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小ネタ詰め

・FE風花

イグナーツくんの絵が好きだった。いつもこっそり彼が絵を描いているところを盗み見ていたくらいには。貴方の絵は後世に遺すべきよ。戦火の中で燃えかけた絵を庇いながら強くそう思った。紙の中では女神のように女性がほほえんでいる。…欲を言えば、私も貴方の瞳越しに女神になってみたかったけれど。
(モブとイグナーツ)

この士官学校を卒業してしまえば俺は貴族としての責務を果たさなければならなくて、だからこれが最後の猶予期間で、毎日は退屈ながらそれなりに楽しくて、悪くはないと思えていた。突如即位した皇帝陛下の演説が耳に貼り付く。壇上にエーデルガルト皇女。これは現実か?掌にじわりと汗が滲んだ。
(モブとエーデルガルト)

久々に戦場で見た彼女はまるであの頃とは違っている、ように見えた。相変わらず幼さの残した輪郭や甘さを隠すため尖らせている声などは特別変わっていないのに。きっと彼女の手がもはや血にまみれることを厭ってはいなかったからだろう。リシテアさん、お菓子はいらないか。…遺言にするには間抜けだ。
(モブとリシテア)


・LIS2

「あたし結婚するんだ」「え、マジで?」「うん。式でハッパパーティーする」「はは。両方の意味でめでてえな」「うん。…ほんと、おめでたいよ。ちゃっかり自分の幸せ優先して」「バカ言うな」「ごめんね」「…ダニエルがダスティン・ホフマンぶるかもしれないから気をつけろ」「はは。ねーっての…」
(ショーンとライラ/贖罪エンド)

「抵抗しようなんて考えるなよ。あんたは絶対俺に勝てない」誰よりもよくわかってるはずだ、と言って手首を強く握ってやる。兄は少し諦めたような眼差しで、「しねえよ」と呟いた。「お前は俺に何したっていいんだ」「なんで?」「俺がお前の兄貴だからだよ」…笑える。何にもわかってないじゃないか。
(ダニショ/逃亡エンド)

「…で、俺がクリスに向かって水鉄砲打ったんだよ。そしたらあいつさ」楽しげに思い出を話す弟の顔が火に照らされ、ほの赤く闇に浮かんでいる。星が綺麗で空気は澄んでいた。風景だけがあの日と何も変わらない。それだけで俺は、狂人にも聖人にもなれそうだった。「それでさ、ショーン。…ショーン?」
(ダニショ/贖罪エンド)

「キャシディに手紙返してないのか」「…なんで知ってる」「この前ここに来たから、あの女」「ハハ、お前まだ彼女のこと嫌いなのか」「…別にいいよ。ショーンとあいつがデキても。でも、そのときは俺はショーンを殺すと思う」「ああそう」お好きにどうぞ、と笑っている目の前の男に無性に腹が立った。
(ダニショ/逃亡エンド)

初めて夢精した日、夢に出てきたのは死の直前の兄の姿だった。血の噴き出る喉を押さえ、掠れた声で兄は俺の名を呼ぶ。うつろな眼差しが徐々に光を失って、最後には目の前の俺すら瞳に映してはくれなくなった。その光景を俺は間抜けな白に染めたのだ。…俺に罰を与える裁判官はメキシコには存在しない。
(ダニショ/ダニエルエンド)

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