大逆裁(ほぼ龍アソ)


今日知り合った日本人、彼の名はナルホドーというらしい。ボクの推理を耳にしたはずのその表情は感嘆に染まっていない。ホームズさん、とボクを呼び、物言いたげな眼差しをボクに合わせている。なかなかどうしてキレイな一直線じゃあないか、その視線。諸君見たまえ、これは恐らく彼の覚醒の始まりだ!
(お題:カーテンコール)

雷鳴が警笛のように騒がしく外で響いた。一等強力な稲光が成歩堂という男の輪郭を白く照らす。男の目の中に、確かに閃光を見た。まるであの日だ。その場に縫い止められたかのように体の身動きが取れず、ただ男を見上げる。「…雷」凄いな。そう言って強い力でオレの肩を掴む。外がまた、白く染まった。

「うわあ、やっぱり昼の食堂は人が凄いな」「確かにな。パッと見る限りは満席だが……どうだ成歩堂、空きはないか」「あそこなんかそろそろ空きそうだけど……狙ってるのはぼく達だけじゃないな」「獲れそうか?」「獲ってみせるよ。おまえの相棒を名乗るからには」「………今それを言うのか、キサマ」
(お題:不意打ちで言うのはやめていただけますか)

「久しぶりだな。…随分待った」喜ばしい事だと亜双義は笑った。頬に小さな皺がある、ああ目じりにも。組まれた腕が学生服に濃い影を作っていた。手の甲には青白い血管が浮いている。ハチマキが「いつも」よりゆっくりとたなびいていた。ぼくの手と足は震えていた。…何せ老体だ。視界さえ歪み始める。

「寿沙都は」ヤツは面白い男です。ご学友のお話を終えられた一真さまがおっしゃって、わたしから視線をそうっと逸らす。濃い睫毛が思慮の為に伏せられ、瞳に影を落としていた。これは直感でございます。……恋をする皆々様方が持ち得る感覚ではないでしょうか。「……寿沙都は何も知りませんでした」
(お題:なんだって知ってた)

成歩堂の顔を覆っていた影を引かせていく。口を開け間抜けな顔をした相棒は持ち前の丸く大きい瞳でオレを見上げていた。「……人が」「滅多に立ち寄らん場所にわざわざ来たんだ。万が一居たとしても、これで隠していたからな」そう言ってくるりと番傘を回してみせる。その顔は蛸のような赤に染まった。
(お題:傘の下で)

「うわあ、あついなこの部屋。おまえの中みたいだ」直後成歩堂は瞬く間に赤面し、小さな声でゴメンと謝った。「…周囲に人がいれば即刻叩き斬っていたところだが、命拾いしたな」「ゴメンよお……」「……それで、オレの熱さに全身をさらしている気分はどうだ」「…や、…やましい心持ちになってきた」
(岩盤浴の部屋の温度がほぼ亜双義の尻の中と同じ温度でした記念)


その他

「昨日のテストだけど」「今日休みだったね。体調は大丈夫?先生からプリント預かったから、今から持って」「かっちゃんって呼ばれるのが嫌なら今日から爆豪くんって」「最近話してないね」「昔一緒にカブトムシ捕った時の写」「ごめん」「僕の何が君を」「かっちゃん」「いつからこうなったんだろう」
(ヒロアカ/出勝・お題:未送信メール)

ゴツゴツしたその手にがしりと顔を掴まれる。五指には力が込められ、鈍い痛みが額や頬を襲った。「調子乗んじゃねえぞクソナード」「テメェはな、俺が本気出せば、いつだって死ねんだよ」掌の汗腺から放出されるニトロの甘さが脳を溶かす。僕は、ただ眉を顰めた。「…かっちゃん」「喋んなよクソカス」
(ヒロアカ/出勝)

「兄さん、俺子供の頃の記憶が戻ってさ。母さんの顔と名前、思い出したよ。綺麗な人だったんだな、目元とかけっこう俺似てて、優しそうな人だった。あ、あと、兄さん昔はグレてたんだな!知らなかったよ。…母さんを殺すぐらい荒れてたんだ。…なんてな!ぜんぶ嘘だよ!今日はエイプリルフールだろ?」
(TOX2/ユリルド・お題:本当、だったり)


お題メッチャお借りしました
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