チャラチャラチャラチャラと、正拳突きモドキを繰り返す。チャラチャラチャラチャラと。
と今度は逆に、鋭く腰を回して力強いスワイショウをする。回転軸の半径は極小に、ギュン!と。そのチカラの伝達した腕はブォン!とふるえる。ギュブォン!ギュブォン!

チャラチャラ。ギュブォン! チャラチャラチャラ。ギュブォン!ギュブォン!
チャラ手はマジでチャラっチャラにおこないます。厳しそうな空手道場とかでやったら指導者に怒られぶん殴られてもおかしくないくらい、チャラっチャラに突きます。だがその途端にうなるスワイショウは、容赦がありません。リミッターとか作動しません。円いチカラが淀みなくぶんまわる。で、やがて、チャラチャラもギュンもブォンも、区別がなくなってきてね、溶け合ってね、『手を前に出すだけなのにスンゲエ強い突き』になってくる。一流の職人の動作が地味なのと同じことです。

空手とか中華武術とか、ボディワークとか遊びとか、何の括りも要らないです。愉しいかどうかです。本物の武道はそんな悠長なものではないぞと言いたくなる人もいるかもしれません。が、それは武道なのか武道じゃないのかっていうよりも、それぞれの生き方のはなしだとおもわれます。