今でもあるのだろうか。 世田谷の住宅街的な通りに、唯我独尊大胆不敵奇妙奇天裂といったテイの黄色い建物が立っておった。

近未来風のビルヂングであったが入り口は日本家屋風で、引戸だった。なのに横に引いても開かない。引いてもダメなら開けてみる、と開いた。引戸デザインのドアでありやがった。

薄暗いスペースにポツネンと装置がおわす。ボタンがいくつもある。ボタンには文字がある。青、龍、門 の順序で三つ押すとやおらウィーンと扉が開いた。

扉の向こうは相変わらず薄暗い。鉄骨の階段をガシンガシンと降りる。いつの時代のものかよくわからないパチンコ台が横にズラァァ〜ーって並んでる。

なにやら下方にはテーブルが点在してる、人がちらほら座ってる。「 ブレードランナー」的な風景を想像されたし。

私も席に座った。人が近づいてきた。レプリカントではないよな、この人… 私は人にヒトコト言ってみた

「ランチ。」


カシコマリマシタの数分後、テーブルに届いたチンジャオロース、ゴハン、スープ、あと何か。ふーむ。いい匂いだ。が、圧倒的に異様な空間の雰囲気によって、まだ目の前のモノが果たして食物なのか疑わしいが… おそるおそる口に入れてみた。

うう、 うんめぇ〜!

油よし肉よし竹ピーマン共にサクッシャリッ、ゴハンホクホクホックホク。その他全部うまし。お水も。

コケオドシなだけの店ではない中華飯店、青龍門。感動しつつトイレに行ったらオドロいた。
なんじゃこりゃ! 小便止まるら! ケタケタケタ。

夢でも見ていたのかなってくらいに、非現実的な記憶を残してくれた店。今でもあるのかな。ないのかな。ネット検索などしない。こういうことは検索なんてしないほうがいいんだ。


次回予定「中心は、中心からしか体験できないのだ!」
「われおもう。マジチンポ。」