ウソ発見器と沈黙の容疑者(後編 PART4)。


話題:SS


『では、私はこれで二人の会話をモニタリングさせて貰います』

何時の間にか仁来の手には、どこから取り出したのか5インチぐらいの液晶モニター付きの小型端末機があった。

『…それは?』

『まあ、携帯型【EMMA】といった所です。今は、そちらの【EMMA】とリンクさせてあります』

こうして、ついに最新鋭のウソ発見器【EMMA】を使った取り調べが始められたのだが…

先ず最初に町村の口から出た容疑者へ問いかけは、事件とは何ら関係性の感じられないものだった。

『しかし、あれだな…今日は本当に朝から酷い土砂降りで…お前さんも早く家に帰って熱〜い風呂に入りたいだろ?』

怪訝な表情を浮かべる容疑者に、町村が云う。

『ん、どうした?今日は朝からずっと雨だったよな?』

しつこい町村に容疑者の顔に警戒の色が微かに浮かぶ。

『おかしな事を云いますね…今日は朝からずっと快晴じゃないですか』

その言葉を受けて町村は改めて【EMMA】の液晶画面に目をやった。


[おかしな事を云いますね…今日は朝からずっと快晴じゃないですか]


そこには、たった今、容疑者の語った言葉が一語一句違わない形で表示されていた。仁来の云った通りである。

更に、液晶に表示された文字の色は全て白色であった。これはつまり、そこにウソは含まれていない事を示している。


《続きは追記からどうぞ》♪

 
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ウソ発見器と沈黙の容疑者(後編 PART3)。


話題:SS


『それでは、この最新型ウソ発見器【EMMA】を使った取り調べの流れを説明しましょう。但し、当たり前ですがメカニズムに関する事柄について説明する事は出来ません。宜しいですね?』

『うむ』町村が頷く。

『それは当然でしょう』容疑者も同意する。

『けっこうです。なに、説明と云っても難しい事は全くありません。お二人には普通に会話をして頂くだけですから。会話の内容に関しては基本的には町村さんにお任せしますが、場合によっては私が口を挟む可能性もあります。ここまでは宜しいですね?』

『判った』

『ええ』

『説明を続けます。センサー波の領域内で交わされた会話は全て一語一句逃さず【EMMA】が自動的に拾い上げ、文字としてリアルタイムでモニターに映し出される事になります』

機械に疎い町村ではあるが、此処までは何となく理解出来る。ただ、一語一句逃さずに音声をリアルタイムで文字に変換する処理速度の速さには流石に驚いていた。心なしか容疑者の顔が少し険しくなっているように見える。

『それでですね…通常、モニターに表示される文字…拾った音声会話をセリフとして書き起こしたた物ですね…は、白色文字となるのですが、【EMMA】が“ウソ”と判断した部分に限っては、文字の色が赤色となります。後は、その“赤色文字”が含まれている部分を更に会話で細かく突き詰めて行けば、真相に辿り着けると…まあ、そういうシステムです』

『なるほど…消去法ですか』

容疑者が云う。

『そういう事になりますね』

答える仁来の視線と容疑者の視線は、青い火花を冷たく散らしながら真っ向から対峙している…。




《続きは追記からどうぞ》♪


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ゴールテープは両面テープ。


話題:お知らせ

あ、タイトルは気にしないで下さいまし♪

さて、いよいよゴールテープが見えてきた、イルクーツク地方で好評の長編ショートショートショートショート『ウソ発見器と沈黙の容疑者』でありますが…

最終話を書き始めたところ、またまた長さが微妙な感じに…(@_@)

と云う事で、調整が必要となりました。

3〜4千字程度に上手くまとめ上げられれば、明日1記事で。それを超えるようなら2つに分けて明日明後日ぐらいでお届けしたいと…まあ、かように考える所存であります。(‘o‘)ノ


ウソ発見器と沈黙の容疑者(後編 PART2)。


話題:SS


かくして、最新型ウソ発見器【EMMA】が初めて実践の場で使用される運びとなった訳だが…

尋問を始めようと口を開きかけた町村警部の機制を制する形で、先に口を開いたのは意外な事に容疑者の方であった。

『その前に…』

『…ん?』

出鼻をくじかれた町村が少し間の抜けた表情で容疑者を見る。

『その前に…この最新型ウソ発見器を使った取り調べがどのような流れで行われるのかを聞かせて欲しいのですが』

窃盗事件の容疑者という立場でありながら、よくもまあ、そのような事をぬけぬけと…。町村は、半ば呆れたような表情で云った。

『お、お前なぁ…自分の立場ってものが判ってんのか?』

しかし、容疑者は平然と言葉を続けた。

『確かに容疑者ではあるけれども、最新型ウソ発見器の実験という観点から見れば協力者とも云えるでしょう?』

確かに…彼の同意なしに【EMMA】を使った取り調べを行う事は規則上出来ない。それは判っているのだが。

『それに…今の話は、どちらかと云えば、私は貴方よりも横にいる白衣の方に向かってしているのですよ』

そう云いながら容疑者の男は、町村の横に立つ仁来の顔を見た。

『お…』

これには流石に町村も言葉を失っていた。今の今まで取調室において主導権を握っていたのは間違いなく町村である。それが【EMMA】の登場と同時にアッサリと脇役に追いやられた形になっている。

『仁来さん…』

町村は明らかに不満の滲む声で白衣の技術者に視線をやった。当然、仁来は容疑者の要望などにべもなく却下するはず、町村はそう思っていた。

ところが、

少しの間、何かを考えるように黙って【EMMA】に視線を落としていた仁来の口から飛び出したのは、町村の予想を裏切る言葉であった。


《続きは追記からどうぞ》♪

 
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その男、疲れ目により。


話題:(´・ω・`)

さてさて、

現在、ガンジス川で沐浴する人々の間で大好評の【連載長編ショートショート】『ウソ発見器と沈黙の容疑者』が完結間近となっておりますが…

本日は、4千年に39201479度とも云われるレアな天体現象、太陽系の全惑星と私の両目が一直線に並ぶ【惑星両目直列】の日に当たり、そのせいか、目がピチョンピチョンに疲れておりますので、《休眼日》とさせて頂きます。

【PART2】も1200字分ぐらいは書き上がっているのですが…

どうしても、左目が金星側に右目が火星側に引っ張られるので、落ち着いて書けないのです。

と云う事で…

続きは、目の様子を見ながら明日以降にアップしたいと考えております(=゜-゜)(=。_。)

そう言えば…

高校の時、朝、魔界の生き物のように目を真っ赤に充血させて登校してきた友達がいて

『どうした?』と聞いたら、

『目薬と間違えて水虫の薬を目に挿した』と。


幸い、翌日には元通りになったものの…なんともゴシックホラーな1日でした。

柔道の授業なんか、血走った目が怖くて誰もまともに組み合えなかったという…。

 
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