このようなタイトルだと、スピリチャリーな、フワッとした上方のイメージング、といった印象を持たれてしまいそうだが、これは空想の話ではありません。

なぜならそれは仙骨にあるからです。


肥田式強健術では腰を「反る」と云っていますが、僭越ながら私は別の表現をしましょう。「腰を 上げる」。
仙骨を上げるのです。そして、腰と心臓を腹にささげる。しかし物体としての腰と心臓をささげようとするならば、肥田さん自身が後に述解した「邪道」つまり腰を丸めて横隔膜を圧下させた動作になってしまいます。肥田さんは「観念」を極力排除しました。ですから脚の踏みつけからくるダイレクトな反発力をもってして「気合」と呼びました。ですが、「氣」だって観念ではありません。脚を踏みつけなくてもスッと垂直に立てていればチカラは背骨を通っています。それは氣です。そのチカラをささげるのです。

すると拮抗するチカラがガツンと腰腹にきます。このガツンとくるチカラを正中心力と言うのでしょうか?いや、言いません。

ですが、普通の人なら、このガツンリキさえつくることができないので、過程として、身体をガツンガツンと錬磨することは必要だったりします。 しかし、正中心力はその先です。ガツンも消え失せ何もかも消え失せる、超絶妙な、針の穴のような一センがあるのです。そして、これは重要なことなのですが、その一センは探って見つけるものではありません。

と、ここまで言うと、ではアナタは正中心力を悟得したのですね? と思われるかもしれませんが、 ごめんなさい、少しフライング気味に語ってしまっています。
私は、やっと「下体」の型でガツンというチカラをこさえられるようになったヒヨッコであります。ではなぜその先のことを述べちゃえるわけ?と、お思いのかた、もう少し読み進めてください。

下体の難しさといったらマジパナイ。ですがその動作に正中心力は超集約されている。私は才能もなく努力もせず、愚直に下体をやり込むという日々はこの何十年の間、行ってこなかった。「難しい。出来ねえ。全然出来ねえから、つまらん。」よって、すごく回り道をしました。すごい回り道です。半ば遊びながらの。
そこで、チカラが身体を貫通するセンは発見できたといえるのですが、肥田式の下体ではそれができない。
肥田さんのソレは完全な自己放棄だとおもいます。私はそれができていない。天然地然自然超極限無限のチカラの上昇と下降と爆発に、身を捧げきることはできていないのです。

晩年の肥田さんは、強健術の教えを請う人が訪ねてきても、型を1回だけやってみせるだけで後は何もせず何も語らず、だったらしいですが、そりゃあそうかもしれません、だって、「命を惜しんでいる人」には決して出来ないものを、何をどうやったって、何も教えようが無いぢゃありませんか。

で、タイトル「宇宙意識」の話。
自分が描く人生の成功目標とか理想とかと、宇宙意識は、一致するものとは限らない。つーか、宇宙意識になったら、自分が描く自分の人生プランみたいなものは、無くなる。
では世界に振り回されて生きる羽目になるのか?とか 、では宇宙を救うヒーローになるのか!といったような考え、それは妄想観念なのでありますが、人生プランというのもまた、妄想観念であることを知るのである。