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小ネタ詰め

お題お借りしました(https://shindanmaker.com/375517)

・FE風花

あの人に死が迫ったのを目の当たりにした瞬間、自分ではもうどうしようもないほど内側に踏み込まれていることに気がついてしまった。石のように居座るあの人を追い出すことは今さら不可能だ。「殺したいんじゃなかったのか」言ってくれるな、こんなつもりじゃなかったって今一番思ってるのは俺なんだ。
(レトシル)

先生の驚いた顔って見たことないかも。あー確かにな。そんな会話をクロードくんとしていた矢先、釣り場で先生を見かけた。真剣に水面を見ている。周囲の声なんて聞こえてない様子だ。隣の悪戯っ子が「ヒルダ」と呟く。「好機が転がり込んできたぞ」「…離れて見とくからクロードくん一人で怒られてね」
(ベレトとクロードとヒルダ/お題:言うと思った)

どこに行っても目についた。揺れる三つ編みとはっとするような黄色。今思えば恋だったのだろう。「先生、久しぶりだな」水の都の中で彼はこちらを見て微笑んだ。その手の弓には血がこびりついている。隣のエーデルガルトが眉を顰めた。殺すべき相手なのだ、彼は。剣を静かに構え直す。初恋だったよ。
(レトクロ/お題:最初から最後まで)

「ディミトリが会いに来たよ」「こちらを縋るように見つめてきた」「何もしてやれなかったよ」「抱きしめてやれたらよかった」「……いや、君にこんな話をしても仕方がないんだ。わかっているんだ」「ただ、フェリクスやシルヴァンやイングリットにはとても言えなくて」「でも懺悔がしたかった……」
(レトディミ)

寝台から私を見つめる男は至極普段どおりだったが、その服の中に隠し刀などのひとつも仕込まれていなかった。抵抗も全くされない。「ヒューベルト、良いのか」「何がですか」「ええと、その…何もかもだ」言ったら彼は可笑しそうに顔を歪めた。そこに敵意の少しもないことに、私はまた胸を高鳴らせる。
(フェルヒュー/お題:無条件降伏)


・その他

「ダンデ氏の無敗記録が破られ新たなチャンピオンが誕生しましたね!そちらについて何か感想などありますか?」悔しがってるオレが見たいんだろうさ大衆は。だが本音なんか言ってやらない。これはオレだけの感情だ。誰とも共有しない。いいコメントはしてやるからよ、娯楽にして笑えよ、バカみたいに。
(pkmn剣盾/ダンキバ)

レトクロ(FE風花)

現パロ
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「キスしてくれよ、先生」
明日から冬休みだと浮かれながら生徒たちが出ていった放課後の教室、夕陽の差す席のひとつに座りながらクロードはそう呟いた。日誌にコメントを書く手がうっかり止まってしまわないよう気をつける。
「冗談言ってないでもう帰りなさい」
「冗談に聞こえたか?なら悪い。本気だ」
「それならより帰さないといけない」
「明日から冬休みだぜ」
取り付く島を海の彼方に流しながら彼はそう言った。文脈がうまく読めない。
「冬休みだからなんだ」
「今俺にキスすれば、あんたは薔薇色の冬休みを送れるよ。毎日俺とどこかに出かけて飯でも食って、ああこれは勿論あんたの奢りだが。それで夜はあんたの家に帰って人目を気にせずにキスができる。さらにその先も可能だ」
「……クロード。先生、仕事中なんだが」
「じゃ今すぐ終わらせてキスしてくれ」
「怒るぞ」
「あんたの怒った顔好きだよ」
外から野球部の楽しげな声が響いた。次いで、カキン、と大きな当たりを思わせる音も。「ナイス」と叫ぶレオニーの声がして、その他の何人かの歓声もちらほらと上がった。
「本気だよ、惚れてる。こんなはずじゃなかったんだが。……卒業までに振り向いてほしい。焦ってる」
キスしてくれ。改めて呟かれた言葉はわざと鼓膜にこびりつくように唱えられたのがよくわかった。結局全部彼の策謀のうちなのは理解している。不必要なほど真剣な眼差しも、冬だというのに首筋に滲んだ汗も。
……自分と同じく教師である父は、よく自分にこう注意をする。ベレト、お前は生徒に甘すぎる、と。地面に転がった赤ペンはしばらく誰にも拾われなかった。
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