悟り、とは何のことを指すのか、よくわからないので、私は「悟り」や「悟った人」を判別することができません。ですが、「迷いがなくなった人」を一人、知っている。
私のちぶる整体営業記や、中心練修会三宅先生の、あっぱれ正中心「人生を変えるちぶる整体」等々の記事で度々取り上げられていた女性、みつばちさんです。
彼女は昨年、久しぶりに整体を受けに私のところへ1度来ました。以前のときのような、精神にかかわるようなヒーリングは起こりません。単に身体の疲労のケアをしました。
初めてちぶる整体を受けたときに、はからずも出現した彼女の分身。泣いていたインナーチャイルドは、もう全く出てくることはないという。すっかり統合されたのでしょうか、あの頃のスッタモンダも、本人はあまり記憶にとどめてはいないような感じですらありました。
みつばちさんのインナーチャイルドは超能力者的な要素がありましたが、みつばちさん自身がエスパーになったわけではありません。また、彼女の運命が好転してハッピーなことしか起こらなくなったとかっていう引寄せスピリチャルの話にありがちな、虫のよすぎる状況なわけでもない。インナーチャイルドを置き去りにした原因であろう家族関係は、何ら変わっていません。
だがしかし、みつばちさん自身がまるっきり変わった。家族の誰をも、何も、まったく恨んでなどいない。「皆、生きていてくれているだけで、それだけでいい。皆が生きていることだけが望み。他に望むことは何もない」 と、何の屈託もなくいいます。
彼女は、ただ真っ向から向かい合った。それだけである。ただそれだけのことを、多くの人は出来ない。あまりにもツライからである。
「ただ生きているだけでいい」と言ったみつばちさんの言葉の響きは、スピリチャルや引寄せや宗教的なことを「オベンキョウ」している人から発せられるおなじようなコトバとは、全くちがうものでした。自分に言い聞かせている呪文なのではなく、おもっていることをただ口にしただけなのです。
この何年かの間に何回かの、みつばちさんと会話する機会ではいつも、彼女はやたらと笑っていました。なにやら私の挙動や発言がやたらと可笑しくてしょうがないらしいのですが、まあたしかに他の人にもそう言われることはたまにありますけれども、おそらく理由はそれだけではなく、彼女は、
ただただ笑いが込み上げるのでしょう。
♪レイコ いい女になったね
ほれられると女は ほんとに 変わるんだねレイコ
一人で街も歩けない 自信の無い女だった お前がウソのよう
※人の不幸を祈るようにだけは なりたくないと願ってきたが
今夜おまえの幸せぶりが 風におわれるアタシの胸に痛すぎる
レイコ みちがえるようになって あいつにでも本気でほれることがあるんだねレイコ
あいつは誰といても 淋しそうな男だった おまえとならば あうんだね
※くりかえし
(中島みゆき 怜子)