コントローラーを握る手に汗が滲む。画面の向こうでは大きな機械があって、そこからピンク色の血が滴っていた。なんだよこれ、と呟く画面の向こうの僕は今日も無知だ。
「最原ちゃん、ほんとゲーム下手だね。オレまた死んじゃったじゃん!」
後ろから王馬くんの声が聞こえたと思えば、肩に重みがかかった。のしかかられているらしい。使えないなあと耳元でけたたましく笑い声をあげる。
「次は頑張ってね」
体の重みが消えて、ドサリという音が聞こえた。後ろを見やると王馬くんが血まみれになって死んでいる。コントローラーを握る手に汗が滲む。
「やっほー最原ちゃん!まだやってるの?懲りないなー」
「そんなに頑張ってもオレは生き返らないよ!」