自宅トイレの壁に掛けているキヤノンのカレンダーには、世界各国のダイナミックな風景写真が月毎に掲載されていて、ちなみに11月はケルン大聖堂です。私は用を足しながら、自分はいつになったらドイツに行けるのだろうと考えた。

かれこれ中学時代からの夢であるドイツの旅。なぜか行先は限定的でバイエルン州です。昔からバイエルン州が好きであったというか、惹かれる場所が全てバイエルン州にある。

欲を言えば行きたい国はたくさんあります。歴史の学びを深めれば、それだけ訪れてみたい場所は増えていきますよね。そりゃ現実的には無理だろうけど。

ドイツに限らずですが、私は古い街を歩きたいです。教会とか、修道院とか。そして上手い具合に鐘の音を聴けたら尚いい。ただそれだけで良いのです。

いつか行けたら良いなあ、今は無理でも・・・

今の自分は、行けないのではなくて「行かない」という選択をしているのだと思います。航空会社を選ばない格安ツアーであれば、行けるだけのお金はある。だけど行かないのは、今は海外なんかに旅行に行っている場合ではないからです。

あるいは、長いこと我慢を繰り返しているうちに私の中にはひとつ哲学が生まれました。大切なのは物質ではなく、心にその世界を持ち続けることではないかと。そしてそれは自分らしく在ることにも繋がっていくのではないか。

確かに今はまだ行けないけれど、そのぶん知識と経験とお金を貯めて将来かならず行ってやる、そんな意気。どうせなら歴史を熟知してから行きたいじゃないですか。そっちのほうがカッコイイもの。

・・・と、こうして自分を励ますのです。



ベルリンの壁崩壊から、ちょうど30年。キヤノンは、それを分かっていて11月の写真にドイツを選んだのでしょうか。もしそうであるならば、なんて深いのだろうと。因みに私が使用しているカメラもキヤノンです。