話題:突発的文章・物語・詩
「船長!また、新たな宇宙モンスターです!」

部下の言葉に、俺は船内スクリーンの拡大ボタンを押す。

ここはイプシロン宇宙域。そして俺は、人類初のイプシロン宇宙域探査船【はちみつレモン号】の船長だ。

単なるポカポカ弁当の店長に過ぎなかった俺が、人類の未来を担う宇宙船の船長として異例の抜擢を受けたのには驚愕の理由がある。それは俺のオヘソのゴマの数が……(中略)……とまあ、そんな訳で特別な訓練を受ける事もなく宇宙船の船長になったまでは良かった。

だが、いざこうしてイプシロン宇宙域に飛び立つまでには想像を絶する困難が次から次へと俺を襲ったのだった。

例えばカステラのセロハン紙が…(中略)…だとか、初音ミクがウィルスによって逆にみっくみくにされた挙げ句…(中略)…だとか、ワムのジョージ・マイケルじゃない方の…(中略)…な事もあったし、更には、頭からかぶるポンチョタイプの…(中略)…は、すんでのところでブタ顔になるところだった。

そればかりか…壊れかけのレディオから聴こえてきた…(中略)…モンゴリアンチョップの…(中略)…甘酢あんかけは…(中略)…斉藤清六さんを見習った…(中略)…グローバル展開を…(中略)…お猿のカゴ屋だホイサッサ…(中略)。

しかし、それはもう過去の事。

現実に俺は、“イプシロン宇宙域探査”という極めて過酷な任務を…(中略)…千場吉兆のつぶやき女将に負けじと…(中略)…桂三枝が…(中略)…いらっしゃ〜い♪…(中略)… なのだから。

「船長!宇宙モンスターがこちらに接近して来ます!」

そうだ。今は回想に耽っている場合ではない。

俺は、操舵手と砲撃手に命令を下した。

「右舷30℃に…(中略)…コラーゲンたっぷりの…(中略)…シェフのおすすめ…(中略)…稲妻レッグラリアート…(中略)…そして…(中略)…熊川哲也は…(中略)…知っている…(中略)…宮本亜門も…(中略)…知っている…(中略)…という事で宜しく!」

理路整然とした俺の指示に、操舵手と砲撃手の2人は黙って頷いた。

スクリーンの中の宇宙モンスターは、物凄い速度で船体に迫っているようだ。俺は改めて、その宇宙モンスターを観察した。もしかすると弱点のような物が見つかるかも知れない…。

 
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