下肚に胎児のような勾玉のようなものを宿しているような感覚は下丹田の感覚といえるが、今の私は、肚全体(横隔膜下から骨盤底)のスケールで観音様みたいなのが直立してるようなかんじです。
そしてそれはそれにとどまらず、もっと上へ突き破って伸びあがるような勢いもある。

これを仙道のプロセスと照らし合わせてみると、大周天の「養神」「養胎」というものと酷似している。私のおこなっている「シンタイコウ」は、現実的には肥田式がベースであって、仙道をやっているつもりは無い。だが、以前からいつもいつも、勝手に、古代中国的伝承の氣感とクロスオーバーしてきた。だから今回も意外ではない。

仙道では上肚のことを「黄庭」というらしい。ここはシンタイコウとしても非常に大事な処である。なぜ肥田式は下肚のことばかりをいうのか、以前から腑に落ちないことではあったが、少しばかりその理由がわかった。肥田式における上肚鍛練はつまり各種呼吸法にあたるのだねと。

私が今まで自分勝手に思ってしまっていたニュアンスは、肥田式の呼吸法は筋肉トレーニングもしくは苦行でしかなかった。ブウブウと腹や胸を膨らまし ヘコまし、圧をかける。エア北京ダックかよと。んなもんやるかよ、と。
そうではない。あれは、上肚の脱力体操なのだった。


次回予定
「さらば、ヒーリング。さらば、ヒト」