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ノクト一行未完(FF15)

「大変だよノクト!イグニスがご都合謎バステのせいで本音しか喋れなくなっちゃったんだ!」
同人誌の導入のようなセリフがプロンプトの口から飛び出したのは午前9時、ノクティスにとって早朝と呼べる時間帯だった。ほぼ悲鳴とも言える友人の言葉を起床したての頭はすぐに理解しない。ベッドにあぐらをかきぼりぼりと頭を掻くノクティスに代わり、隣のベッドに座って身支度をしていたグラディオラスが「はあ?」と声をあげた。
「わけわかんねえぞ、いったん落ち着け」
「落ち着いてられないって!二人もイグニスに会えばわかるよ」
そう言ってからプロンプトは廊下に視線をやり「イグニス、入って」とおそるおそる件の人物を呼び込んだ。カツ、と常通りの整然とした靴音が廊下に響き、ノクティスの従者たる男がゆっくりと部屋に姿を見せる。涼しげな表情、きっちりと整えられた身なり、彼らを見やる軍師然とした眼差し。ノクティスとグラディオラスから見て、少なくとも見た目には何も変化が見られない。
「イグニス。はよ」
まだ少し寝ぼけ気味のノクティスが親しげな挨拶を寄越す。グラディオラスもそれに続き「よう」と呟くと、しばらくのたっぷりとした間を空けたのちにイグニスの口が開かれた。
「おはよう。ノクト、今日もお前は眩しく美しい。昔から変わらずオレの光だ。おいで、寝癖を整えてあげよう。フフ、髪が妙な跳ね方をしているじゃないか。はぁ〜まぢ尊……オレの王……kiss……」
「ほら!ほらね!?ツラいでしょ!?」
モーテルに響き渡る声でプロンプトがそう叫んだのも無理はなかった。グラディオラスが形容し難い絶妙に微妙な表情を浮かべる。ノクティスはいまだ脳が覚醒しておらず脳天気そうにあくびをひとつするのみだった。
「朝からずっとこの調子なんだよ!口を開ければノクトノクトノクト……いやいつもどおりだけど、いつにも増して言ってることコワイんだよ!」
「ノクトを苛むすべてをこの世から排除したい」
「ほらあ!!」
プロンプトは悲痛な面持ちでノクティスとグラディオラスを見つめる。グラディオラスは「あー」と唸りしばらくイグニスに目をやった。そののち頭をがしがしと掻き、まあ、と呟く。
「聞いてる側はかなりいたたまれねえな」
「でしょ!?早く治してあげたいんだけど薬が効かなくてさ……」
ちら、と二人が横目で見た先ではイグニスが眉間に皺を寄せながら何度か咳払いをしていた。顔色が赤と青の混ざった妙な色になっている。あ、ヤバイこと言ってる自覚はあるんだな、と悟ったグラディオラスはイグニスに対して同情と労りの感情を抱いた。ノクティスはぼうっと自身の爪を見つめている。
「プロンプト、すまないがこの症状が治るまでしばらく喋るのを控えようと思う」
不意にイグニスがそう言って、プロンプトはああ、うんとねぎらいを露わにしながらうなずいた。
「一番辛いのはイグニスだもんね。ごめん、みんなに症状を見てもらうためとはいえ恥ずかしい思いさせちゃって」
「いいんだ、お前の心配りはきちんとわかっている。さすがノクトの親友だ、お前にはいつも感謝している」
「……え、エヘヘ……」
「ただ、近頃の写真だが……ノクトの写真映りがすこぶる悪いな。もう少し光を抑えて、撮る前には声をかけるよりも不意を突いて撮ったほうがいい。ノクトは構えると顔が険しくなったり目を閉じてしまったりするからな。昔からそうだったんだ、だからアルバムに入れる写真を撮る際はシャッター係と照明係と気をそらせる係と最終チェック係が必須で」
「ダメだなんでもロイヤル過保護談義に繋げる体になっちゃってる!!これホント早く治してあげよう!」
プロンプトの言葉にグラディオラスは大きく頷く。次いでノクティスをちらりと見ると、彼は目を擦り大きく伸びをしてから『起きた』という言葉代わりに小さく片手を上げた。そしていつもどおりの調子でこう呟く。
「マジやべーな」

この奇怪な二次創作専用バステを治癒するべく、四人は情報収集に奔走することになった。グラディオラスとプロンプトが各地への聞き込みを申し出たので、ノクティスとイグニスは現在居るレスタルムの図書館で文献を総ざらいすることを決めた。街の図書館にはあまり人が訪れないようで、本を引き出すたびわずかに埃が舞う。『よくわかる状態異常』『マンガで学ぼう!バッドステータス』『男は黙って夜釣り』などの数冊を手に取ったノクティスは事前にイグニスによって拭かれたテーブルにそれらをドサリと置いた。
「何か参考になりそうなものはあったか?」
「んーまあ何冊か」
「すまない、面倒をかけてしまって」
イグニスは少し低いトーンでそう呟く。ノクティスは彼の瞳を見据えながら、いいんじゃね、と短く返した。



最初の三行ぐらいでオチてるから続き特にいらなかった
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