例えば赤紫がかった髪の色だとか、例えばクラスに一人はいそうな可憐で可愛い顔だとか、例えば愛着している黄緑色のリボンだとか、例えば戦線のトレードマークにと自分でデザインしていた制服だとか、例えばすらりと伸びる長い脚をさらに際立たせるニーハイソックスだとか。そういう外見ももちろん好みだったけれど、みんなを引っ張るリーダー精神と、放っておけない危なっかしさと、横暴かと思えば意外に優しいところと、少しのことでは挫けない屈強な心の強さと、本当は、女の子らしいところ。そういうところに、俺は惚れたんだろう。
始まりこそ一目惚れだったが、一緒にいるうちにどんどん彼女に惹かれていって、気がつけば誰よりも大切で守りたい存在になっていた。
ゆりっぺ。俺の愛しい女の子。けっきょくおまえを幸せにしてやることはできなかったが、間抜けな俺を見て少しでも笑顔を産んでくれたならそれで満足だ。まあでも欲を言えば俺を彼氏にしてほしかったけど。

「来世で会ったらプロポーズする!待ってろゆりっぺ!」

またなと言って、これにて俺の世界は終わりを告げた。