歩行をもっともっと究めたくなり、先日からやたらアスレチッキーな散歩をしています。
それはいわゆる『いい運動』をしているといったような質のものではありません。
階段の昇降だろうが速い歩行だろうが長時間歩こうが、ひたすらスイスイしてるだけで、移動というよりも『居場所が変わる』といったテイでありつづける運動。


下肚一点(正中心)は、重心の置き所ではありません。正月に目を入れるダルマさんのように動かない重心では歩けません。

身体内は、上肚と下肚のあいだを、起点と終点が入れかわり立ちかわり上下運動をする。簡単に言うなら大腰筋をキッチリハッキリ稼動させるということになります。

横に横に(前に前に)行こうとするキモチが先行すると、その動作は軸をずらしやすくなります。前に前にグイグイスイスイ進むのは事実でも、内的なチカラは上に下にグングンスースー動く。バイクのエンジンの縦ピストンと車輪の関係に似たようなものといえばいいのかな。
平坦な道の平行移動を、脚を高く上げ下ろしせずとも、身体内では重心はそうやって動く。二足歩行は180度クランクの二気筒エンジンのようなものだから、重心は『上がる→下がる』ではなく『上がる下がる→上がる下がる』。』


そして、重心=中心ではありません。中心は三次元時空上では動かない。そこには無いからだ!


『重み』として感じられるのは重心感覚であり中心感覚ではありません。中心感覚っていうのは、あえていうなら、『ココだ』ではない。
『コレだ』である。



ところで肥田式強健術では、下肚正中心の解説は詳細だけれども、上肚についてどこまで細かい説明がなされているのかは、私はすべての肥田式の書に目を通していないのでよくわからない。『横隔膜そのまま』のくだりしか知らないんですけど(笑)。


上肚真中心は、胸とも密接な関係であり、横隔膜でソレとソレとを分断するようなシンタイ、イシキであってはいけない。
胸の脱落によって横隔膜はゆるみきる。
『吐気を落とす』のでなく『吐気で落ちる』のです。
横隔膜圧下はNGなのはもちろん、横隔膜はそのままキープするのではなく、『横隔膜フリー』。
肚の下からのチカラが横隔膜を『そのまま』張らせる。