世界は脈絡の無い断片の並列で成立している。

話題:ポジティブ

例えば、一つの個体はその時間の縦列性によって部分的な自己完結性を保っていますが、世界は、そんな事はお構いなしに一見脈絡のない並列性によって空間を形造るのです。


或る日の午後三時ジャストの世界における同時並列事象。


―――――――


体格、運動神経、精神力ともに申し分なく、誰もが“将来の横綱間違いなし”と太鼓判を捺す少年が、どうやら自分は裸になるとソッコーで風邪をひく体質である事が判り、泣く泣く相撲部屋入門を断念した。


―同日同時刻―


うっかり、眼鏡を掛けたまま目を掻こうとして、人差し指を突き指してしまい軽く落ち込んでいる人がいた。


―同日同時刻―


渋谷のハチ公前でスタイリッシュな女を小一時間近く待ち続けているエレガントな男がいた。


―同日同時刻―


渋谷のモヤイ像の前で、エレガントな男を小一時間近く待ち続けているスタイリッシュな女がいた。


―同日同時刻―


目的地に到着したタクシーの料金メーターが、車が停車する0・5秒前に跳ね上がったせいで、車内は微妙に気まずい空気に包まれた。


―同日同時刻―


十分気を付けていたにも関わらず、熱々のピザで前歯の裏の下の粘膜を軽く火傷してしまい、自らに“イタリア人失格”の烙印を捺したストイックな男がいた。


―同日同時刻―


TSUTAYAのカウンターで、店員に「スワヒリ語ノ吹き替え版ハオイテアリマセンカ?」と尋ねる、アフリカ人にも日本人にも見える微妙な雰囲気を持つ男の姿があった。


―同日同時刻―


勇気を出して初めて入った立ち食い蕎麦屋で、女子大生が緊張しながら「かき揚げ天うどんを下さい」と注文したら、カウンターのオバチャンに「食券買ってください」とクールに言い返され、赤面していた。


―同日同時刻―



接待ゴルフで、うっかりホールインワンを出してしまった接待役の営業課長が、(これで契約は御破算だなあ〜)と晴れ渡る空を見上げながらネガティブな気持ちで途方に暮れていた。


―同日同時刻―


接待ゴルフで、接待役の営業課長に目の前でホールインワンを出された社長が(この課長の持つ強運に賭けてみよう)と、事態をポジティブに受け止め喜んでいた。


―同日同時刻―


山手線に並んで座るペアルックの男性二人は、実は完全な赤の他人で、二人が出逢うのも生涯を通してこの一度きりである事を知る者は誰もいない。


―同日同時刻―


アメリカのエリア51の中にある地下秘密基地で、或るグレイ型宇宙人の240歳の誕生記念パーティーが密やかに行われていた。


―同日同時刻―


将来、永久エネルギー機関を発明し、地球の環境問題を一挙に解決に導く事になる天才少年も、今は自宅の庭にある大きな石の下で無数に蠢くダンゴ虫の数を正確に数える事に全神経を集中させていた。



―――――――


これらの出来事は全て、互いに何ら相関関係を持つ物ではありません。

しかし、紛れもなく、この日の午後三時、世界は、これら並列に繋がる一見無関係な場面場面により、一枚の世界絵図として完成をみたのです。

食券を知らなかった女子大生とグレイ型宇宙人は、例え、終生互いにその存在を知らないままだとしても、遠く離れたパズルの1ピースとして、確かに繋がっているのでしょう…。

 

【カラータイマー】短文の世界【点滅】。

話題:(´・ω・`)3分勝負

 

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『人気弁当』

当店の人気ナンバーワン弁当は…

洋食屋さんの和風中華弁当(サルサソース)。

…で御座います。


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『DNA』

人間の遺伝子の染色体は、男性=XY型 女性=XX型ですが…

歳を取り、人間も鄙びてくると、だんだんと男女の見分けが付かなくなってきます。

その時の染色体は、男女共通=Жψ型に変化していると考えられます。

更に歳を取り、もはや人間なのか置物なのかすら判別が困難な場合には、染色体の変化も更に加速し、超人=ξζ型となっていると予想されるのです。


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『DNA補完事項』

因みに…

エビスビールばかり飲み続けている人の遺伝子染色体=ゑゑ型。

ピサの斜塔を毎日眺め続けている人の遺伝子染色体=ДД型。

以上の様に変化している可能性が高い事も報告がなされています。

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『噴射系女子ヒーローの誕生』

五期ぶりに出現したゴキブリに、コックローチと間違えて、エアサロンパスを噴射した陸上部の女子マネージャーの話にハリウッドが興味を示した。

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『新車購入サービス』

ただいま当店で新車をご購入されますと 期間限定サービスと致しまして、もれなく、スライスチーズを1枚、ボンネットの上に無料でトッピングさせて頂きます。


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《ウォーミングアップ週間》

 

(余計な余計な)『浦島太郎』。

話題:突発的文章・物語・詩

いきなりですが、風邪をひいてしまいました。

少し記事を休もうかとも思ったのですが…

前回の流れで書きかけになっている話があるので、取り敢えずはそれを気合いで書き切りたいと思います(‘o‘)ノ


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(カッコが余計な)『浦島太郎』。



むかしむかし…ある(釣り専門誌で常に“メバル絶好調”と書かれている)海辺の村に、浦島太郎という(中2ネームの対極にあるような昔ながらの)名前の優しい青年がいました。

そんな(どんな?)ある日の事、浦島が(たまにはサーフィンでもするかと)海辺を通りかかると、(当たり前のようにズボンを“パンツ”と呼ぶ世代の)子ども達が、大きなカメを囲んでいる光景に出くわしました。

どうやら、子ども達は(歌舞伎がかった動作で)カメをいじめているようです。

浦島が(ユースケ・サンタマリアのような感じで)「おやおや、かわいそうではないか。はなしておやり」と云うと、

(若いくせにコエンザイムQ10とかのサプリに異様な興味を示すタイプの)子が「いやだよ。やっと、つかまえたんだもの」と云い返してきました。

見ると、カメは(多少オーバーリアクション気味に)涙をこぼしながら、(明らかに何かを期待した目つきで)浦島を見つめています。


浦島は仕方なく「それじゃ、(円高の問題はあるけれども)君らにはお金をあげるから、この(桃太郎や金太郎に比べれば間違いなく文系よりの)お兄さんにカメを売っておくれよ」と云いました。

すると

(交渉の落とし所をよく心得ている現代の)子ども達は「うん、いいよ」と、あっさりカメを譲ってくれたのでした。

 浦島は、(ワシントン条約が軽く頭に引っ掛かりながらも)子ども達からカメを受け取ると、

「もう(私は金がないから)つかまるんじゃないよ」

 声を掛けながら、カメを(赤潮で異様に赤く染まった)海へと逃がしてやりました。

 カメは(優勝した瞬間の なでしこジャパンのように)よろこんで海へ帰っていきました。
 
それから(食っちゃ寝、食っちゃ寝で)二、三日が経ち、(少し太った)浦島が(ダイエットがてら)海に出かけて、魚を釣っていると…

(漫才コンビ麒麟の川島のような低音ボイスで)「浦島さん、浦島さん」と語りかけてくる者があったので

負けじと浦島も(藤岡弘ばりの低音ボイスで)「おや? だれが呼んでいるのだろう?」と返したところ…

「わたしですよ」

 海面から、カメがひょっこりと(何故かドヤ顔で)頭を出したのでした。

「この間は(ユースケ・サンタマリアの物真似を見せてくれて)どうも有難うございました」

「ああ、あの時の(演技過剰気味の)カメさんかい」

「はい、おかげで助かりました。ところで…(いかにも物語進行上の“段取り”っぽい質問で恐縮ですけど)…浦島さんは、竜宮へは行ったことがありますか?」

「竜宮? さあ? 竜宮って、どこにあるんだい?(と云うか、どうして私の名前を知ってるの? 名乗った覚えないのに)」

「(面倒くさいので簡単に云わせて貰うと)海の底です」

「えっ、(水圧とか酸素といった物理的問題をサクッと無視して)海の底へ(ジャージ姿の)僕が行けるのかい?」

「(むしろカメの私が人間の言葉を話している方が、よっぽど無理があると思うけど…とは云わない事にして)わたしがお連れしましょう。さあ、(グダグダ云わずにサッサと)背中へ乗ってください」

カメは(半ば強引に)浦島を背中に乗せて、(再びドヤ顔で)海の中へともぐっていきました。


 
more...

(カッコの中)は余計なのです。

話題:バカだなぁとおもったとき


ごく当たり前に巷に存在する言葉たちも、余計な一言を(カッコ)を使って“チョイ足し”すれば、その味わいをガラリと変える事が可能となります。

それでは…“論より証拠”“百聞は一見に如かず”とも云いますので、早速、ご覧頂きましょう…。


―(カッコの中は余計です)―



石の上にも3年(B組金八先生)。


コピー類(巻かおる)。 


マリナーズの(富永)イチロー。


十六文キック(ザ カンクルー)。


聖徳(マグマ)太子。


路傍の石(田純一)。


鳴くよウグイス平安京(エイリアン)。


赤毛のアン(ガールズ)。


鶴(太郎)の恩返し。


幸せの青い鳥(羽一郎)。


ハリーポッターと賢者の石(頭)。


ハリーポッターと賢者の石(原良純)。


小林(DA PUMPの)一茶。


大島渚(のシンドバッド)。


七人の(ギター)侍。
彼女の髪型はショート・ボブ(サップ)。


徹子の(相撲)部屋。


東京、神奈川、埼玉、千葉(真一)。


東京ラブ(ラドールレトリバー)ストーリー。


箱根 彫刻の森(光子)。


佐藤(B作)の切り餅。 


限りなく透明に近いブルー(レット置くだけ)。 


エデンの(そのまんま)東。


必殺(ガテン系)仕事人。


吾が輩は猫(ひろし)である。


アルプスの(マッチ売りの)少女ハイジ。


ジョニー(大倉)への伝言。


南こうせつの神田川(料理道場)。


真犯人は(何となくだが)お前だ!


(アドマチック)天国から来たチャンピオン。


ベルリン天使の歌(丸)。


(神戸製)鋼の錬金術師。


(サウンド)トラック野郎。


桃(レンジャー)の天然水。


硝子の(狼)少年。


週刊少年(バンジー)ジャンプ。


チャゲ&飛鳥(時代の仏像)。


365歩の(コアラの)マーチ。


冬(将軍)のソナタ。


君の(しこ)名は。


ノルウェーの森(進一)。


ワンカップ(張り出し)大関。


平凡パンチ(パーマ)。 


時は金(魚)なり。



☆☆☆


何だか、例によってキリがなくなって参りましたが…

ごく短い言葉を軽く“チョい足し”しただけで、テイストやニュアンスが変化した事を感じて頂けたと思います。


変わり映えしない日常も、軽く“ひと手間”掛ける事で、よりアホらし…いえ、より素敵な顔を私たちに見せてくれるのでしょう。


《終わり》。


 

素敵な隠れ家 リストランテ【がっかり屋】。

話題:料理、グルメ全般

素敵な隠れ家リストランテ【がっかり屋】に訪れるのは、とっても素敵な人ばかり。

春の陽気に“おみそ”が桜色に変色してしまった人や…

真夏の直射日光に“おみそ”が半分溶けかかっている人…

秋の夕暮れに“おみそ”の中でコオロギが鳴き続けている人も居れば…

真冬の寒さに“おみそ”が永久凍土のように凍りついてしまった人も居ます…。

そんな素敵すぎる人々の為、【がっかり屋】では当店でしか味わう事の出来ない、とびきり素敵なメニューをたくさん取り揃えておりますので、皆様どうぞ、ごゆるりと優雅な一時をお過ごし下さいませ。

さあ、それではご注文をどうぞ…


☆☆☆☆☆


《ポトフ》


「畏まりました。ご注文はポトフでございますね?」

ギャルソンはそう言うと厨房の奥へと姿を消した。

程なく戻ってきたギャルソンの手には“お麩”が握られている。

そして彼は、にこやかな微笑みを浮かべながら、手に持った“お麩”を私の目の前でポトッと落とした。

「お待たせ致しました。【ポトッ麩】でございます♪」

ポトッ…麩。

エクセレント!!(°□°;)

煌めくオーロラ!
夢見るプリズム!

そこのけ!そこのけ!お馬が通る!

なんて素敵なお店なのでしょう!


☆☆☆☆☆


《牛丼》


「畏まりました。ご注文は牛丼でございますね。それでは、あちらの特別室へお越し下さい」

案内された特別室では、狭い狭い四畳半の室内にビッシリと椅子が並べられていた。

ところが…どうやら、おしくらまんじゅう状態で皆が食べているのは、ただの丼に入った白飯のようだ。


「お待たせ致しました。【ギュウギュウ丼】でございます♪」


ギュウギュウの満員状態で食べる丼飯…ギュウギュウ丼…ギュウ丼。


ゴージャス!!(°□°;)

輝く夜明け!
よろめくOL!

負けるな一茶!これにあり!

なんて素敵なお店なのでしょう!


☆☆☆☆☆

 
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