肥田式強健術(肥田春充)は、もともと、体をマッチョにするという目的があった為に、簡易強健術で十種のアウターマッスルを鍛えるということになっているが、これはシンタイコウ的には不要なものです。その十種の筋肉以前にもっと意識的に刺激するべき大事な筋肉がある。合気の技とかパンチ力とかにも関わるし、中心力にも関わってくる『前鋸筋』です。
運動能力としての下丹田力=腸腰筋力 といって差し支えないなら、運動能力としての中丹田力とは。 大胸筋力ではありません。

前鋸筋を特別に活性化する運動法を開発しました。でも、たぶんドコカシラのナニカシラのメソッドで、そのようなものが無いわけじゃないだろうから、あえてここで得意気に紹介するまでもないだろうが、私自身的にはこれがまったくスンバラシイ運動になってんだよ。
爽快になりますし、突きのチカラも増し増しになりますし、指圧や整体術をするうえでも技能力は高まります。そして肥田式などをするうえでも、役に立たないわけがない。
『胸が開かない』のは、抱えている感情が原因であることが大きいですが、とりあえずここではたんに運動でアプローチしてゆく場合の話をします。横隔膜の伸び縮みを豊かにするのと同様に、前鋸筋も豊かに伸び縮みできれば、胸の拘束は外れます。
胸で胸を拡げようとしても、思考で感情をコントロールしようとしても、なかなか上手くいかないものですが、前鋸筋のワークをするならば、諸々の中丹田の問題は、勝手に解決に向かいうる可能性があります。

ただし、シンタイコウとは違う文脈の前鋸筋鍛練法をどこかで見つけてやったとしても、そこまでの効能が得られるかどうかはわかりません。