ヤジロベエを立たせるとき、台にヤジロベエをギウギウと押さえ付けたりはしないように、正座するうえでも、背筋に力を込めたまま固く座ったりはしない。 腰をグッ、グッ、と入れるときにはたしかに『力を込める』といったようなニュアンスは伴うけれども、その作業はあくまでも『ピント合わせ』である。 力を込めっぱなしにはしない。グッのあとはパッである。グッときめた腰のチカラをパッと肚にはなす。もちろんそのとき腰は、まるめない。
で、そのようにして定まった姿勢で座っていると、恍惚感というか至福感的なものに満たされたり、腰にこれ以上ないというほどみなぎる緊張力があるが、それを聖中心とか悟りとかいうのかというと、それはまた違うとおもう。