随分若い頃、「達人のサイエンス」という本を読んだことがあります。内容はほとんど忘れましたが、なんとなくひとつだけおぼえているのは、達人への成長曲線は、きれいな右肩上がりにはならないという話。
「プラトー」という停滞期間が必ず訪れると。こういったことは、当時、週1で中心練修会に通っていた私は、三宅先生からリアルな話を見聞きすることができました。やったらやっただけ素直にどうにかなるものではないという事実。しかしそのプラトーがいかに重要な時期なのかということ。
これってきっと、筋トレやダイエットにだってある過程だろうし、多かれ少なかれ、どんなことにもあることだろう。そして、歩んでいるその道がその人にとってのコアであるほど、プラトーの闇もまた深いのである。
そうして人の成長曲線を横から俯瞰で見るなら、それがまっすぐでないにしろ一本の線であらわすこともできる。しかしリアルはもっともっと複雑である。デジタルメーターのように1の次は2で2の次は3で…という段階をきっちりふむとは限らない。停滞どころか、まつり縫いのように後ろに戻ったりもする。
自己啓発とかコーチングとかで、「ゴールを設定しよう」的な題目があるかとおもいます。達人のサイエンスを理解して把握して進んでいくやり方を抜け目なくやっていく手段なのかもしれません。
でも私は、ゴールは最初から設定されているとおもう。もしくは、ゴールなんてものは、すべて時空間のカリソメの設定にすぎないとおもう。
♪泣かないで 恋人よ
何もかも うまくいく
泣かないで 恋人よ
どうにか なるようになる
(ブルーハーツ )
泣くのも、いいじゃん。