※TOZのネタバレ有り
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TOX2

神様、兄さんのすべては俺が頂きます。あんたが捨てたんだからいいだろ。「ルルの餌、もう残りちょっとだ」「そうだったか。帰り買ってくるよ」幸福に生きようと言ったのは俺だった。返事をしたのは悲しそうに微笑む兄さんだ。手をとれば握り返してくれる。うん、問題ない。
(クルスニク兄弟/スピカ)


今日この時を一生忘れることはないだろうという日が何日も何日も連続して記憶のなかにある。それはまるで来るであろういつかの別れのために兄との思い出をストックしているかのようだった。けれど、いつか、というのを具体的に考えたことはない。目を逸らす幸福を俺は知っている。
(クルスニク兄弟)


「エル〜!サンタさんに頼むクリスマスプレゼント決めたか〜?」「うん!ルドガーの借金代わりに返してくださいって頼む!」「泣いた」
(ルドエル)

ルドガー「にいさ〜ん!ポッキーゲームやろう!」ユリウス「しょうがないな、どれ……お、このポッキーは全体にチョコがかかってるんだな」ルドガー「はは、真っ黒だろ〜。だってこれタイムファクターだからな」

_人人 人人_
> 突然の死 <
 ̄Y^Y^Y^ ̄


TOZ

ライラがシーツを無造作に手繰る。丁寧に生きてる君の焦燥が見える。珍しいね。そう言うと、そうですか?とぶっきらぼうな返事。最高だね。「導師様」「うん」「どうか、私達に御導きを」「うん、わかってる」眉を隠すその前髪をかき分ける。これしかないんです、そう彼女は呟いた。うん、わかってる。
(スレライ)


導師様、あなたが私たちの誇りです。皆あなたを崇拝しています。乙女がそう耳に祝福したあと、世界が突然オレを見た。導師、世界はお前のものだ。お前は世界のものだ。そうみんなが盛り上がる。それが導師なのか、と頷いて世界のほうを振り返った。全員がにっこりと笑う。嵐のようだ。
(どんより導師)


「スレイ!!僕を抱け!!」「え…こう?(ギュッ)」「違う!!けど幸せだからオッケーーーー!!!!」
(スレミク)


「ミクリオ、あれ歌ってくれよ」「あれ?」「ほら、シロンとカイムが昔よく歌ってくれた」「ああ、ねんねんころりよってやつ?」「あれロアーナは近くにいても歌ってくれなかったよな。えっと理由が…」「歌うと自分が先に寝るから、だったっけ?」「そうそう!あれ聞いたとき笑ったなー」「ははは」
(スレミク)


「母さん」なんて寝言を言ってミクリオが泣いているのだが、こういうときどうすればいいのだろう。ジイジに聞いておけばよかった、そう冗談混じりに考える。「ミクリオ」「…う、」「…ミクリオ」「…、スレイ」阻むように名を呼べば、夢現なのに見事にこっちに戻ってきてくれる。お前、ばかだなあ。
(スレミク)


「バレンタイン?あーそういえば下界にはそんな日があるんだったっけ。ミクリオもらえるといいな!(ミクリオが作ったチョコを貪りながら)」「今年も君は清々しいほど気づかないね!!」
(スレミク)


スレイ「昔ミクリオは将来オレの嫁になるんだぞって言ったらミクリオ怒っちゃってさ。それで言い争った結果かけっこで負けたほうがお嫁さんだ!ってことになって。まあ結局オレが勝ってミクリオがお嫁さんってことになったんだけど。そろそろ指輪買わないとなー」ロゼ「もう突っ込みも入れずらいなー」
(スレミク)

夢の中、生存する過去は僕の世界を歪ませる。僕はいつか唯一の失念を犯した。気づこうともしない君の色彩は目に痛い。死は幻か。愛してるって、今さら遅いか。どうして僕たち異なるんだろう。意味があるんだろうけど、無意味でもきっと今と変わらないよ。ああ母さん、お前は親不孝だと泣いていますか。
(スレミク)

隣にいると時折手が触れる。前はあまり気にしていなかったことだけど、最近少し気にするようになった。当たり前みたいに触れるって結構凄いことなのかもしれない、なんて。思うままに手を繋ぐと、ミクリオの体が大きく跳ねた。「な、何」「いや、いいことだなって思って」「…訳がわからないんだが…」
(スレミク)

「ミクリオこれ見て!」「後でね」「いやすごいんだって!新発見なんだよ!」「その文献から新しいものは出ないって言ったろ」「それが出たんだよ!ほら、逆さにすると…」「はいはい、後でね」「…ルズローシヴ=レレイ!」「えっ、あっ、ちょっ!」「よし!見えてる?」「…無駄に神依化させるな!」
(スレミク)

結婚しようぜエドナちゃん。いつもの冗談のつもりで言うと、向こうから返ってきたのはいいわよという了承だった。「おっ、ラッキー!式はいつがいい?」「今すぐ、ここよ」珍しくノリがいい。どういう風の吹き回しかと思いつつ据え膳は頂こうとしゃがんで肩を組んだら先にキスされた。俺の負けらしい。
(ザビエド)


ロゼは綺麗になった。前から凛としていたけど、最近は本当に洗練されている。スレイのせいだ。「君は泣かないな」「泣いてたら商売なんかできないって」「ああ」そうだね、と僕が返す隙間のうちにでも、泣いてくれないだろうか。なぜか盲目的に願ってしまう。けど彼女はもう泣けない。スレイのせいだ。
(ミクリオとロゼ)

スレイが俺を庇って怪我なんかするもんだから、回復しながらなんで庇ったのかと訊けば奴はさらっとこう言った。「そりゃ仲間だし、守るよ」その一点の曇りもない目で見られると、なんだかなーと思っちまうもんである。こいつのこういう所が末恐ろしい。「たらし込むねぇ、導師殿」「は?」
(スレザビ)

見識を広めるという旅の目標上、オレも出発時よりは物を知ったつもりだ。けれど今は何の言葉も浮かばない。彼女はオレの言葉を生かしも殺しもできるのだとこの時ついにわかった。怖いなあ、胸中で呟く。横目で彼女を見ると、いつもどおりに笑っていた。言葉が幽閉されていく。
(スレロゼ/徒花ちゃん)


妖ウォ

人の影が俺の前に現れると途端に引き結ばれるあの紫がもし他人と笑う俺を咎めたら。俺と他人との接触に対し拒否を示したら。最高だと思う。俺に近付く人間が気に食わないなら噛み千切れ。俺を独占したいなら地獄に引き摺り下ろせ。すべて俺にぶつけてみせろ。それくらいなら、いくらでも受けてやれる。
(ケーウィス/高校生ぐらいのケータくんとウィスパー)