私が子供の頃、町のあちこちにポスターが貼られたことがありました。全日本プロレスが興行にやってくるというのです!

メインのスターである馬場やブッチャーよりも、ポスター写真の下のほうに小さく写ってたマスクマンウルトラセブン、私はこのセブンが強いのか弱いのか気になって気になってしょうがなかった。雰囲気的には端役である。だが、あのウルトラセブンだで?宇宙人を倒す、かのウルトラセブンだっぺよ?

しかしよく見ると、セブンにしては相当アバウトなフェイスである。まるで子供が落書きしたジャンボーグAである。私は興味を失いました。

ポスターの最下部には「小人プロレス」が紹介されていた。
現代は小人プロレスは消滅したのでしょうか?差別行為だとされるのかな? では、ガリガリプロレスとかジジイガリガリプロレスとかだったらいいんじゃね?そしたら俺、ガリレスやりたい。

棺桶に入って入場。テーマ曲、コスチュームは時計じかけのオレンジを踏襲する。必殺技は「ウルトラバイオレンス(無茶苦茶に殴る蹴るだけ)」。ライバルは江頭2:50と、マスクマンエヴァンゲリオン。ガリレス人気到来。自叙伝「死にたくなければ死になさい」を出版。売れる。文化人の仲間入りをする。椎名林檎との対談が実現する。対談終了後、プライベート「体談」が実現する。対談は週刊新潮に載り、極秘体談は週刊文春に載る。文春の見出しは「私はヘビにそそのかされた」 。 のち、私のリングコスチュームはイチヂクの葉を1枚股間に貼り付けるだけとなる。

その後一般市民からのクレーム→私がツイッターでつぶやく「迷える腐れ子羊どもは黙っとけ」→大炎上→謝罪→引退→ガリレス下火→消滅。


20年後。TV番組「あの人は今」に出演。その頃はもう肉体が半物質化しているので私の姿は画面にはボンヤリとしか写らない。ヤバイよヤバイよと話題になる→復活→冠番組「昇天させてもらえませんか?」にて、バイクで全国のパワースポットに祈りを捧げに行く。鎮魂させてもらえませんか?ってね。