部屋の窓を開けると、向かいの家の庭が見えるのです。ガーデニングが趣味のお宅のようで、毎年この時期になると牡丹やら何やら、色とりどりの花が庭全体に咲き乱れます。

それをぼんやり見ていると、どこか時代を遡らせて宮廷にでもいるような気分になる。そして、なにか物思いに耽ってみたりする。

刑執行の日が迫る中で、マリー・アントワネットはフェルセン伯爵に最後の手紙を送りました。そこには、「さようなら私の心はあなたのものです」とだけ書かれていたそうな。

ふと、そんな逸話を思い出し、どこか切なさを感じながら向かいの家の庭を見ていたのでした。



恋人が職場復帰しました。携わる業務が変わったらしく、とりあえず何とかやれているそうです。

会話をしていると、アウトレイジではないが「ふざけんじゃねえテメエこのやろう」とか言いたくなることもしばしばあった休職期間。今更なんだけど、カウンセラーの資格を取得しておいて良かったなあと思いました。対話をするうえで何気に役に立っていた。

この資格は、そのはじめ外部に相談を持ちかけることが苦手であった自身のために取ったものでしたが、歴史を学んでいるほうがずっと心が救われる私には残念ながらあまり役に立っていなかったのでした。