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モブ律未完(MP100)

セしないと出れない部屋in影山兄弟
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「こんなの、何かの冗談だよ。きっと」
その文字列を見た兄さんは開口一番そう言った。僕だってそう思いたい。たちの悪いお遊びだと。だけど、こんな悪趣味を働くとしたらいったい誰なのか?僕たちは拉致と言っていい扱いでこの白い部屋に来た。下校中に突然薬品を嗅がされて意識を失い、ふたりとも気がつけばこの部屋にいたのだ。超能力はさっきから試しているけどまったく使えない。驚くべきことにそれは兄さんも同じなのだという。僕はともかく、兄さんの超能力を封じ込められる人間なんて人類にいるのだろうか?しかも、お遊びで。爪の生き残り?それともどこからかの私怨によるものか。いや、どちらも考えがたい。爪は鈴木統一郎の失脚によって完全に解体されたと言ってもいい。万が一残党がいたとしても、鈴木統一郎や兄さんを超えるほどの力を持つ者はあそこにはいないはずだ。私怨の線も考えがたい。こうまでされるほど怨まれる心当たりが互いにあまりにもなさすぎるし、あったとしてもここまでの能力者に該当者がいない。となると、新勢力。何か新たな脅威が僕と兄さん──いや、兄さんに迫ってきたという可能性が高い。目的はもちろんこの力だろう。
「律、こんなの真に受けなくていいよ。出口を探そう」
兄さんは平静を装おうとそう呟く。でもその頬には汗が伝っていた。
出口を探すのは賛成だ。換気口を見てみたり壁に穴を開けたり、そういうところから出られる可能性はゼロじゃない。なんとか知恵を絞ってここを抜け出すことも可能なはずだ。……ただ。もしどこにも抜け道がない場合。覚悟を決めるのは僕だ。



しげお様はわからんけど影山律くんはセ部屋でどシリアスになりそうだなって…
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