肥田式強健術を2、3発かますと、私のやせた体でも、腹がポックリと丸く膨張します。やせてるわりにはかなりの出っ腹になるのに、割れた腹直筋は消えません。珍妙な体になります(笑)。

肥田式で養われる腹は脂肪腹とはちがい、表面に肉(脂)がつくわけではないので、これで間違いではないとおもうのですが‥なんだか「間違いさがし」みたいな体つきになります(笑)

内圧がかかった腹は、タフタフもカチカチもしていない。パンパンに張ったボールのようになる。そのような硬さにするうえでは、逆に筋骨という物質は柔らかくなければならない(筋骨の癒着が剥がれているということ)。
骨盤、骨盤にまつろう筋肉達の複雑な構造が、曖昧にボテっとした不活性な状態にいるのでなく、細かに確かに可動するからこそ、《まるくて強い》腹になるのである。

単にリラックスした状態の柔らかさだけでは、チカラにはなりませんが、 大抵の大人はまず、固めてしまった腰腹を解体しなければ、子供のような純真な姿勢に還れません。 肥田式とは、シンタイコウとは、姑息な術を使ってなにやら不可思議で神秘なパワーを得るとかいうような作業ではないのである。

ほどいた腹からは、押し込めるチカラでなく、沸き上がるチカラが出てきます。