真向法の第二体操(要するに前屈) と、フラダンスのローリングという技(膝を畳んで床に着けて、上体をぐるぐる回したり起こしたり倒したり)は、肥田式強健術を練習する人にとっても有効なエクササイズであります。その理由は最後に書く。


肥田式は極め付きの垂直運動です。単純といえば超単純なのに、ほとんどの人はちゃんと出来ない。それは肚腰が活きていないからである。そして死ぬことを怖れているからである。

いちおう、私の今の個人的な イメージ(真体功的表現)と御断りして、身体感覚を説明させていただきます。身体における自己という感覚は背骨もしくは背骨の前あたりである。体の前方ではない。顔は前にあるし前に歩くし、へたすりゃ人は前に前に意識が行きがちかもしれないが、それでは駄目だ。背骨はバックボーンというより本体ですらあるのだ。
龍の如くあれ。
宝玉は下肚正中心にある。

自分といふものが何故今ここにいるのかというような哲学的な疑問や悩みは、体の前面で考えたり行動していても、一生わからない。中心に帰るなりホンシンに戻るなりするかぎり、そんな疑問は浮かばない。

あと、肚は、垂直に矢を放つ弓の如くでもある。前述の2つの体操は、『弓のメンテナンス』的な作用があるのです。
そして肥田式は『射』であります。

すなわち『矢』はチカラです。真氣です。

ですから腰腹の正中心は、『的』ではありません。正中心にチカラ(矢)を放つのではないのです。上肚が矢をつかみながら弦を引き絞っている右手、下肚正中心は弓を押さえている左手です。的は身体にはありません。



次回予定『ジャンピングジャンクフラッシュ』