話題:ぼくのミステリな日常


 

目をやった瞬間に表示された時刻がパッと変わる。 壁掛け、卓上、スマホの時刻表示etc、種別問わずのデジタル時計の話。

『で?時計なのだから時刻が変わるのは当たり前でしょう。たまたま見た瞬間に時刻が次の分に進んだだけでは?』

──そう思われるかも知れない。私としても【12:30】が【12:31】に変わったとか、【07:54】が【07:55】になったという話なら特筆すべき点は何もない。が、此処にこうして一つのお話として書く以上、それ相応の理由がある訳で、それはつまりこういう事だ。

【12:30】→パッ【12:33】
【07:54】→パッ【07:56】

時刻表示が2分ないし3分飛ぶのであ る。ほんの一瞬で、だ。これはどう考えてもおかしいだろう。上の例で言うなら、途中にあるはずの【12:31】【12:32】、【07:55】、3つの時刻は何処に消えてしまったのか?

オカルト好きなら恐らくこう言うだろう。それは機械のバグかシステムエラー、じゃなけりゃ貴方の見間違いだろう、と。しかし残念ながら、私は極めて科学的な人間なのでそれとは別、次のように常識的に考える。

「時計が油断していたに違いない」

(まさか今こっちを見ないよね)と気を抜いていた、或いは何か考え事でもしていたか、眠くてボーッとしていた。そこにいきなり私が目をやったものだから慌ててパニックになり 通常は有り得ない時間飛ばしをしてしまった。つまり、デジタル時計は機械ではなく生き物という事になる。

極めて科学的な仮説と言えよう。これなら誰もが納得出来るに違いない。

もし、この仮説が間違いならば、残る可能性は一つ。つまり『私が【時をかける少女】になりかけている』。【時をかける少女】というよりは【時をかける後期高齢者】ではあるが……いやいや断じて【後期】ではない。


もしも、こちらの方の仮説が正しかったとすると、「朝、目を覚ましたら原田知世ちゃんになっていた」等という事があるかも知れない。もし、そうなったらすかさずブレ〇ディ(珈琲)を飲んで「ふぅ〜っ♪」と可愛く息を吐いてみたい。

うむ。これから毎朝、目を覚ますのが楽しみだ。

……でも、原田知世ではなく尾美としのりの方に変わっているかも。


〜おしまひ〜。


(*)目をやった瞬間、時刻表示が2分か3分飛ぶというのは本当の話です。