教えて、モヘンジョ先生!


話題:大丈夫


なんでも相談室宛てに幾つか質問のお葉書が届きましたので、それらに対する回答をQ&Aの形でお届けしようと思います。お答え頂くのは国際あっちむいてホイ振興協会で代表理事を務めるモヘンジョ太郎先生です。

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【Q】1500年の歴史を持つ由緒ある寺で住職を務めている者です。実はかねてより疑問に思っていた事があります。それは歴史に名を残す二人の僧、空海と最澄に関してです。僧籍に身を置きながらそんな事も知らんのかとお叱りを頂きそうで甚だ恥ずかしい限りなのですが「聞くは一時の恥、アルプスの少女はハイジ」とも申しますので、ここは一つ、恥を忍んでお訊ね致します。空海と最澄、この二人はどっちがボケでどっちがツッコミなのでしょうか。時代が古すぎてDVD等も残っておらず調べる事が出来ません。是非とも先生の力をお貸し下さい。

〜眼力のまったくない織田無道(78)他力本願寺住職〜

☆先生の回答☆

【A】とても由緒ある寺の住職とは思えない御質問ありがとうございます。結論から言います。どちらもボケでも無ければツッコミでもありません。無理にでも、どうしても、マスト・ビーというのであれば、割かし自由に動き回る空海がボケで、優等生的で人気では空海に敵わない最澄がツッコミでしょう。ただ、空海と最澄はお笑い芸人ではないので本来はボケもツッコミもありません。繰り返しになりますが二人は漫才コンビではありません。では何か?実は何を隠そう二人は音楽デュオなのです。最澄は「ケミストリー」みたいにお洒落な感じでやりたかった。一方、空海は「ゆず」のような庶民派を目指した。そこに方向性の違いが生まれたのです。


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【Q】鮭の事をサケと言う人とシャケと言う人がいるたい。どちらが正しいのでごわすか。宜しく教えてたもれ。

〜サーモン豊作(26)野球選手・阿寒湖マリモーズ所属〜。


☆先生の回答☆

【A】まず最初に、そのおかしな言葉遣い、一体、どちらのご出身なのでしょうか。それで、質問の答えですが、とても簡単です。切り身にしたものがシャケ、切り身ではない一本ものがサケとなります。それから、これは世間一般には殆ど知られていないのですが実は他の魚も同様で、例えばマグロの場合も切り身はミャグロ、カマスはキャマス、サバはシャバとなります。高級割烹や目の飛び出るような値段のお寿司屋さんなどで、注文する際にさりげなく「ミャグロ」「キャンパチ」「チャイ(鯛)」などと頼むと良いでしょう。(おっ、このお客さんツウだな!)と一目置かれる存在になれるでしょう。ただ例外として、サバをフレンチ風に仕立てた場合のみ、シャバではなく「サヴァ」となるので宜しくご注意下さい。


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【Q】ロックンローラーの見分け方を教えて下さい。急いでいます。一秒でも早い方がいいです。お願いします。

〜道場ロック三郎(88)和の鉄人28号〜より。


☆先生の回答☆

【A】何をそんなに急いでいるのか理由が非常に気になりますが、それはまあ良いでしょう。それで答えですが、これまた非常に簡単です。ロックバンドを組んでいる者、それがロックンローラーです。……と言いたいところですが、実はそうではありません。ロックをやっていても心は完全に演歌一色という人も居ます。つまり見た目では判らないという事です。とっぽい髪型や尖った口、挑発的な服装や変な形のギター、そういったものは判断材料にはならないのです。口が尖っていれば良いのならサンマやカマスも立派なロックンローラーでしょう。

では、どう見分けるか。答えは一つ。無意識の反応を見てその人がロックンローラーの魂を持っているのかどうかを判断します。用意するものはチョコベビー1個。それを目の前に出して「このお菓子の名前は何?」と訊いてみて下さい。

「えっ、チョコベビーじゃないの」という感じで答えた人はロックンローラーではありません。ロックンローラーならこう答えるはずです。

「チョコベイベーだぜぃ」

そうです。ロックンローラーは必ずベビーの事をベイベーと発音するのです。無意識の反応でベイベーが飛び出せばほぼほぼ、いえ、ほぼほぼほぼほぼほぼぼぼぼ間違いありません。是非参考にして下さい。ちなみに、チョコベビーはベビースターラーメンでも構いません。その場合はもちろん「ベイベースターラーメン」となります。


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【Q】自分では全然そう思わないし意識も全くしていないのだけど、町を歩いているといつも石田ゆり子さんに間違われてしまい、ちょっと困っている41歳のセールスレディーです。顔は思い出せるのに、どうしても名前が出てこない役者さんがいます。とても、もやもやします。気になって眠れなくなりそうです。モヘンジョ先生、お願いします、いま私の頭の中に浮かんでる役者さんの名前を教えて下さい。中年、いえ熟年でしょうか。男の役者さんでドラマでしょっちゅう見掛ける脇役の方です。髪型は時代劇だとカツラをかぶって現代劇だとそのまま、服装はドラマ毎に違う服を着ていて、喋る言葉はほぼほぼ日本語。何とか先生の力でお願い致します。そして、もし宜しければ、おすすめの保険に入りませんか?

〜あなたの町の美魔女(41)日〇のオバチャン〜

☆先生の回答☆

【A】困っていると言いながら明らかに嬉しそうに見えるのですが……。まあ、それは良いとして、幾ら何でもそれだけの情報では無理です。と言いたいところだけれども、判りました、何とか致しましょう。100%は無理でも、候補を絞りこむ事は可能です。中年〜熟年の男性俳優でドラマによく出ている脇役、いわゆるバイプレイヤーとなると(ダック)……羽場裕一さん、阿南健二さん、中西良太さん、石丸謙二郎さん、河西健児さん……恐らく犯人(ホシ)はこの中の誰かだと思われます。該当する確立は80%。以上は熟年よりの回答。これが中年よりで少し若めになるとそこに、野間口徹さん、矢柴俊昭さん、北村有起哉さん、丸山智己さん、長谷川朝晴さんあたりが加わります。これで90%。残りの10%は頑張って自力で思い出して下さいませ。健闘を祈っております。保険は遠慮させて頂きます。


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【Q】1500年の歴史を持つ由緒ある寺で住職を務めている者です。実はかねてより疑問に思っていた事があります。それは他ならぬ漢字についてです。職業柄、漢字を読み書きする機会が多いのですが、ある時ふと一つの疑問が頭をもたげたのです。漢字には様々な部首があり、中でもヘンとツクリに分けられる物の多いのですが、このヘンとツクリ、果たしてどちらがボケでどちらがツッコミなのでしょうか。漢和辞典をみても載っていません。何卒、モヘンジョ太郎先生の力をお貸し下さい。南無阿弥陀婆ア。

〜一休どころか全休さん(78)T寺住職〜

☆先生の回答☆

【A】あなた、絶対、眼力のない織田無道さんですよね?いや、それよりも、どうしてそんなに何でもかんでもボケとツッコミに分けたがるのでしょうか。そこがとても気になります。それで回答ですが、漢字というのは漫才コンビではないのでボケもツッコミもありません。空海と最澄の場合と同じです。ちなみに、風神と雷神、観阿弥と世阿弥、運慶と快慶にもボケ━ツッコミの役割分担はありません。ただ、漢字の場合、どうしてもと言うのであれば、落ち着いているどっしりしている感じの[ヘン]がツッコミで、割と自由に跳ねていたりする[ツクリ]がボケでしょうか。……と言うよりも、むしろ、ヘンなのはこの質問の方ですが。


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以上をもちまして今回のQ&Aは終了でございます。次の機会がありましたればまたお会い致しましょう。


カタカナに弱い富士山太郎くん。


話題:文字や言葉


滝壺小学校6年2組の富士山太郎くんはとても優秀な生徒ですが、名前が和風なせいか、カタカナ言葉に弱いという弱点がありました。先だっての自由作文を読んだ担任の竹之内ヘニング良枝先生はそれが少し気になっていました。


◆良枝先生の感想と添削◆


山太郎くんの自由作文『僕の素敵な家族』を読みました。山太郎くんはバラエティ豊かで優しい家族や親戚の方たちに囲まれていて幸せですね。作文自体も素直な文章と圧倒的なボリュームで、とても良く書けているなあと感心しました。

ただ、一つだけ気になる点があります。それはカタカナ言葉のちょっとした間違いです。山太郎くんは前に「カタカナ言葉をずっと見つめ続けていると文字が勝手にうにょうにょとミミズみたいに動き出す」と言っていたけれど、それが原因なのかな。一箇所二箇所ならともかく、結構な数の間違いがあるので、うっかりミスだとは思うけれども、一応その部分を指摘して訂正したいと思います。

まずは山太郎くんのお父様の話。お父様はこの4月から誰もが名前を知っている某IT企業の宣伝戦略部門の【特別バドワイザー】に就任したと書いてあるけれど、それはバドワイザーではなくて【アドバイザー】だと思います。先生、大和くんのお父様がバドガールの衣装(ぴっちぴちのボディコン)をつけて授業参観に来ている姿を想像してちょっと血の気が引いちゃいました。お父様の名誉の為にも次からは間違えないであげて下さいね。

次は、冬物の服を家族みんなで買いに行った部分。なるべく重ね着をしないよう「保温力の高いビートイットの肌着やTシャツを買った」とあるけれど、それは【ヒートテック】の間違いじゃないかな、って先生思います。ビートイットはマイケルジャクソンの30年以上前の古いヒット曲です。ご両親が聴いていて、それで知っていたのかな。

それから、ファッション業界にいらっしゃる叔母様の紹介で原宿にある芸能人やモデル御用達の美容室に行った時の話。「通常、予約が2年待ちのカラスミ美容師に髪を切って貰った」と書いてあるけれど、言う迄もなくカラスミではなく【カリスマ】美容師が正解でしょう。体から珍味の匂いを発している美容師さん、ちょっと嫌です。それにしても、山太郎くんのスポーツ刈り、前よりちょっとお洒落な感じがしたのはそのせいだったのですね。

それと、もう一つ。そのお洒落な叔母様の服装に関して。山太郎くんは【エレガント】と書いたつもりなのだろうけど、「エレファント」になってしまっています。エレファントは動物の象さんです。でも、もしも「エレファントカシマシっぽい服装」の意味であって間違えた訳ではないのならば先生謝ります。ごめんなさい。

他にもけっこう間違いがありました。

本場イタリア仕込みのピザ屋で食べたのは「ボンジョビの窯焼きピザ」ではなく、恐らく【アンチョビ】のピザでしょう。ボンジョビはアメリカのロックバンドでピザのトッピングには適していません。もし出来たとしてもかなりお金が掛かると思います。

「日曜日、よく晴れていたので家族みんなで家の大掃除をしました。ウーパールーパーが大活躍でした」

はい。活躍したのはウーパールーパーではなく【クイックルワイパー】ですね。普段から先生も使っているのでこれはすぐに判りました。

「商店街の福引きで宿泊券が当たったので家族揃って高級ホテルとして名高いセンチメンタルホテルに泊まりました。物凄く快適でずっとここに住みたいと思いました。チェックメイトする時は少し寂しい気持ちになりました」

思うにセンチメンタルホテルは【コンチネンタル】ホテル、チェックメイトは【チェックアウト】が正しいのでは。センチメンタルホテルでチェックメイト(詰み)、何だか絶望的な恋愛模様を想像して、先生、ちょっと胸が切なくなりました。

「従兄弟の和男さんが空き巣の疑いで警察の事情聴取を受けました。でも、犯行時刻のアリババが証明されたらしく直ぐに解放されました。冤罪事件にならなくて良かったです」

それは災難でしたね。さぞや皆さん心配された事でしょう。無実が証明されて本当に良かったです。でも、アリババは【アリバイ】の間違いなので、今度誰かが事情聴取された時には間違えないよう気を付けて下さいね。

「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんが東南アジア旅行から帰って来ました。タイのお土産のカレー(レトルト)を晩御飯に皆で食べました。いつも家で食べているお母さんのカレーとは少し違うエースコックな感じで美味しかった。マッチョマンカレーというらしいです」

なるほど。【エスニック】な【マッサマンカレー】、美味しくて良かったですね。

「たまたま聴いたFMのお洒落な洋楽特集で、番組のアリゲーターを努めていたお姉さんが英語ペラペラでとても格好良く、ちょっと憧れました」

それは間違いなくアリゲーターではなくて【ナビゲーター】でしょう。アリゲーターは鰐(わに)です。ちなみに、アリゲーターとクロコダイルの違いは……長くなりそうなので止めておきます。

「土曜日のお昼にパスタ料理を作りました。スパゲティは耳たぶの固さに茹でるのが良いと教わりました。耳たぶの固さ、専門用語でデルモンテというらしいです」

デルモンテではなく【アルデンテ】ですね。スパゲティ、美味しいですよね。先生もパスタ料理は大好きで自分でもたまに作ります。

「パスタ料理のソースにはアルモンテのケチャップを使いました」

そっちが【デルモンテ】です。アルモンテは中日ドラゴンズの髭もじゃ外国人選手です。

「家族でカラオケに行きました。お母さんが唄うのを初めて聴いたけれど、上手くて驚きました。曲もサブちゃんからジャパネット・ジャクソンまでとレトリバーの広さにもビックリした一日でした」

まあ、山太郎くんのお母さま、昔、歌手を目指していたのでしょうか。先生もお母さまの歌を聴いてみたくなりましたが、ジャパネットは通販なので正しくは【ジャネット・ジャクソン】。レトリバーも【レパートリー】の間違いです。

「妹の和美のピアノの発表会に行きました。ちゃんと弾けるか心配だったけれど、和美は本番に強いみたいで練習よりも上手にシートベルトの曲を弾き、会場から大きな拍手を貰いました」

妹さんのプレッシャーに対する強さ、先生ちょっと羨ましいです。シートベルトは【シューベルト】だと思うけれども、違っていたら後でこっそり教えて下さいね。

「車好きの叔父さんが真っ赤なオープンカーに乗って遊びに来ました。古いイタリアの車でアロンアルファのスナイパーというらしいです。夏の海岸通りに似合いそう」

先生、車にはあまり詳しくないけれど、アロンアルファが瞬間接着材だという事は知っています。そこで少し調べました。叔父様の車は多分、【アルファロメオ】の【スパイダー】だと思います。

「お父さんが〈政官民・大癒着ゴルフコンペ〉で優勝。大きなアルフィーを持って帰って来ました。お父さんはゴルフがとても上手で部屋には記念アルフィーがたくさん並んでいます」

アルフィーではなく【トロフィー】ですね。アルフィーはメリージェーンなどの曲で有名な三人組のバンドです。癒着云々は…家庭訪問の時にちょっと気まずくなりそうなので、見なかった事にしておきますね。

…あ、ごめんなさい。メリージェーンではなくて【メリーアン】でした。メリージェーンはつのだじろうさんです。

…あ、あ、ごめんなさい。つのだじろうさんは漫画家のお兄さんの方でした。正しくはつのだ☆ひろさんでした。何だか先生ちょっと混乱して来ました。

「両親が、中学生になったらスマホを持って良いと言ってくれました。将来はチューバッカになりたいので、スマホを買ったらたくさん動画を撮って練習したいと思います」

それは良かったですね。先生も山太郎くんの撮った動画を観てみたいな。【ユーチューバー】デビューも楽しみです。たくさん練習すると良いと思います。それと一緒にカタカナ言葉の書き取りも練習してくれるともっと嬉しいです。チューバッカはスターウォーズに登場する毛むくじゃらの人でハン・ソロ船長の相棒です。

最後に、これは厳密に言えばカタカナ言葉の間違いではないのだけど、気になる箇所があるので指摘しておきます。

「南米のペルーを旅行中のお祖父ちゃんとお祖母ちゃんから絵葉書が届きました。絵葉書の写真は有名な父母湖で、とっても綺麗な湖だなあと思いました」

ついこの間タイから帰って来たと思ったらすぐさまペルーですか。山太郎くんのお祖父さまとお祖母さま、活動的で羨ましいです。ただ、【チチカカ湖】を父母湖と書く、そういう表記方法は何処にも存在しないので次からは気を付けましょうね。


さて、色々と間違いを指摘して来ましたが全体的には良く書けていたと思います。何よりも家族への愛情がしっかり伝わって来て、先生、それが嬉しかったです。いかに正確で技巧に優れていても心が伴っていなければ、「仏作って魂入れず」で意味がありませんものね。正すべき所は正し、伸ばすべき所は伸ばす。弱点があるという事は逆に伸びしろがあるという事でもあります。次の作文も楽しみにしています。


〜おしまひ〜。

お悩み相談室R部活(学校)さがし編。


話題:おやじギャグとか言ってみたら?



◆◆◆部活さがし編◆◆◆

お悩み相談室に一枚の葉書が届いた。

***

来春、高校生になる中3の男子です。名前は―そうですね、仮にジャスティン・ビーバーエアコンとでもしておきましょうか―で、本題の悩みですが、どこの高校に行くべきか迷っています。中学では部活をやっていなかったので、高校では何かしらやりたいと思っているのですが、メジャーなものではなく出来るだけマイナーな部活に入りたいのです。

宇宙の97%を理解している(という噂の)ムーチョス玉峰さんに相談です。他にはない奇妙珍妙な部活のある高校を教えて頂けないでしょうか。どうか宜しくお願い致します。ムーチョスさんなら当然ご存知ですよね。


◆◆ムーチョスさんの回答◆◆


勿論知ってます。何せ私は、中学高校の6年間で4827回も転校してますからね。中には2秒しか在籍していなかった学校もあるぐらい。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」じゃないけれども、それだけの数をこなしていると風変わりな学校にも当たるわけです。

して、本題の部活。珍妙な部活のある高校と言えば、やっぱり、1506回目の転校で入学した《聖ダッジ・アレイ高等学院》がその筆頭でしょう。

普通、部活の花形と言えば、体育会系ならバスケ、野球、サッカー、ラグビー、陸上部、文化系なら軽音楽、吹奏楽部あたりだと思うけれども、この《聖ダッジ・アレイ高等学院》にはそういう人気のある部活は一つもありませんでした。

と言うより、普通の部活は一切なく、あるのは奇妙奇天烈な部活ばかり。生徒は仕方なくその変な部活の中から選ぶ訳です。勿論、私もその一人。まずは手探りで恐る恐る仮入部から始めるのだけれども、まず最初に覗いた部室は部屋の中から甘辛いような香ばしい匂いが漂って来る部活でした。何部かなと思って聞いたら……

【シシカバ部】でした。部屋の中で鉄串に肉や野菜をグサグサ刺してワイルドにバーベキューをやるのです。悪くない部活でしたが、とにかく煙たくて目が痛くなるし、服に匂いはつくし、毎日シシカバブーばかりで胃もたれがキツくなり、仮入部だけで辞めました。

次に入ったのは【リザー部】。これは色々な店にひたすら予約を入れまくる部活です。で、予約だけ入れて直前にキャンセル、その繰り返し。部費の殆どはキャンセル料に充てられます。何が楽しいのか全く解らない部活でした。

お次は、落下、或いは飛んでくるあらゆる物体を体を回転させながら腕で受け返す【回転レシー部】。主な活動は、例えば、秋から冬などは主に街路樹の下で待ち構えて落ちてくる枯れ葉を回転しながらレシーブで返すとか、そういう感じです。強風の日などは壊れた傘とか看板が飛んでくるので本当に大変でした。中には落雷を回転レシーブで返した猛者もいるとの話。身が持たなそうなのでこれもすぐ辞めました。

そのあと入部したのは【ペッパー警部】という昭和生まれには懐かしい名前の部です。活動内容は主に夕夜の公園でイチャつくカップルの邪魔をして回るというもの。これまた酷い部活でした。

と、ここまで見てきたように《聖ダッジ・アレイ高等学院》の部活は常軌を逸したものばかり。いきなり暗い表情で「どうせ冷やかしでしょ。仮入部だけで辞めるの判ってるんだから」と人のヤル気をなくすような事を言ってきたのは【ネガティ部】で部室の奥の壁には[お先真っ暗]という書が標語のように掲げられていました。

光と陰が一対で存在するように【ネガティ部】の真向かいには【ポジティ部】の部室があって、部員たちの表情は明るいし、これは一見良さそうに見えるのだけれども、部員の平均年齢は驚きの38才。皆ことごとく留年を重ねているそうで、とても高校生の集団とは思えないルックスでした。部長に至っては何と59才との事。それでも、「このつらい経験は必ずや大人になってから活きてくるはず」と前向きな明るさを失う事はない…のはポジティブで良いのだけれども、59才は、もう十分、大人だと思う。

「失礼しまーす!」と勢いよく部室のドアを開けた途端、室内にいる全員が一斉に「シーーーッ」と口に手をあて「ちょっと静かにして下さい!」と怒ってきた部もありました。

【ドントディスタ部】です。

シーーンと静まりかえる室内では誰も一言も口をきかず、物音一つしませんでした。2分で息が苦しくなり、そーっと退室しました。

似たような感じで更にキツかったのが【ドントムー部】です。一歩も動いてはいけないので、部室から出るのにも電話で誰かを呼び出して抱き抱えて運び出して貰わなければならないという、部外者にもはた迷惑な部活でした。

逆にひたすら身体を動かし続けなければならないのが【アクティ部】です。一瞬でも動きが止まれば即退部なので、それはそれで酷しい部活でした。同類のイケイケ系部活として【アグレッシ部】【イニシアチ部】などもありました。

あと、上手く説明出来そうにないのが【
デジャ部】です。どういう活動をしていたかと言うと……あれ、そう言えばこの話前にも何処かでしたような……。

それから、1ヶ月の部費が500万円というとんでもない部活もありました。名前はそのものズバリの【エクスペンシ部】。

その【エクスペンシ部】には姉妹部活があって、兼部している生徒も多いのだけれども、その部だけは建物が別棟、55階建てのヒルズ風マンションになっていました。駐車場にはポルシェにランボルギーニといった高級車がずらり。そこの部員たちはいつ見ても美容院に行きたてのような艶やかな髪で、服装もラフなのに妙に小ざっぱりしていて、何もつけていないのに体からムスクやフローラル、マリーンの香りが漂ってくるような、そんな独特の空気を持っていました。彼らこそは【ヤングエグゼクティ部】なのでした。

【ヤングエグゼクティ部】の駐車場にはスーパーカーたちに混じって、くたびれた古めかしいバイクが十数台ほど並んでいますが、これは【スーパーカ部】の部員たちの物です。

他にも、ひたすら何かを信じ続ける【ビリー部】や、何でも呪文で解決しようとする【ビビデバビデヴ部】、どんなに疲れている時でもシャワーだけで済ますのではなくちゃんと湯船に浸かる事を掟とする【バスタ部】、部室の日めくりカレンダーが常に12月24日を表示している【クリスマスイ部】、思い付きのみで行動する【アドリ部】、ひたすは立方体パズルをガチャガチャ回し続ける【ルービックキュー部】、丸い物に変な回転をかけて喜ぶ【王子サー部】、永遠の愛を追い求める【エンドレスラ部】など、変てこな部活は幾らでもありました。

中でも気味悪かったのは、部室のドアから人の頭が幾つかキノコみたいににょきにょき生え出している部で、「ここ何部ですか」と尋ねたら「見ての通り【ドアノ部】です。入りたい時は誰かの頭をひねって下さい」と。勿論、入りませんでした。

最終的に私が入ったのは、校内でも街角でも、良い仕事や良い働き(道端のゴミを拾ったり、困っている人に手を差しのべたり)をしている人を見かけたら、親指をぐっと突き立てて「よくやった!」と賞賛を贈る【グッ(ド)ジョ部】です。

私が《聖ダッジ・アレイ高等学院》に居たのは僅か2ヶ月足らずでしたが、それでもこれだけの変わった部活を経験する事が出来ました。ジャスティン・ビーバーエアコンさんのご希望に十分添える学校だと思うので願書を取り寄せてみては如何でしょうか。

なお、学院の名前であるダッジ・アレイはダッジアレイ……ダッジァレイ……ダジァレ……ダジャレ!の事で、それで部活が全部駄洒落になっているという事に気が付いたのは、転校して学院を去った後でした。


〜おしまひ〜。


残暑は小粒でぴりりと辛い。


話題:夏の終わりに思う事

八月も終わろうというのにこの暑さ。正しく「残暑厳しい折り…」でありますが、皆様は如何お過ごしでしょうか。個人的には寒いよりは暑い方が好き、冷蔵庫の中に足を突っ込むよりは炬燵の中に足を入れたいタイプの人間なので、夏はまだまだ続いて欲しい。理想的な四季の振り分けは……

1〜2月…春
3〜11月…夏
12月…秋
X'mas、大晦日、元旦…冬

という感じでしょうか。本当は冬の冷たく澄んだ空気も好きなのですが……。

それはそれとして、今年も夏が過ぎようとしている……それは即ち、平成最後の夏が終わろうとしている訳であります。平成が終わってしまう。これはもう平静ではいられません。

そう言えば少し前にブロ友さんから「今夏は平成最後の夏だけれども、昭和最後の夏はどう過ごしました?」というクエスチョンを受けたのだけれども、これがどうにもはっきりと思い出せない。

ただ、これは仕方ない部分もあって、と言うのは、まさかこれが昭和最後の夏になるとは、その時は知る由も無いので、それまでの夏と同じように特に意識する事もなく過ごしていた訳です。石田あゆみさんの歌ではないですが「今日がとても楽しいと明日もきっと楽しくて、そんな日々が続いていくと思っていたあの頃…」という感じです。

あ、石田あゆみさんではなく浜崎あゆみさんでした。

ただ、その頃は塾の講師をしていたので、恐らくは夏期講習で、横浜・横須賀のヤンキー…もとい、お坊っちゃんお嬢ちゃん達相手に授業(国語)をしていたと思われます。教える側は教わる側の五倍は勉強しないといけないので、日々予習に追われていたような気がします。時として子供は大人が思いもよらないような質問をして来たりするので、それに答えようと思えばどうしてもそれぐらいの勉強が必要になる訳です。夏期の特別講習なので大きな会場を借りて確か1クラス150人ぐらい、マイクも用意されていなかったので夜にはもう声が枯れて“翼の折れたエンジェル”状態だったような記憶も微かに残っています。その時は、まさかそれが昭和最後の夏になろうとは…(ここで10秒間の黙祷)…。

そして今夏は平成最後の夏。

となると(ダック)、「次の元号はいったい何になるのだろう」、何と言っても気になるのはそこでしょう。

次の元号推理クイズ。これがどうして、なかなか難しい。

〈続きは追記からどうぞ〉



more...

誰も知らないプチ都市伝説(投稿お国自慢編)


話題:都市伝説


小腹が空いた時に軽くつまみたい、そんな小さな都市伝説があります。都市伝説と言うには物足りない“妙な噂”程度のお話。そのようなものが読者投稿で届いておりますので、それを都道府県の地域別に分け、その中の一つを、今回、お国自慢編として紹介する事に致します。なお、都市伝説研究家として有名だという噂もある「又聞きのトシちゃん」さんの一言論評付きとなっております。



【茨城】

ニセ黄門さま登場の回(ファッション印籠訪問販売業)さんからの投稿。

――友達の友達が友達の友達の友達から聞いた話なんですけど、茨城県の或る隠れ里で行われている秘祭では、何と神事としてバンジージャンプが行われているんだそうです。しかも、ただのバンジージャンプではなく、とても普通では考えられないような物を紐――いや、紐代わりですかね――として使うらしい。

それは何か?何を使うのか?。

正解は、まさかの納豆!納豆の糸引き、あるじゃないですか?あの、納豆を箸で持ち上げる時にネバ〜ッと伸びる白い糸状のもの。そのネバ〜ッを紐代わりにして崖や吊り橋の上から跳ぶんだそうです。

もちろん、使用する納豆は特殊な製法で作られた、茨城県のごく一部以外、世間一般には知られていない特別な納豆で、それは江戸時代に水戸黄門の名で知られる徳川の水戸光國公が「もしも将来、幕府が亡び、江戸時代が終わるような事になったら、この納豆を使って徳川幕府を再興して欲しい」との言葉と共に製法を残したと伝えられているそうです。その際、「徳川御三家秘伝の納豆の凄さをよく“見とけ”!……“水戸家”だけに」と、言ったとか言わなかったとか。

秘祭では、特殊な製法で作られた納豆を里の人々が代わる代わる、何と、江戸時代中期から約300年間、1日も休まず不眠不休でかき混ぜ続けており、その糸はスパイダーマンもびっくりの強烈な粘り気を持つと言われているそうです。

なお、この隠れ里の存在場所は不明で、行政に問い合わせても「担当の者がおりませんので……」との常套文句で、はぐらかされてしまうらしい。


◆又聞きトシちゃんの一言論評◆

さすがは納豆の本場、茨城県。ものが違うと感心しました。茨城県は、皆さん御存知のように未だプテランドンが普通に空を飛んでいるような土地柄ですから、今回の話にもかなりのリアリティを感じます。と同時に、納豆の糸に身を任せられるなんて、よほど強くて深い信頼を納豆に対して持っているのだなあ、と胸が熱くなりました。もし太宰治がこの話を知っていたら「走れメロス」の続編として「跳べナットウキナーゼ」を執筆した事でしょう。

水戸と言えば、尾張、紀伊と並ぶ天下の徳川御三家の一つ。このような秘伝の納豆を隠し持っていたとしても不思議ではありません。徳川幕府の再興を目論む水戸家の流れを汲む人々が存在するのでしょうね。もしかしたら行政、官権の一部にも紛れ込んでいて、情報を隠蔽しているのかも知れません。もっとも、どうやったら納豆で幕府を再興出来るのかは皆目見当がつきませんが。

ともあれ、貴重な情報を有り難うございました。ニセ黄門さま登場の回さんのよく判らない交遊関係も素敵です。あと、ファッション印籠の訪問販売という良い意味での胡散臭さにも惹かれました。


〜おしまひ〜。

【次回】(予定)…北海道?、静岡?その他?(←宛にならない)。

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