「ねえキー坊、ちゃんと元に戻してあげるから一回だけバラしていい?オレ等身大ロボット組み立てるの夢だったんだよ」
「嫌に決まってるでしょう!ここから出たら絶対に訴えますからね王馬クン!」
そうやって彼に過剰なロボット差別を受けていたのももはや懐かしくなるほど遠く朧気な記憶になりかけている。中空を翔けながら箱の中の玩具のようにそこにあった校舎を思い、静かな思考回路の中でボクはじっと考えていた。今、その建物は瓦礫と化してボクの真下に散らばっている。そして瓦礫の中にひとつ、見覚えのある機械がぽつりと鎮座している。生命の残り火が流れ出すとても大きな機械だ。
王馬クンがプレス機に圧されて死んだと結論づけられた瞬間、ボクはあの凶器となった機械の天井を思い出していた。迫る天井はボクの命などないもののように無慈悲に帳を降ろしに来る。あの光景を彼も見たのだなと、そう思った。ボクをバラすどころか、キミは実体すらなくなってしまいましたね。
腕に力を込め、プレス機に向けてランチャーを放つ。それは粉々に砕け散って瓦礫のひとつになった。