「小フーガト単調」は、この半年のあいだで最も聴く回数が多かった曲です。「どうすればこんな曲が作れるんだろう?」とか考えながら聴いていると、いつの間にか寝ていました。

歴史を顧みれば、その中には今の私と同じようにこの旋律に心を癒された人々が大勢いたことでしょう。10人いれば、10のドラマがあります。それを何となく想像してみたり。同じ境遇の中で、同じ思いを抱き、この曲に耳を傾けていた人も当然いたはず。

ある朝、母親の回復を祈ってお経を唱えていたときのことでした。お経を唱えているのに、なぜだか教会にいるような錯覚に陥ったのです。教会で、同じように何かを祈っているような映像が脳裏に浮かんで見えてきました。それはどことなく女性の雰囲気であった。

というわけで、小フーガト単調。それしか浮かんでこなかったというのか、感じに一番よく合っている曲のように思えました。



先日、危うく他車2、3台を巻き込む事故を起こしそうになった私。その日は路面がスケートリンクもいいところでした。

それは帰宅時での出来事。私は右側車線を走行していました。左側車線から割り込んできそうになった車に驚いてブレーキを踏むも、滑って止まることが出来なかったのです。自身も無意識のうちに若干スピードを出していたのだと思います。

このままだと前方の車に間違いなく突っ込むであろう勢いでした。私は「もうおしまいだ」と思った。

ところがその時でした。何かに「左に行け」と言われたような気がして、私はとっさに左に大きくハンドルを切ったのです。車は勢いよく左側車線を突っ切って路肩へと外れました。そこがたまたま縁石が途切れているところで、ちょうど車が一台くらい収まる場所であった。

きっと、何かに守られたのだと思いました。

路肩へ外れたはいいが縁石に乗り上げていればそれはそれで別の事故を誘発していたかも分からないし、左側車線を突っ切っている最中にだって後方から車が来ていなかったから良かったようなものでしたので。

家に帰ってからも緊張が解けずに半ば放心状態であった私は、その晩にオーブというものを目撃しました。白いピンポン玉のようなものがスーッと横切っていきまして。