「いやいや参りましたわハム子サン、まさか俺っちにハニートラップを仕掛けるとは」
「誰がハム子ですか。ていうかべつに仕掛けてないし」
うっかりハイレグアーマーを装備したままタルタロスに来てしまったのがいけなかった。真田先輩と天田くんは気まずそうにしてあんまり近寄ってくれないし順平も全然私と目を合わせない。おまけになんか変なこと言ってるし。
「いやぁ、しかしね。その衣装はどうかと思いますよ、ウン。年頃の娘なんだし?もーちょっと気をつけたほうがね」
「だーかーら、着たくて着てきたんじゃないの!うっかり着てきちゃったの!」
「うっかりなんつーことあります!?その衣装で!」
「そんなのゲームシステムに訊いてよ!簡単に着れちゃうんだもん!」
私がメタ発言を爆発させている間でさえ順平はあさっての方向を向いている。いい加減腹が立ってきたのでその頬を思いきり掴んでこっちを向けさせてみた。すると、『おいっ』なんて間抜けな声のあとに現れた耳まで真っ赤なご尊顔。ウソやだ、照れてたの?なんか、そうなると私まで今まで以上に恥ずかしくなってきた。