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百田(論破V3)

「間もなくこちらは20××年、○月△日を迎えます。キミがこのメッセージを受け取ることを願います。最原クンが亡くなりました。大往生でしたよ。天国がもし本当にあるならば、春川さんと共にそこへ向かったのではないでしょうか。そちらではどれくらいの月日が経っていますか。キミの益々の栄進と無事を願います。間もなくこちらは20××年……」
時間の流れが地球よりも早い異星に降り立っていたあいだの溜まりに溜まった通信を消化する。発信元は地球、キーボからだ。毎度毎度やけにロボらしい始まりかたをしやがるので笑ってしまう。
最初星に降りたときは、地球と1年ずれた。次は10か月、次は3年。7年なんて時もあった。速度は違うがオレも地球の奴らもそれぞれ歳を取っていって、20歳になった頃には「やっと酒の味が知れる歳になった」と言ってビデオレターを送った。もっともその時にはあいつらはとっくに50を越えていたが。
ハルマキの死はこの一つ前の通信で聞いた。立て続けに終一の死だ。あいつらは地球にいる、オレの最後の助手だった。頭に浮かぶのは高校生だった頃のムスっとした面のハルマキと眉を下げた終一の顔ばかりだった。歳を取ったあいつらの姿も、確かに見たはずなんだがな。通信機を操作し、いつか地球に届くように指示をする。
「○○星付近、座標××××.××。通信届いたぜ。ありがとよ、キーボ。こっちでは前の通信から××年経った。しかし終一もハルマキも大往生とは、さすがオレの助手だな!また褒めてやらねーとな。……あいつらがオレの最後の助手だった。もう地球はオレを歴史でしか知らねー人間の星になるんだな。まあ、それが英雄ってモンか!また通信してくれ。じゃあな」
ブツ、と無機質な音を立てて機械が切れた。目を上げるとモニターには真っ暗闇の宇宙が映る。舵を取り、永遠のような一瞬のような時間をただ進んでいく。


ヤバい奴のヤバい二次創作
ゆらゆら帝国の宇宙人の引っ越しのイメージでシコった^^あの宇宙で通信機つけてたら宇宙人の歌を偶然受信したみたいな感じマーージでスキだ

最原と春川未完(論破V3)

「今日は静かだね」
ふと春川さんがそう呟いた。周りでは個性的な人達が今日もざわざわとはしゃいでいる声が聴こえるけれど、僕らの間は彼女の言葉どおり本当に静かなものだった。それはまあ、仕方がないといえば仕方がない。僕も春川さんも積極的に話しかけていくほうではないし、何より今日は台風の目がいないのだ。食器のぶつかる音だけがやたら大きく耳に響く。
いつもどおり三人で学食を食べようと百田くんに誘われたものの、昼休みが始まったとともに彼は「隣のクラスに用がある」と言ってどこかに立ち去ってしまった。おそらく誰かに頼みごとでもされたんだろう。それならしょうがないと納得しつつ、同じく取り残された春川さんにそろそろと目を向けた。僕と百田くん、春川さんと百田くんが二人きりというのはよくあるけれど、僕と春川さんが二人きりという状況は今まで数えるほどしかない。黙っているままでは気まずいけれど、どういう会話をしたらいいのかもよくわからなかった。ここに赤松さんが、最悪王馬くんでもいてくれればまだ空気が緩和されているのだろうか。……いや、王馬くんは悪手すぎるな。
「本当に静かだね」
面白味のない返事だっただろうか、と少し後悔した。でも、面白味のあることを言うほうがむしろ危険だったかもしれない。

百田と最原未完(論破V3)

朝起きると目の前には百田くんがいて、規則的な寝息を僕の横で立てていた。記憶がない。何故、百田くんは僕の隣で寝ているんだ?昨日眠るとき、僕はちゃんと自分のベッドでひとりで眠りに落ちたはずだった。そもそも百田くんとこんな風に揃って眠るような関係じゃないのに。
「ん」
小さく彼が呻いて、その瞼が震える。まだぼんやりした頭のまま少しずつそこが持ち上がっていくのをただ見つめていた。まずい、といちおう分かってはいるけど朝の自分の体はうまく融通がきかない。百田くんの目は眠たげに薄く開き、僕を認めると目尻をほどいた。
「はえーな」


まじで記憶ないな
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