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龍アソ未完(大逆裁)

おそらくぼくは長く生きるのだろうなと、根拠もなく思っていた時期がある。年老いた妻を抱き寄せ、孫の頭を撫でるのだと、何故か必然のように考えていた。血が流れる。絶える。からだの芯が、溶けて消えてゆく。おとうさんおかあさん、どうか御許しください。きっと駄目だろうけど。

「成歩堂、もっと近くに来い」
塩水に足をつけ、楽しげに笑いながら亜双義がぼくに手招きをする。夜の海は怖い。けれどとてつもなく楽しい。ただいるだけなのにいけないことをしているようで、秘密でも共有している気持ちになる。ぼくは笑いながら、海に足を進ませる。想像以上に水は冷たい。なんとなく水平線のあたりに目をやるが、どこまでも黒が続いているばかりである。
「そらっ」
横からそんな声がした。と思った瞬間、ばしゃりという音とともに冷水がかけられる。思わず短く叫びながら飛び退いた。ああもう、服がびしゃびしゃだ。
「ぼうっとしているキサマが悪い」


高野心中万年草の一部読んでオッシャ心中龍アソ書こう(^▽^)と思ったけどクソほど進まなかったやつ
また引っ張り出して書くかもしれない

龍アソ未完(大逆裁)

「いい加減にしろ」
いや、それはこちらの台詞だった。いい加減にしろ、亜双義。ぼくは今声を大にしてそう言ってやりたい気持ちだった。一緒に大英帝国に来い、だなんて。無茶だと何度も言っているのに、オレを信じろとしか言わない。果ては密航すれば問題ないだなんて言う始末だ。そんなことをすればおまえの立場が危ないだろう。ぼくはおまえのことが心配なのに。
「強情にも程があるぞ、キサマ」
「……どっちがだよ。だいたい、おまえの主張は突飛すぎる」


書いた記憶がない

龍アソ未完(大逆裁)

船内の一番奥、そこにはぼくの親友が眠っている。ぐるぐると身体中を覆う大きな布の下で、今日もうつくしく目を閉じている。安置室の扉がきちんと閉まったかを後ろ手で確認し、幾重にも重ねられた掛け布団の上にあるその大きなものに向かってゆっくりと歩いてゆく。目の前で立ち止まり、しゃがんでから布をそっとめくりあげた。
「亜双義」
話しかけても返事はない。当たり前だ、言葉に反応するのは生者だけなのだから。死人に口はない。亜双義はあの写真のとおりの顔をして、つめたくそこにあるだけである。
布をすべて取り払う。右手と左手もあの写真とまったく同じままの形をしていた。ああ死んでいるんだな、と心のどこかで他人事のように思う。


未送信フォルダ整理してたらなんか出てきたけどもう別で同じ内容のやつ書いちゃった…

龍アソ未完(大逆裁)

 気が付けばぼくは亜双義と鍋を囲んでいた。ぼくらが毎週のように通っていた牛鍋屋の、毎回食べていたあの牛鍋だ。肉の煮えるぐつぐつという音が耳に響く。鼻腔をくすぐる匂いもなかなかのものだった。懐かしい。あの頃に戻ったみたいだ。
 向かいの亜双義は穏やかな笑みを顔に浮かべていた。小皿を左手に携えて、そっと鍋を見据えている。肉を探しているのかな。コイツ、目を離すとすぐ肉をさらってしまうから、注意して見ておかないと。
「……なんだ、喰らいつくように鍋を見つめて」
 ぼくが身を乗り出して鍋を注視していると、先程までにこやかだった亜双義がふと訝しげな表情でこちらに視線を寄せてきた。


前140字で書いたやつを長くしたいな〜と思ったけど心折れた
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