※発売前の妄想100%な先走りハイパーうんこ
※ミクリオの性格捏造


スレイ、外の世界を知らない君が僕はたいそう好きだった。不謹慎な話だろ。君は君にとって、世界をいくらでも広げられるだけの器がある。その世界のさまざまなものを受け入れられる素直さがある。世界に出るだけの意味が、理由がある。それをすべて理解していて、僕はこう言っているのだ。僕は、君とともに生きてきた。僕は君で、君は僕だった。僕の世界にいる君は、とてもつよい光をはなっていた。君をうしなうには僕はあまりに未熟で、ことばも知らない赤ん坊のように無力で、さらには孤独でさえある。僕は僕だけの自由のために、君をこうして引き留めようとしているのかも知れない。君という光のもとで生きられるしあわせというものを、僕はきっと、じゅうぶんに感じてしまっていた。感じさえしなければ何不自由なくここにいれたものを、僕は無意識に僕の意思として、意識してしまった。君にもしこんな話をしたら、君は不思議でたまらないという顔で首を傾げるのだろう。そういう君がたまらなくいとおしい。なあ、この村はうつくしいよ。僕らここで育ってきた。ここで生まれて、ここで歩けるようになって、ここで友情を学んで、そしてここで恋や愛を知りながら死んでゆくのだと思っていた。ああ誤算だ。君が人間であったこととか、君の未来のことだとか、そんなほんとうは心のどこかでわかりきっていたはずの誤算全部が、僕を僕たらしめた訳なのかもしれないな。君が好きさ。人間の君を、友として誇りに思う。けれど、スレイ、ここにいてはくれないか。僕のために、ここでしあわせに生涯を終えてはくれないか。友人としての、一世一代で最低最悪な、ひとつのわがままだ。君はただ笑っているだけでいい。すてきだ、君の笑顔。何もかも許されているような気持ちになるんだから。
「だから君にとって、導師は天職なんだろうな」
「え?」
導く師。そういうことさ。君はどこでだってきっと変わらない笑みを浮かべている。要は受け取りかたさ。僕は僕としてきちんとそれを理解している。だからうぬぼれながら、君の世界を広げる手伝いをするのだ。はじまりの君にとって、いま僕は一番だ。それだけでも満たされるさ。幼なじみはこういうときに得をする。