船内の一番奥、そこにはぼくの親友が眠っている。ぐるぐると身体中を覆う大きな布の下で、今日もうつくしく目を閉じている。安置室の扉がきちんと閉まったかを後ろ手で確認し、幾重にも重ねられた掛け布団の上にあるその大きなものに向かってゆっくりと歩いてゆく。目の前で立ち止まり、しゃがんでから布をそっとめくりあげた。
「亜双義」
話しかけても返事はない。当たり前だ、言葉に反応するのは生者だけなのだから。死人に口はない。亜双義はあの写真のとおりの顔をして、つめたくそこにあるだけである。
布をすべて取り払う。右手と左手もあの写真とまったく同じままの形をしていた。ああ死んでいるんだな、と心のどこかで他人事のように思う。


未送信フォルダ整理してたらなんか出てきたけどもう別で同じ内容のやつ書いちゃった…