かつて沢山読んだ野口整体に関する本の中に、野口さんが「身体なんて古くなったら脱ぎ捨てりゃいいんですよ」とかなんとか言ったという話がたしかあった。
当時私は、このことばは「身体を使いきったらあとはさっさとこの世からオサラバすりゃいいだけですよ」といったスピリチャルなニュアンスとして聴こえた。今でも変わりはないが、さらに、いろいろと多層的な意味を含んだことのようにもおもえる。
リキンでくたびれた身体のパターンから、さっさと見切りをつけりゃいいだけですよ
腹と腰の充実や緊張なんてさっさと手放せばいいんですよ
腰には上腰と中腰と下腰があって、上腰は腎臓の高さあたり。中腰は肥田式で正中心といっているとこらへん。下腰はヨガでいうところのクンダリニー覚醒上昇を抑えている、結節点だか緩衝点だかと言われるところである。
中腰の緊張がすなわち「無限の聖中心力」ではないでしょう。肥田式は私達にとって、チカラを込めるといったニュアンスがつきまといがちだし、「中腰下肚(肚を三分割した場合、中肚)」のとこらあたりを崇め奉りがちにもおもえるが、なんかね、それは鍛練の過程において、必要なことではある。それをやらないでダラけた鈍い腰に戻ってもなんにも愉しくない。でも、
そういう身体すらも、いつまでも「やっている」必要もまた、ないんですよ。