「菜々子がしにました」

ああそうなの。へえ。それはお気の毒に。で、それがなに。どうしたの。心配しなくてもお葬式にはちゃんと出るよ?少ないけどお金もちゃんと出すし。さすがに一人娘を亡くしたばっかりの堂島さんにすぐ仕事に来いなんて言うつもりもないよ。え、なに、違うの?そんなことを求めてるんじゃないって?ああ、悲しんでほしいのかい?可哀想に可哀想にって、わんわん泣いてほしいのかい。そうだね、僕は菜々子ちゃんのこと嫌いじゃなかったし、涙の一滴ぐらいなら零せそうだ。ちょっと待ってて、すぐ出すから。え、これも違うの?じゃあなに、僕にどうしてほしいの。ちゃんと言ってくれなきゃわからないよ。

「ただ、話を聞いてもらいたかっただけです」

ふうん、そうなの。変わってるね、僕なんかに話を聞いてもらいたいだなんて。僕はしょせんただのへっぽこ刑事なのに。君にそんなに心を開いてもらえるようなことをした覚えもないんだけどなあ。勝手に懐かれてもちょっと困るな、なんか気味悪いから。それに僕ね、子供嫌いなんだよ。ごめんねえ、君の考えてる足立透はこんなんじゃなかったんでしょ。ドジで間抜けでへらへらしてて、バカみたいに優しい刑事さん。そんなイメージだったんじゃないの。え、違うの?僕の本音も本性もとっくに知ってた?え、うそぉ、うまく隠してたつもりだったのに。やだなほんと君きもちわるい。寒気がする。ん、どうしたの、なんで泣いてんの。あ、まさかショック受けちゃった?やー、ごめんごめん。ちょっと言い過ぎちゃったかなあ。ん、また違うの?じゃあなんだって言うのさ。え、悲しい?寂しいって?あと、なに、虚しいの?へえ、そっか。それでそんなことを言ってけっきょく君はどうしたいの。

「俺も今からしぬんです」

ああそうなの。へえ。それはお気の毒に。あ、なんなら今ここで泣いてあげようか?せめてもの供養ってことでさ。ああでもごめんね、僕君のこと嫌いだから泣けそうにないや。


1周目はノーマルエンドいけたのに2周目で何かを間違えてバッドエンドにいっちゃった番長が足立がすべての元凶って知ってるのに追いつめられなかった悔しさうんぬんで自暴自棄になってるって話 説明乙…^^