕はただのうっとうしい性欲処理道具だったわけである、らしい。
ええ、ええ。実を言うと気づいていたりもしました。あなたはいつも僕の向こう側を見ていた。僕の先にいる誰かを目で追っていた。それぐらいのこと、気づいてはいたけれど。僕の頭を撫でるときの手とか、たまに感じる柔らかい視線とか、そういうものに僕はずっとすがりついていた。彼はきちんと僕を愛してくれているのだと信じたかったんだ。完全なる独りよがりは宙をさまよう。ああ我ながらばかみたい、いっそ殺してくれたほうが楽だ。けれど今日も僕の世界は緩やかに僕の息を止めることはしても、殺すことはせずに僕を生かし続けるのだ。大きな鐘がまた祝福を響かせる。遠くを見つめて微笑むバーナビーさんがどんどん滲んで見えなくなっていった。だれかはやくころして。


やっとブルックソさんが書けた

じんたんとめんま(あの花)

めんま生まれ変わり
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「おめでとうございます!」

病室から転がってくる歓喜の声。それまで長考に浸っていた俺を現実に引き戻したそれと共に、赤ん坊の甲高い泣き声が鼓膜を揺らした。はっとしてすぐさま病室の扉を開け放ちベッドに駆け寄る。そこでまず目に付いたのは、ナースが赤ん坊を抱きかかえている姿。そして白いシーツに髪を散らして額に大粒の汗を浮かべた妻の姿だった。

「女の子ですよ」

ナースは言う。妻は澄んだ瞳に留めていた涙をほろりと落とした。おんなのこ、弱々しく反芻した言葉はまた妻の涙腺を緩ませる。赤ん坊は元気に泣き声を反響させていた。ふっと肩の力が抜けて、俺の涙腺まで緩む。ああ、と、自分の唇から漏れるのは感嘆と幸福だけだ。お父さん、赤ちゃんを抱いてあげてください。そんな声が隣からして、妻より先に抱いてもいいものかと少しばかり思案したが、かちあった視線の向こうで彼女は柔らかく頷いてくれた。逡巡しながらも両手をナースの前に差し出せば、しあわせな重みがそこに降ってくる。その子の、透き通った青色の目が、俺を見据えた。ゆっくりと胸の前まで持っていくと、泣き疲れたらしい赤ん坊は静かに眠りに落ちる。自然と口元が綻んだ。

「産まれてきてくれてありがとな」

腕にかかる重みがとても愛おしくて、なぜだか懐かしくもあった。赤ん坊の顔をじっと見つめる。目も鼻も耳も口もどれも小さくて可愛らしく、そして俺が初めて恋をしたあの子に、とてもよく似ていた。まるで生まれ変わりのような。
生まれ変わり、ああ、そうか。生まれ変わり、なのか。
あの子は言った。生まれ変わってまたみんなと会うんだと。だからまた必ず会えるんだと。そっか、ここに、俺のところに産まれてきてくれたのか。一番最初に、俺に顔見せてくれたのか。

「やっと会えたな」

めんま。そう言ったあとにすぐ、頬に生ぬるい涙が伝う。風が吹いて窓際の花が揺れた。

兎虎会話文・短文詰め(TB)

「はぁ」
「どうしたんですかため息なんてついて」
「人生のままならなさを痛感してたんだよ」
「へえ」
「…バニーさんは想い人とかはいらして?」
「なんですかその言い方」
「うるせ」
「…僕は」
「先輩の虎徹って人が好きなんですけど」
「ほんと世の中ままならないものですね」
「…そうだな」
「ほんとに…」
「ごめんな」
「いいです」
「泣くなよ」
「泣いてません」
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微妙に青い花パロその1


「わりいバニー俺ちょっと寝るわ。寝込み襲っちゃやーよ」
「しませんよそんなの」
そんな会話の3秒後には寝息という名のBGMが奏でられ始めた。早すぎる。なんとなくそろそろと彼のもとに歩み寄って静かに間抜け面を見下ろした。よだれが垂れていたので拭いてみる。本当にしまらない人だ。
「ところでおじさん」
キスは襲ううちに入るんでしょうか。返事はなかったので僕は僕のしたいようにしてみた。唇泥棒が生まれた瞬間であった。
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微妙に青い花パロその2


「俺が悪うございました」
「……」
「泣くなって…」
「おじさん死なないで」「死なねーよお」


「やっぱり父親って娘の花嫁姿とか見たいものなんですか」
「え、ああ、花嫁姿か…考えたこともなかったなあ…ほら、うちのはまだ9歳だからな」
「でもそうか、花嫁…結婚、すんだよな、あいつも」
「いつかは俺置いて、勝手に大人んなるんだ、勝手にどっか行っちまうんだ」
「…おじさん」
「やだな、やだけどしかたないな、うん…しかたねえよな…」
「おじさんごめんなさい、変なこと訊きました、ごめんなさい、なかないで、ごめんなさい」


「おじさんが好きで好きで仕方ないんですどうしましょうおじさんが愛しくてたまらないんですおじさん好きです好きなんですおじさんって呼ぶだけで1日幸せだしまずおじさんの姿が見れただけでもう胸がいっぱいになるし話とかしようものならもうなんかもうほら語彙がとたんに少なくなりますしおじさん好きなんですどうしようもないんですおじさん、おじさんねえおじさん」
もう100回は好きと言った。好きの安売りどころかバーゲンセールの域だった。値段は半額ぐらいになってるかもしれませんけど質はどれも変わらないんですよ、100の好き全部に同じだけの愛情が入ってるんですよ。お得でしょ、ねえおじさんひとつだけでもいいから買ってってください、返事してください、おじさん好き、好きですおじさん。だからはやくおきて。


「俺は予言者だ」
「なんですかいきなり」
「おまえはこのあと、誰かに抱きつかれる」
「そんなバカな」
「ぎゅー」
「わああ」

「僕は予言者です」
「なんだよ俺のまね?」
「あなたはこのあと、誰かにキスをされます」
「んなアホなー」
「ちゅー」
「ぎゃー」
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2chネタだったり
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