「寂しくなっちゃったなあ」

河原で手首にスナップを利かせながら小石を投げる彼はいつもどおりに笑っていた。地べたに尻をつけるその人の隣に鎮座しているスーパーの袋の中には2つのカップ麺と同数のおにぎり、あとはキャベツ3個と半額のシールが貼られた豚肉。その数からして彼が独身だということは容易に想像できた。意外だったのは、どうやらこの人は自炊ができるらしいってこと。まさか生の肉を食べるわけではないだろうし、たぶん野菜炒めでも作るんだろう。3個のキャベツは総じてみずみずしい色をしていた。彼はキャベツ選びのプロか。

「何がですか」

新しい小石を探す足立さんの隣に腰を下ろす。