2019かげらふ日記(虚構)#10『訪問販売のおじさんの事』


話題:どうでもいい咄


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


『訪問販売のおじさんの事』

〇〇月××日

【日曜日】

(快晴、だが、雹の予感)

今日は休日。出掛けたいところだが、天気が心配なので家でくつろぐ事にした。根拠は無いが何となく雹が降りそうな気がする。

そんなこんなで、朝から溜め録りしていた2サスを観ながらダラダラと過ごしていると、ポンピーン♪、玄関のチャイムが鳴った。この鳴り方は間違いなく訪問販売だ。私の家の玄関チャイムは来訪者の種別により鳴り方が変わるのだ。果たして、ドアを開けると其所には一体の案山子が立っていた。否。立っていたのは案山子の訪問販売のおじさんであった。

浅入りのコーヒー豆のように日焼けした小肥りの顔は人好きのする笑顔と胡散臭さが同居しており、白髪のチョビ髭がまた良いアクセントになっていた。キューバの街角が似合いそうな雰囲気だ。

それにしても案山子の訪問販売とは驚きだ。珍しさに一瞬テンションが上がる。が、田んぼも畑も持っていない以上、申し訳ないけれども案山子は要らない。私は即座に断った。ところが、むしろそういう方にこそ案山子を持って頂きたいのだ、と訪問販売のおじさんは力説する。

彼に拠れば、これからは、最低でも一家に一体、案山子を所持する時代が来るのだという。さらには「今日お持ちしたのは伝説的名匠・柿ノ種田吾作の作品たちで、この機会を逃すと入手は極めて困難なのです」と此方の気持ちをグラつかせるような事を言ってくる。「今の時期だけ特別にハリウッドスターをモデルにしたプレミアムモデルの案山子をご用意出来るのです」。

結局、おじさんの熱意に負けて一体を購入。ハリウッドスターリストの中から一人選ぶ。迷った末、私が選んだのは[プレミアム案山子ブラッド・ピットくん]。税込みでジャスト1万8000円なり。少し当たり前過ぎるチョイスだったかも知れない。やはり、JJソニー千葉(千葉真一さん)かショー・コスギにするべきだったか。

それはそうと、肖像権は大丈夫なのだろうか?。ふと心配になって訊ねると、案の上、「それが実は、ピットさんの電話番号を知らないので、肖像権は取っておらないのです」と言う。流石にそれはマズいのでは……と一旦は思った私だっが、実物の[プレミアム案山子ブラッド・ピットくん]を見て考えが変わった。その顔は昔ながらの“へのへのもへじ”だったのだ。いったいこれの何処がブラッド・ピットだと言うのか。「名匠・柿ノ種田吾作先生に拠る解釈ではデップさんの顔はこうなるらしいのです」。解釈って何だ?さっぱり解らない。むしろ、これで肖像権を取ろうとすれば逆に失礼になりそうな事は解る。取らなくて正解だ。

「それでですね……実は、プレミアム案山子をお買い上げ下さった方だけに特別に此方の品物をご用意させて頂いているのです」

そう言っておじさんが取り出したのは、昔、校庭の片隅で見た[百葉箱]であった。実物を目にするのは何十年ぶりだろう。とても懐かしい。懐かしいのは懐かしいが、要るか要らないかで言うなら確実に要らない。しかし――「絶対に必要ないと思う物ほど後になってから必要になってくるのです」――深いようなそうでもないような事を自信満々に言ってくる。おまけに――「これは幻のメーカー文鳥堂の逸品、しかもシリアルナンバー入りの限定モデルで極めて希少な品となっているのです」。シリアルナンバー。希少品。そう言われて一気に心が傾いてしまった。即時購入。税込みで1万8千円なり。プレミアム案山子と同じ値段だがどちらも相場を知らないので高いのか安いのかさっぱり分からない。

「本日はまことに有り難うございました。また目ぼしい物を入手した暁には立ち寄らせて頂くのです」

純朴そうな笑顔で一礼し、訪問販売のおじさんは去って行った。

さて、何となく買ってしまった案山子と百葉箱、冷静に考えると置き場にちょっと困る。まあ、いざとなれば社の会長室にでもぶち込んでおこう。会長は滅多に出社しないので、皆、物置代わりによく使っているのだ。

追記……結局、雹は降らなかった。


〜おしまひ〜。

こんな高校野球には高野連もオカンムリだ。


話題:なんだかなあ



◇◆◇◆◇◆◇◆

『こんな高校野球は高野連もオカンムリだ』

《裏選抜高校野球選手権(夏)決勝》

LPガス学園
   vs
丸刈り大学附属バリカン高校
     

@回表の攻撃

グラウンドにいる選手全員が試合中にも関わらずスマホで自撮りし、それをSNSにリアルタイムで上げている。「勝ち負けよりもインスタンス映えを大切に」がモットー。0点。

@回裏の攻撃

ベンチの中で監督が何故かずっとヨガの「駱駝のポーズ」をとり続けている。0点。

A回表の攻撃

選手全員がドカベン(漫画)に出てくる男・岩鬼のように口に葉っぱをくわえながらプレーしている。0点。

A回裏の攻撃

ユニフォームのそこかしこにスポンサー企業の名前やロゴが入っており営利主義が目に余る。0点。

B回表の攻撃

部活動費が足りないせいで用具が揃えられず、常にバットやグローブを相手チームから借りてプレーしている。0点。

B回裏の攻撃

全員がキューバやドミニカ、ベネズエラなどからの野球留学生で日本人が一人もいない。権座礼州(ゴンザレス)、努民吾(ドミンゴ)など、登録している名前の当て字感も半端ではない。0点。

C回表の攻撃

投手への捕手の返球速度が軒並み160qを超えており、(君がピッチャーやった方が良いのでは?)と誰もが思っている。0点。

C回裏の攻撃

メジャーリーグの事をいまだに「大リーグ」と言っていたり、出塁した走者がリードをとるたび「リーリーリーリー……」と声に出したり、と昭和の野球感が強く出過ぎている。0点。

D回表の攻撃

選手個々の実力はプロ並みに高いが、全員が極度の方向音痴の為、球場まで辿り着けず不戦敗となってしまう。0点。

D回裏の攻撃

投手が一球投げるごとに芸能人や知事による始球式や国歌斉唱が行われるので試合時間がとんでもなく長くなっている。0点。

E回表の攻撃

ドラフト会議でプロ球団から指名された際の記者会見でのインタヴューの練習やサインの練習ばかりして、肝心の野球の練習をまったくしない。0点。

E回裏の攻撃

ずーっと留年し続けている3年生部員が、留年10年目、ついにFA権を主張し始めた。0点。

F回表の攻撃

応援歌の歌詞で常に応援団と揉めている。(←?な方は、中日ドラゴンズ サウスポーで検索)0点。

F回裏の攻撃

験かつぎの為、監督、選手が一年以上も髭を剃らずに伸ばしており、全員が昔のホメイニ師のような風貌になっている。0点。

G回表の攻撃

名前が大谷翔平というだけで無理やり二刀流をやらされている選手がいる。0点。

G回裏の攻撃

ポジションや打順、作戦などを全て占い(亀の甲羅を焼いてヒビの入り方をみる)で決めている。0点。


H回表の攻撃

ベンチの前には巨大な盛り塩の山、ベンチの中にも魔除けのお札がそこかしこに貼られており、あまりに不気味過ぎてどこも対戦したがらない。0点。


H回裏の攻撃

個人情報保護の観点からテレビ中継における選手の名前は仮名、顔にはモザイクをかける事が義務づけられている。1点。


【試合結果】

0‐1× 【優勝】丸刈り大学附属バリカン高校(154年ぶり2回目の優勝)


高校野球の熱狂もとうに冷め、秋の気配が漂い始めたこのタイミングでお届けするという“祭りのあと感”が何とも言えず心地よいですね♪


〜おしまひ〜。

2019かげらふ日記(虚構)#09『夏野球の事』


話題:ネタだろ…www



◇◆◇◆◇◆◇◆◇

『夏野球の事』

【水曜日】

(晴れ 時々 タッチのテーマ)

甲子園での高校球児たちの活躍に触発された友人から「俺たちの熱闘甲子園をやろうぜ」という熱い誘いで草野球チームの助っ人に行く事になった。一度は断ったのだが、「人数が足りないので頼む!青春の輝きを取り戻そうぜ!あ、関係ないけど、夏野菜と夏野球って字が似てるな」と訳の判らない言葉で押し切られてしまったのだ。

早朝4時半(早い)に集合場所である多摩川の河川敷きグラウンド(甲子園球場とは似ても似つかない)に到着。

チーム全員ジャマイカ人だった。

その全員がまちまちに甲子園常連の強豪校のレプリカユニフォームを着ている。なるほど、俺たちの熱闘甲子園とはこの事か。更にユニフォームの背にはその高校を出身とする有名プロ野球選手の名前が入っていた。例えば、2m30pぐらいある投手のユニフォームはP○学園で、その背中には何故か漢字で「桑田」の文字が入れられている。他にも、八戸学院○星のユニフォームには「坂本」、横○高校には「松坂」など。一見するとカッコいいようだが、実はそうでもない。と言うのは、それぞれの名前、フルネームの下の方に決定的なミステイクが存在するからだ。

P○学園の桑田と言えば、当然、「桑田真澄選手」だが、ユニフォームにあるのは「桑田佳祐」の文字なのである。同様に八戸学院○星にあるのは「坂本龍一」(正解は坂本勇人選手)、横○高校には「松坂慶子」(正解は松坂大輔氏)。唯一まともに思える早稲○実業の清宮幸太郎も、名前の後に書かれたカッコ書き(ハンカチ王子)で全てぶち壊しとなっている。同じ早実でもハンカチ王子は斉藤佑樹選手だ。

悪い夢の中のような光景である。しかも、当の友人はギックリ腰で来られなくなったとの。どうやら青春の輝きは完全に失われたようだ。相手チームも全員ジャマイカ人なので、日本人は私しかいない事になる。非常に居心地が悪い。とても日本とは思えない光景だ。多摩川がカリブ海に見える。彼らは底抜けに陽気で、何とか彼らのノリに合わせようと頑張ったが到底無理な相談だった。いったい、どうやったらこんな朝早くから超絶的なハイテンションを維持出来るのだろう。

すると、一人の青年が私の横に来て耳打ちするように言った。「いやあ、あのジャマイカンなノリ、ちょっとついて行けないっすよね。あ、内緒ですけど実は僕ドミニカなんです」。……私には同じに見えるが、まあ、微妙な違いがあるのだろう。「あ、ドミニカって言ってもドミニカ共和国の方じゃなくて、セントルシアとアンティグア・バーブーダの間にある小さい方のドミニカね」。彼は続けてそう言った。……ドミニカって2つあるのか?初めて知った。

生温かい風。河川敷の球場は早くも異常な蒸し暑さを示しはじめていた。

そう言えば、タマちゃん(多摩川のアザラシ)はどうなったのだろう。朝陽を反射する金属バット片手に打席に入りながらそんな事を思った。


〜おしまひ〜。

【注】これとセットにして上げようと思っていた「高校野球ネタ」があるのですが、分量が多くなり過ぎてしまうのでカットしました。もしかすると今月中にそのネタをアップするかも知れませんので、そこんとこヨロシク(←矢沢の永ちゃん、若しくは、アラジンのボーカルの高原兄さんの感じで読んで下さい)。

【注2】アラジンの高原兄さんの「高原兄」の読みは「たかはらけい」で、高原の兄(あに)の方の意味ではないので、「高嶋兄(あに)」のような感じで取らないよう、そこんとこヨロシク♪

2019かげらふ日記(虚構)#08「薮クリニックの事」。

話題:突発的文章・物語・詩



◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「薮クリニックの事」

【土曜日】

(晴れ、時々、TOKIO(沢田研二の))

突如として何を食べても回鍋肉(ホイコーロー)の味しかしなくなったので、慌てて掛かり付けの病院である薮・スーパーインテリジェント・ホイミスライム・クリニック=通称・薮クリニックに行った。

「どうしました?」薮先生の問診に私は(かなり異様な症状なので)信じて貰えないのを覚悟しつつも包み隠さずに症状を話す事にした。「何を食べても回鍋肉の味しかしないんです」
。すると薮先生は「ああ、なるへそ。それはカオマンガイ症候群ですな」と事も無げに答えたのだった。流石は薮先生。ワールドドクターマガジンの【世界の名医100人(紙一重編)】に選ばれるだけの事はある。

私「カオマンガイ症候群ですか?」

薮医師「うむ。但し、カオマンガイ症候群というのは通称で、正式には味単一性脳味噌億劫症候群と言います。読んで字の如く、全ての料理の味が単一に感じられてしまう病です」

味単一性……初耳だが、症状はピタリ当て嵌まっている。しかし……

私「カオマンガイというのは?」

薮医師「ああ、最初に報告された症例がカオマンガイだったのでその名前がついただけで特に深い意味はありません。ちなみに、カオマンガイは東南アジアの料理らしいです。私は基本的に流しソーメンしか食べないので食べた事はありませんがね」

なるほど。かなり特殊な症状なので、もしかしたら未知の病なのではないかと心配していたが、どうやらそうではないようだ。それより、流しソーメンしか食べないというのが気になる。新手のジョークだろうか?

薮医師「最近けっこう多いんですよ、ガパオライス症候群」

私「カオマンガイ症候群では?」

薮医師「左様左様。原因はどうやら脳にあるようでしてな……」

私「舌ではなく脳ですか」

薮医師「うむ。インターネットの進化とか交通網の発達で世界中の食材やレシピが簡単に手に入るようになったでしょ。必然的に選べるメニューは増えますわな」

私「そうですね。20年前には聞いた事も無かったような料理が今じゃ普通に店で食べられるようになったり、材料がスーパーで手に入るようになったり」

薮医師「ですな。選択肢が増えるのは喜ばしい事ではあるが、同時に選択する手間が増えるという事でもある」

私「確かに。メニューが多すぎて迷っちゃう店とかたまにあります」

薮医師「それが原因です。毎日毎日何を食べるのか、いちいち考えるが面倒臭くなったんでしょうな、脳みそ本体が。それで何を食べても同じ味がするよう神経回路に指令を出した。何を食べても同じ味ならメニューを選ぶ必要など無くなりますからな」

私「なるほど。それで、正式名が脳味噌億劫症候群なんですね」

薮医師「左様。最初の患者は中高生の子を五人持つお母さんだったらしい。毎日のお弁当を考えるのを脳みそが拒否したのでしょう。まあ、そんなこんなで症例もかなり集まっており研究もかなり進んでいます。それに伴い治療法も“それなりに”確立しつつあるのでね、取り合えず安心して良いでしょう」

……良かった。私は胸を撫で下ろした。このまま一生、何を食べても回鍋肉なのは辛すぎる。

私「で、治療法というのは?」

薮医師「食事の前に錠剤を一錠飲んで貰う事になります」

拍子抜けしてしまうほど簡単かつ明瞭な回答だった。

私「ホッとしました」

薮医師「では、お薬をお出ししましょうかね。えーと、確か、何を食べても海老チリに感じるのでしたな」

私「いえ、回鍋肉です」

薮医師「左様左様」

言うと薮先生は机上のパソコンのキーを叩いた。すると、カパっと音がして天井の一部が四角くハッチのように開き、机の上に錠剤の束がバサッと無造作に落ちてきた。

薮医師「では、これを食前に一錠飲んで下さい」

普通は処方箋を貰って薬局で薬を受け取るのだが、この薮先生は[歩く調剤薬局]の資格を持っているので自分で薬を出せるのである。

私「それで回鍋肉の味じゃなくなるんですね」

薮医師「そうです」

実に簡単。礼を言い立ち上がろうとする私の動きを止めたのは「そうです」に次いで薮先生が放った一言だった。

薮医師「その代わり、何を食べてもナシゴレンの味になります」

……ちょっと待った。それでは駄目だろう。

私「いやいやいや、それでは困るんですけど」

薮医師「でも、取り合えず回鍋肉ではなくなりますよ」

私「そうじゃなくて、普通の味覚に戻るようにして欲しいんです」

懇願する私に、薮先生はパソコンの画面に目を落として言った。

薮先生「それがですねぇ、現段階では、回鍋肉からはナシゴレンにしか行けないのですよ」

私「まいったなあ。何とかなりませんか」

薮医師「では、こうしましょう」

薮先生は膝をぽんと手で叩いた。

薮医師「一度ナシゴレンの錠剤を飲んで貰って、次に錠剤2をお出ししましょう」

私「それだとどうなります?」

薮医師「何を食べてもナシゴレンの味だったものが何を食べてもプーパッポンの味に変わります」

私「ですから、それだとあまり意味が……」

薮医師「そう言われても、ナシゴレンからだとプーパッポンにしか直行便が出ていないのです」

何だか乗り次ぎの便の悪い旅行みたいだ。

薮医師「兎に角ですな、そうやって錠剤3、錠剤4、錠剤5……というふうに味を乗り換えて行くより他に治療法はないのです」

ブラックジャックも裸足で逃げ出す名医・ドクトル薮がそう言うのならば本当にそうなのだろう。

私「最終的には治るんですよね?」

薮医師「それは大丈夫。治ります」

それならば仕方ない。しばらくは我慢するとしよう。

私「で、乗り継ぎの順番は?」

私の問いに薮先生はパソコンの画面を此方に向けて見せた。

薮医師「この順番になりますな」

画面にはこう表示されていた。

回鍋肉→ナシゴレン→トルコライス→パッタイ→…何かちょっと癖のある物が多い気が…チリコンカン→ミーゴレン→骨っこ→ちゃおちゅーる…ペットフードじゃないか…→エッグベネディクト→シークケバブ→回鍋肉

私「ちょっと待って下さい。結局最後、回鍋肉に戻っちゃってるじゃないですか」

薮医師「そのようですな」

私「治ってないって事ですよね?」

薮医師「いや、実はこの病気、放っておいても半年で自然に治るのです。全症例がそうなので間違いありません」

私「じゃあ、薬は何の為?」

薮医師「だってほら、半年間ずっと一つの味では飽きるでしょ?」

私「つまり、料理の味を変える為だけの薬で根本的な治療薬ではない、と」

薮医師「左様。でも、一周目二周目三周目と周回を重ねるに従って味のグレードが上がって行くという特典がありますぞ」

私「特典はいらないんです。食べた物の味がするようにして欲しいんです。と言うのも、私、今の部署が【おもてなし事業部】なので、料理の味が分からないと何かと接待に差し支えるのです」

薮医師「そうですか……なら、仕方ないか……実は、まだ認可の降りていない薬があって、それなら元に戻るのだけれども……どうします?」

私「それでお願いします」

薮医師「ただ、認可が降りていないので保健はききませんよ」

私「一錠幾らぐらいなんです?」

薮医師「98円です」

こりゃまたえらく安い。

私「それでお願いします」

薮医師「分かりました。ではお出ししましょう」

天井のハッチがパカッと開き、薬がパサッと落ちて来る。見馴れた光景だ。

薮医師「では、これを気が向いた時に一錠お飲み下さい」

私「ありがとうございました」

私は薬を受け取り薮クリニックを後にした。

薬を飲んだのは夕飯の前。確かに効き目はバッチリだった。カツ丼と天ざる蕎麦のセットを頼んだのだが、ちゃんとそれぞれの味がした。やれやれ。私は胸を撫で下ろした。が、それも束の間、薬には副作用があったのだ。

誰に会っても顔がバカボンのパパに見えるのだ。味覚は戻ったが代わりに視覚の相貌認証がおかしくなったらしい。これは味覚以上に困る。また明日、薮クリニックに行くしかない。薮クリニックは常に空いているので予約を取る必要がない。このクリニックを掛かり付けにして本当に良かった。


〜おしまひ〜。

駄洒落の国。


話題:おやじギャグとか言ってみたら?

「駄洒落の国」

コウチョウ(校長)はいつもコウチョウ(好調)で顔はコウチョウ(紅潮)し、フチョウ(婦長)はフチョウ(不調)、ブチョウ(部長)は常にブッチョウ(仏頂)面で、ソンチョウ(村長)の意見は誰よりもソンチョウ(ソンチョウ)される。そしてチョウチョウ(町長)はチョウチョウ(蝶々)となって旅立った。

サイン‐コサイン‐コイサンマン。

リョウシ(漁師)が語るリョウシ(量子)論。ミルコを見る子はミル貝見るかい?アサリ(浅蜊)の料理はアッサリ味で、シジミ(蜆)見つめてシミジミ(染々)と。ホタテを食うならホッタテ(掘っ立て)小屋で。

サイン‐コサイン‐ゴーサイン。

そのイド(井戸)のイド(緯度)。ナンド(何度)もナンド(何度)もナンド(納戸)を開け閉め。ウチワ(団扇)を巡ってウチワ(内輪)揉め。モメン(木綿)豆腐じゃ誰もモメン(揉めん)。カロウ(家老)がカロウ(過労)でバタンQ。ヒメ(姫)のヒメ(秘め)たるオモイ(想い)はオモイ(重い)。

サイン‐コサイン‐コザカシイ。

出前のザルソバ(ざる蕎麦)サルノソバ(猿の側)。シカイシカイノシカイハイシカイ?(歯科医師会の司会は医師かい?)。アイ・ハブ(have )・ア・ハブ(蛇).アイ・ウォンチュー(want you )オンチュー(御中)見舞い.サッカ(作家)サッカーでサッカ(擦禍)症。

サイン・コサイン・コムサデモード

ケサ(今朝)のケサ(袈裟)。そこのトリニク(鶏肉)トリニクイ(取り難い)けどトリニイク(取りに行く)。
シメジばかりじゃシメシ(示し)が付かぬ。あとはマツタケ(松茸)マツダケ(待つだけ)だ。パーマのトチュウ(途中)でトチュウ(杜仲)茶飲んで、マイタケ(巻いた毛)のままマイタケ(舞茸)食べる。

サイン‐コサイン‐コサカイカズキ氏

ヒトミ(瞳)を伏せるヒトミ(人見)知り。ロクオン(録音)機材にロックオン(Rock on)。オフ会の食事はオフ(お麩)かい?ドラムを叩くドラムスコ(どら息子)。メガ(目が)メガサイズでミミ(耳)はみみっちい。ジュウニシチョウ(十二指腸)をジユウニシチョウ(自由に視聴)。フカ(府下)におけるフカ(鱶)のフカ(孵化)はフカ(負荷)が大きくフカ(不可)とする。もちろん、カ(蚊)はカ(可)。カフカはカ(可)もなくフカ(不可)もなし。

サイン‐コサイン‐コサンシショウ(小さん師匠)。

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この世の何処かにあるといわれる「駄洒落の国」。世界的名門ダッジ・アレイ高等学院に依ると、三蔵法師一行が目指したのも天竺ではなく「駄洒落の国」であるという。この「駄洒落の国」に関しては今後もダッジ・アレイ高等学院の研究を待ちたいところである。

〜おしまひ〜。

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