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ケーウィス未完(妖ウォ)

ずっと傍にいられるだなんて都合のいいことはないって、子供の自分でもさすがに理解はしている。向こうは妖怪だし、俺は人間だし。ジバニャンもウィスパーもお祓いくらいで消えかかっちゃうようなすごくぼんやりした存在なんだ。それにあんなに唐突な出会い方だったんだし、もしかしたら別れも唐突かもしれない。例えば、さっきまでしていた会話がふっと途切れて、振り返ったらそこにはもう誰もいなくて、
「……っ!」
急に怖くなって振り返ったら、妖怪パッドを見ていたウィスパーがびくっとして俺を見た。「どうしました?」って不思議そうにきく姿に、どこまでも安心してしまう。いつの間にか全身に入っていた力をふっと抜いて、ため息を吐いた。よかった。
「……なんでもない」
けど今の俺の気持ちは、なんか恥ずかしいからウィスパーには伝えないでおこうと思った。ウィスパーはまた不思議そうな顔をして、じろじろと俺を見る。勘づかれてしまいそうな気がしていやだ。
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