棒磁石にN極でもS極でもない一点など存在しないのと同じに、上体でも下体でもない身体の一点など、存在しないのである。

0、0001ミクロンでさえ存在しないが暫定的に定められる「そこらへん」からは、チカラが発せられる「感じ」がするから「中心」というのだけれども、それは身体を1個とした場合にはそういうだけであり、その力学的中心には物理的には何にもない。

何にもないものに対して何かをするわけにはいかないのである。何にもないところからなぜだか何かをしているのである。

肥田式の典型的なあの姿勢は、典型的に何もしてない姿勢なのである。「腰を反る」 「腹をつきだす」などと意図的に動作するならそれは「ちあきなおみのモノマネをするコロッケ」である。随意筋を使ってあのような姿勢をとってはならない。そのうえで肥田式をやれというのだ。 甲本ヒロトのように跳んだり喚いたりしようとせず甲本ヒロトと同じリンダリンダを歌ってみろというのだ!