縁側のラジオから、なにやら軽快な音楽が聴こえてきます
スチャスチャスチャスチャスチャスチャスチャスチャ
スカだ。素朴なジャマイカのスカだ。ん?日本語のボーカルだ。なんだろう。スカパラじゃなかろ。今どきこんなバンドがいんのかな。なんでもいいが実にキモチイイ。しかしこのキモチヨサは何かに似ている。なんだろう。なんだっけ。
カブだ。
天気のよい日に空いた道をカブでテケテケテケテケ走っているときと同じカンジだ。よし、私はこれから、このようなカンカクを、スカビズムと定義し、日常の中にひそむ他のスカビズムを見つけるべく、耳を澄ましておこう。
あれは10年以上前のことじゃったが〜。
カルカヤマコトという日本人離れも甚だしいドレゲエミュージシャンの、ボブマーリーのカバーCDをエンドレスでかけながら、軽自動車で旅に出たことがありました。タイムスケジュールは真っ白。だからユッタリ進めばいいものを、なぜだかひたすら先へ先へ急ぎました。この場所(ほぼ銚子)からのスタートだと、西へ行けば行くほど交通量が多くなりギスギスしてくるので、都心はサッサと抜けようとする心理があったのかもしれません。
♪コンクリージャーンゴー
(コンクリートジャングル)
されど、夜の横浜も越えて小田原に来ても、私は止まらないでどんどん進む。箱根峠に突入。峠を攻める…いや、守る程度の速度だが、どんどん登る。だがさすがに疲れてきた。パーキングエリアが目についた。左折。駐車。外に出る。暗い。
昼なら眺めの良さそうな谷を見下ろしました。暗闇のあいだにポツポツと灯りが見える。この眺めも悪くない。いや、いいぞ。なんかエヴァ…第三新東京市の夜景みたいだ!箱根だもんなー。
ここにきてやっと私は、トリップしてる実感がひしひしとこみ上げてきた。 ここで一旦仮眠をとろうかと思っていたが、ワクワク感で目が冴えて、とっととまた走り出しました。
深夜の国道1号線。風景の記憶といえばトラックの後ろ姿のみ。トップギアで淡々とまっすぐ走るだけ。なんか眠くなる。いかんいかん!気合だ気合だ気合だー!
CDはアニマル浜口もといミッシェルガンエレファントに替えてました。
♪暗がりで 背ビレ痺れたいなら 稲妻を呼んできて欲しいと言え
(バードメン)
つづく