5 虚空よりの使者




15年ほど前に知ったのですが、『日の出』と定義される時よりも20分位前には、植物は酸素を出し始めるそうです。すると鳥達が目をさまし、鳴き始めるのだそうです。

隣の家にはニワトリがいます。その鳴き声をいくら聴いていても、クックドゥルードゥルー などとは言っていない。どうなってんだ欧米人の耳は。ですがよくよく聴いていると、コケコッコーとも言っていない。

ヴぁっオオっオーゥ

である(笑)。


それはさておき、ぅアオッオーウという音に対して脳で『ニワトリの声』と認識するのは、コンマ何秒かの誤差があるはずで、ニワトリの声をトリガーとして意識無意識を問わずあらゆる思考アンカーが働くのはまたさらにそのコンマ何秒後であるはずで、純粋に音のバイブを受けてからだいぶのちに人はそれぞれの反応しているのである。頭の回転が速いとかいう褒め言葉があるが、たとえそんな人だって相当遅い反応しかしていない。

かつて、百メートル走でフライング失格とされたことに猛抗議をしていた黒人選手がいました。音が鳴ってコンマ何秒か以内に動いてもフライングなんだそうで、脳はそんなに早く音を認識できない、もしくは音を聞いてからの脳の指令からそんな速さで人は動けはしない、的な科学的見地によるものらしい。
だがその選手はずっと抗議をしつづけた。自分は絶対に音を聞いてからスタートしたんだという絶対の確信があるかのような抗議っぷりでした。

私はその様子をなんとなく見ていてなんとなくおもった。超ゾーンに入れば、人は、脳の信号を待ってそれに従うことはないだろうと。

新聞紙を突く練習に集中していたとき、突き破ったそのほんの少しあとからボンッ!とその音が聞こえたことがありました。また、何枚も重ねた新聞紙が破れるかどうかは破る前からわかることはしょっちゅうあります。自信や慢心によるものでなく、なんだか客観的な感じに、それを知るのです。

シンタイは肉体ほど遅くない。肥田さんは、かなりの桁数の数字を適当に書いたであろう多角形のサイコロを複数個、適当に投げて、出目が揃う前から答を言っていたというとんでもない能力があったらしいが、それはやはり、聖中心に至ってからの彼は、もう半ば肉体には居なかったからだとおもう。





4 チャラ手バカ一代



この記事の前に『3 カッケー』というタイトルの記事を昼間に上げるはずだったのですが、書き終わった時点で何故か消えてしまいました。『カッコつけはじめたときがカッコ悪くなりはじめたときだった』と締めくくった、私の過去の精神的&肉体姿勢的な内容の話でした。再び書く気にはなれないですが、少し似たような内容の話をつづることにします。


シンタイコウ式『チャラ手』がチャラくてチャラくてチャラチャラで、五輪競技の空手の型みたいには全然格好よくないです。下半身はかなり確りしていますが、上半身はチャラっチャラです。とはいえ使えない手ではありません。人に突いたらグサグサ刺さるとおもいます(笑)が、どうやら、このエクササイズをすることで私は、『胸をほどいている』ようなのである。


おのれの恥部をさらけ出しているかのような、そしてとても誠実な感じのする、ある人のブログを知っています。とても心に響くものがある内容です。その人の半生のエピソードのインパクトゆえの興味深さも多分にあるとはいえ、やはり一番伝わってくるのは、その人自身のハートです。ダークな内容の、大多数の人がドン引きする肩書きの人であるが、私は誰かの加工写真やら食事の写真やらなSNSを見ているヒマはなくとも、その人のハートが伝わってくる文からは目を逸らすことができない。ときどきあまりにも痛々しい話も出てくるが、その人はどうやら自分に落とし前をつけようとしているようで、その様子は潔い。


さて、肚のボディワークであっても、いや肚のボディワークであるからこそ、胸の開示は必須だとおもう。それは他人に対してどうすべきかという社交的な話ではありませんし、随意筋力でどれだけ胸を膨らませられるかでもありません。まず自己に対して、明け透けにならなければ、肚の正中と胸の正中がつながらないのです。


ではこの言葉でこの記事を締めくくることにします。『ココロのお利口さんになろうとしたときが、ココロのおバカさんになりはじめるときである』



次回予定
『ウニヒピリ、出雲、シト』









強健術において肝要なのは、動作や呼吸以前に、何はなくともまず姿勢です。姿勢がとれているか。それがはじまりであり、そこからがほんとうの動作といえるのである。

腰を反る、立てる、尻をつきだす。言い方はなんでもいいけど、ほんとうにそれができるか。骨盤(腸骨)の上端から腰椎をグッと反るのではありません。そうして緊張させた腰は、ひきつっただけの腰と言わざるを得ません。
踏みつけの稽古をよくしている人ならわかるかもしれませんが、股関節にくるチカラ、そこが大事です。そこからしっかり腰を立てるのである。
股関節というと、身体前面の鼠径部を意識するのもいいのですが、臀部の奥からも意識できます。 お尻を指圧されて、痛いもしくはくすぐったい場所を御存知の方ならピンとくるかとおもいます。腰を立てる、とは、そこから立てるということです。そしてそこから立てたチカラが仙骨上端あたりで合わさり、仙椎がグッ!と反れ、中心三角形ができます。正にこれだ!という感覚が生じ、全身はそれに委ねられ、無駄なリキミは自然と手放されます。


そして私は治癒目的の整体術以外にも、中心姿勢にいざなうための整体術も開発し、シンタイコウの一部である『ちぶる整体』も、ひそやかに進化しつづける次第です。



次回予定
『ウニヒピリ、出雲、シト』







どんどんいろんな動作が生まれちゃうけど、すべては答からの、算式ってゆうか文法ってゆうか。



正中心姿勢を構築するうえで、これがそのコアだ!と言い放ってもかまわないであろう、身体の三点ポジショニングのことを、書いておく。


少し前に記事にした『マボロシの第11動』を簡素化した動作を編み出しました。バックベントが出来なくても取り組めるような動作にしました。しかしその反面、ほんとうに繊細に腰の内部を捉える感覚が必要となります。
肥田式には『上体』『下体』という洗練されすぎた動作(笑)がありますね。あれをもっと研ぎ澄ましました(笑)。『中体』と名付けたい動作です。というかもう『動作』といえるかどうかわからないほど動きの無い型です。『上体』でとるような腕の形を、上体よりも横に広げ、両肘を仙骨に向かって落としこむような心持ちで、やや肘を下げます。するとまるで集約拳みたいに、腰に力が集約されます。上体の筋肉でも下体の筋肉でもない、まさに中心部そのものへのアプローチなので『中体』なんです。『正中の型』つまり第四動斜腹筋でもありません。あえていうなら『パク斜筋』ですが(笑)。少し話がそれますが私はあの第四動は、腹斜筋というより腹横筋運動だとおもいます。ですからシンタイコウ中体すなわちパク横筋‥や、名前はもうこのさいどうでもいいやね。


話が長くなっちまったかな。。では、コア三点ポジションの詳細については、またいつか書きましょうね。



次回予定
『ウニヒピリ、出雲、シト』







時代についていけなくなる一方のオッサンの遠吠え。




♪うっかり燃やしたことにして やっぱり燃やせんかった この切符 アンタにおくるけん 持っとってよ にじんだ文字『東京行き』

(中島みゆき ファイト!)

菜の花が咲いてくると、数年前を思いだしたりします。ちぶる整体を開業するため、上京したときのことを。とてもときめいていましたねえ。

まず物件を探しに行ったとき、久し振りの東京駅の改札で、発券機に向かうと、旅行の外国女性に声をかけられた。御徒町 へ行きたい、だからSuicaを購入したいのだが、操作の仕方がイマイチわからないんです的なことを英語で話しながら、タッチパネルをタッチタッチまたタッチ、してるのですが、英語以前に私はSuicaのこと自体がよくわかりません。むしろそのスムースな操作ぷりを新鮮な眼差しで眺めながら、ん?なんで買えないのかね? うーん、なんで? と日本語でリアクションしてました(笑)。
やがてあきらめた彼女は、OK、テンキュ。ポンポン。と私の肩を叩き、逆に私を慰め、去りました(笑)。

そういえば、発券機に人は全然並んでなかったな。もう切符を買う人などあまりいないのですかね。自動改札すら無かった時代の、切符切りの駅員さんの、カチカチカチカチ、カチカチカチカチっていわすあの素早い手つき、あの音。もう二度と見聞きすることはないんですね。


♪ ふるさとへ向かう最終に 乗れる人は 急ぎなさいと やさしい やさしい声の駅長が 街中に叫ぶ

(中島みゆき ホームにて)


デジタル放送の液晶画面の向こう側では、ギャンギャン言い合っている。ほんとうにどうでもいいことについて。







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