なんでもないふりをしてあなたの隣に腰を下ろしたのは僕です。なんでもなく僕の手に自分のそれを重ねたのはあなたでした。わかってください、共犯なんです。あなたは僕を責められないし、僕もあなたを責められない。どちらかが離れればそれで終わる関係だったのに、今日という日まであなたも僕もここを離れようとはしなかった。わかってるでしょう、同罪なんです。あなたを好きになった僕をあなたは責められないし、そんな僕に優しさを差し出したあなたを僕は責められない。ねえそういうことでしょう。近くなりすぎたのかもしれないなんて言えた義理ではないんですあなたも僕も。ねえおじさん真面目な話ですよ、ちゃんと聞いてますか。なんでもなくキスをしたのはあなたでしたし、なんでもないふりをして愛を囁いたのは僕です。つまりそういうことです。そういうことですよね。
「それはちょっと違うなバニー」
なんでもないふりをしてたのはおまえだけだったと思うか。あなたは僕の目を見て言った。ああお互い遠回りしてたんですね。
「虎徹さんキスしていいですか」
「んなもん訊くなバカバーナビー」



ポエム(笑)