※BL
※元不良と大学デビュー男
※男に乱暴される描写があります
理由は、眠かったから。俺は心の中で言い訳をしながら、自分のしでかしたことに呆然としていた。
「お客様、大丈夫ですか?」
そう言われて漸く正気を取り戻した。
「あ、すみません」
「お飲み物、お取り換えしますね」
「あ、すみません」
自分でも自分のことが嫌いになる。こういう日は殊更。躓いて落としたコーラが床の上でシュワシュワと二酸化炭素を放出しているのを見て、この二酸化炭素の責任を取って死にたい、と静かに願った。
「大丈夫?」
声を掛けられたので顔を上げると、そこには四方がいた。大学の同級生だ。
俺は顔に浮かぶ絶望の色を、より濃くした。
「あ。お前」
「俺のこと分かる?」
「知ってるよ。中野と飯食ってた、四方だろ」
四方は嬉しそうに笑った。それがまた憎い。
「大丈夫?」
「ああ……」
四方のことは知っている。ちょっと前まで黒髪をだらしなく伸ばしていたのを、ダサい、と思いながら見ていたから。
その四方に見られた。
目撃された。
四方は今その黒髪を短くしている。少し前に突然短く切った。俺はそれを、正直カッコいいと思った。整った顔立ちと、大人っぽい黒髪と、ピアスをした小振りな耳と、少し焼けた肌と、男らしい体付き、それらは全て俺の理想だった。
それからは四方のことをよく目で追うようになった。
だってムカつくんだよ。あの四方がカッコいい訳ない。ダサくて冴えないのが四方なんだ。
ああ、だけど、でも。
最悪だ。馬鹿にしていた四方に、こんなところを見られるなんて。
「お客様、こちら、新しいお飲み物になります」
「すみません」
屈辱だ。こんな時に四方に会うなんて。
「じゃあ」
俺は四方の顔も見ずにそう言ってその場を離れた。トレイには新しいコーラが載っている。その親切を、俺は恨んだ。
四方が居ると知っていたら、新しい飲み物なんて断って、さっさと帰っていたのに。間違いない。こんな恥ずかしいところを見られるなんて。顔は赤いし、心臓は早鐘を打っている。
自覚はある。
俺は、人から自分がどう見られているのか、それが気になる性質なんだ。
俺は2階に上がるとソファ席に座った。テーブルを挟んで二人用の席だが、人が少ないので一人用のカウンター席には座らなかった。居酒屋でもファーストフードでも、席が狭いのが好きではないからだ。女の子と体がくっ付く、という理由を除いては。
別に、コーラなんか飲まなくて良かったのに。
俺はコーラには手を付けず、何処かへ飛んで行った眠気を探す為、目を閉じた。
その頃、俺の目に浮かんだ嫌悪の色を、四方が目を細めて楽しんでいたことを俺は知らない。
近くでした物音に顔を上げると、極めて自然に、つまり当然のように四方が正面の椅子に腰掛けていた。そして不気味に笑っている。四方のトレイにはハンバーガーとチキンナゲットとホットコーヒーが載っている。
こいつ、急に人のテーブルについて長居する気満々かよ。
なんでそこに座ったの?
言葉には出さなかったが、俺は四方へ敵意ある目を向けた。
「なんで。ダメ?」
四方は笑ってそう言った。
なんでその顔を俺に向けるのか、そのカッコいい顔で微笑んで俺を見るのか、なんでこんな時間にこんな場所で会ってしまったのか。たぶんその理由を懇切丁寧に説明されたって、俺は四方の同席を許したくない気分だった。
分かってる。自覚はある。
俺は自分でも情け無くなるくらい人から好かれたい人間だ。八方美人。人の好意を無下にできない。
俺は四方に直接文句を言うのを諦めて、違う方法で追い出すことを考えた。
「お前さ、時々『もえちゃん』って呼ばれてるけど、あれって本名なの?」
「は?」
「は? 呼ばれてるだろ」
四方の態度は急変した。俺を鋭く睨んでいる。
ざまー見ろ。
俺はとっくに分かっていた。その名前で呼ばれるのを、四方が徹底的に拒否していることを。中野だって、誰だって、四方に面と向かって『もえちゃん』とは呼び掛けない。
「本名じゃない。次それ言ったら殺すぞ」
四方が低い声でそう言った。
俺は頬をひくつかせて笑った。
四方の言葉はどすが利いていてそれなりに怖かったので、俺はさっさと目を逸らして気を紛らわせた。四方を怖いと思うなんて、情け無い。満タンのまま手付かずだったコーラを飲んでみると、もう炭酸が抜けかけていた。
「なあ、これから俺んち来る?」
は?
四方はハンバーガーに大きな口で噛み付きながら可笑しな質問をした。可笑しいというのは、つまり、俺達の関係に対して余りに不釣り合いに親しげな質問だったからだ。だって今俺に『死ね』って言ったんだぞ、こいつ。
「行かねえよ」
「なんで?」
「眠いから」
「じゃあ俺んちで寝れば?」
「ハァ?」
「終電何時?」
「だから行かねえって」
なんだこいつ。
女を家に連れ込もうとするチャラ男みたいなことを言いやがる。
「こんな時間にコーラって。お前それ時間潰しだろ。俺んち来たらいいじゃん」
俺は驚いた。鋭いのは目付きだけではないらしい。たぶん俺の知り合いが今ここに居ても、四方と同じことを考えて、しかもこんな提案をするやつは一人もいないだろう。
言い訳が思い付かなかった。
「お前んち、コーラは出んの?」
俺がそう言うと、四方は笑って「幾らでも用意してやる」と答えた。それで俺は逃げ道を失って、四方の家に行くことになってしまった。
四方の家は、電車で二駅先の駅近くにあった。途中のコンビニでコーラと酒とつまみを買う辺り、友達を呼び慣れているらしい。意外だ。
家族は寝ているのだろうか。それとも、けっこう広い家だけど、一人暮らしなのか。
分からない。
四方の家庭の事情を詮索するのも憚られるので、俺は素知らぬ振りをした。気を遣った訳ではない。かかわりたくなかっただけだ。かかわろうとしていると、四方に思われたくなかっただけだ。
「好きなとこ座って。飲み物とかも好きなの飲んでいいよ。俺、風呂洗ってくる」
四方はそう言って俺を一人にした。
微妙に緊張して眠気が飛んでいる俺は、部屋を見回して、本棚のものを勝手に手に取ったりしていた。あいつが悪い。強引に人を家に呼んだ癖に放っておくからだ。
セックスでも放置プレイは大概嫌がられる。終わってから女に割と本気で文句を言われることがある。
いや、しかし、すげー綺麗な部屋だな。
全然物が散らかっていない。最初から誰かを連れ込む気だったのだろうか。そういう宛てがあったのだろうか。
だったら、なんで俺なんかを?
分からない。
余りに綺麗に片付いているので、俺は引き出しの中まで勝手に物色することにした。
適当に開けた最初の引き出しに、コンドームが入っているのを見付けた時は、さすがに自分で自分のしたことに引いた。だって引き出しにはコンドームの箱が軽く10箱くらいは詰め込まれている。ラインナップが豊富で、お菓子のバラエティパックみたいな有様だ。
もう少しライトなものを見付けたかった。
「何見てんの?」
あ。
ドアのところに、腕まくりしてコップを持った四方が立っていた。
「ヒマだったから」
「眠かったんじゃないの?」
「もう直ぐ眠くなる」
四方は、声を上げて笑った。ちょっと裏返ったその声は絶妙に下品で人を不快にさせる。
でも怒っている様子はないので、俺は少し安心した。
「好きなのある?」
コップをテーブルに置いた四方は、俺の直ぐ横に来て、引き出しの中を漁った。自分でも全ては把握していないらしく、取り上げた箱のパッケージを読んだりしている。
触れた肩が気になって俺はそっと四方と距離を置いた。けっこう筋肉質な四方の腕は、逞しくて、憧れる。だからムカつく。
「いらねー」
「は? ほらこれとか」
四方の手にある箱には、『潤って気持ちイイ!人生が変わるコンドーム』と書いてある。たった0.02ミリの塩化ビニルにそんな効果が期待できるとは思わないが、避妊しなかったことで人生が変わった人間も知っているので、強ち誇大広告でもないのかもしれない。
つーかね、なんで今キレたの?
キレやすい現代っ子かよ。カルシウム足りてねーのか。自分の目がけっこう鋭い自覚あんのかよ。怖いんだよクソが。
「なんなの、お前」
「好きなのあるかって聞いただけだろ。話し聞いてた?」
なんで俺が責められてんの。
俺にコンドームの善し悪しは分からないので、好きかどうかも分からない。
「ゴムなんかそんな選ばないし、好き嫌いとかねーわ。俺もう寝るから風呂借りていい?」
四方は俺を睨んだ。
殴り掛かってくる訳でもないし、シカトすれば怖くないことに気付いた俺は、そっと目を逸らしてこの場から逃げることにした。案の定、四方は不機嫌な声で風呂場が何処にあるかを教えること以外には特に何もしなかった。
殆んど話したこともなかった男の家で風呂に入る俺。クレンジングオイルが置いてあったから、お母さんかお姉さんも一緒に暮らしているらしい。湯が張ってあったので浸からせてもらった俺は、クレンジングオイルの持ち主に対してちょっと悪いな、とその時だけ思った。
いい湯だな。
なんだろうな、この状況。
俺、けっこうリラックスしている自分に気付く。
ショックだ。
「タオル借りまーす」
悪態つきまくっている手前、人並みに気まずさを感じてもいる俺は、タオルを借りるのに一応断っておくことにした。たぶん四方は部屋にいるので聞こえていないだろうが。
と、思っていた俺。
ガチャっと音がした方を振り向くと、知らない男が立っていたので心臓が止まるくらい驚いた。
え、え?
誰?
「誰?」
そう尋ねたのは、向こうだった。当たり前か。
「すみません。俺、四方の、大学の……」
「ああ。あいつの」
男はそう言って納得してくれたようだが、依然として俺のことをじっと見てくる。おそらくだけど四方の家族だけあって、なんだか不気味だ。
「すみません、もう出るんで」
「あいつとヤったの?」
はい?
男はこの場から立ち去るどころか、俺に一歩近付いて来た。タオル一枚を除けば全裸の俺は当然警戒してその男と向き合った。
「それとも、これから?」
薄ら笑いを浮かべた男は、やはり四方にそっくりだった。
たぶん兄貴かなんかだろう。
しかし俺、考えることを拒否していたのだけれども、この男が言う『ヤった』というのは、つまり、セックスのことだろうか。きっとそうだろう。ほんと嫌になるな、こいつらは。
「ああ、その反応。まだヤってないね。あいつ、これから口説くつもりだったのかな?」
知らねーよ。
男は更に一歩迫って来た。
マジか。
身の危険を感じた俺は着替えを手に取ってから、早足で男の横を通り過ぎて脱衣所から出ることにした。この男の前で悠長に着替える余裕と度胸はさすがになかった。
「行っちゃうの?」
そう言われて腕を掴まれた後、俺は床に押し倒されていた。目の前にはあの男。たぶん四方の兄貴。ふふっと笑う声の下品さが四方とそっくりだ。
ヤバいやつだ、こいつ。
倒れた拍子に投げ出した着替えが近くに散乱して、状況をより惨めにさせている。
四方を呼ぶ?
でも、この男の言っていたことを考えると、四方も俺を押し倒そうとしていたのではないだろうか。あのクレンジングオイル、単に女をよく連れ込むから置いてあるだけだったんじゃないだろうか。
この家に安全は無い。
ジーザス、なんて家だ。
四方は何処だ。この兄貴にヤられるのだろうか、俺は。ああでも、俺は四方にもヤられそうになっているらしいから。
もういいや。
大学で顔を合わせる四方より、この兄貴にヤられる方がマシかもしれない。こいつとヤったら直ぐに帰ればいいんだ。
大丈夫。たぶん。
世の中、男としかセックスしない男もいるんだから。1回ヤられるくらい、どうってことない。
うん、大丈夫。
俺は泣きそうな顔で、マウントポジションで不気味に笑う下品で不快な男を見上げた。
「優しくしてくださいよ」
情け無い。俺はそう言った。
ガチャ、っと音がした。音のしたドアの方を見ると、予想通り、そこには四方が居た。なんてタイミングで現れるんだ。まあよく考えたら、この家で四方の兄貴らしい男とセックスして、俺を招いた四方がそれに気付かない訳がなかった。錯乱って恐ろしい。
「何ヤってんの?」
四方が低い声でそう呟いた。
「野暮だろ」
そう言って笑った男は、本人と比べて見ても四方にそっくりだった。ムカつくところは瓜二つ、顔立ちも同系統だ。
「野暮じゃない。四方、助けて」
「助けてとか言ってるけど」
俺の精一杯のヘルプを、四方は他人事みたいに言った。助ける気、ねーのな。
泣きたい。
でも、四方が居るという安心感が、不本意にも俺の涙腺を引き締めている。
「どけよ!」
「待て、待て。落ち着けよ」
「ハァ?!」
俺が男を押し退けようともがくと、何故か男の方に正義があるかのように押さえ込まれた。暴れる俺を、こいつが宥めているみたいだ。間違ってないけど、間違ってる。
クソ、なんでだよ。
なんでだよ。
四方と話している時にも思った。この男もそうだ。俺では相手にならない。俺が怒ってももがいても、向こうが上手く躱すから相手にされないんだ。
「どけよ……」
最悪のタイミングで、俺は泣いた。
我が儘が通らなくて泣き出す女みたいだった。押し倒されているし。まさにそんな感じだ。すげー惨め。四方が助けないのが悪い。孤独感が俺の背骨を尾てい骨から徐々に舐め上げているみたいに、這うような、得体の知れない不安感に襲われた。
「え、マジかよ。泣いちゃった?」
男がそう言って声に出して笑った。
クソ。クソ野郎。
いま包丁を持ってたらな、お前を5回は刺してるぜ。金属バットを持ってたらな、お前が立ち上がれなくなるまで叩いてるぜ。俺が泣くのをもう笑えないように。
クソ……。
俺はまた四方を見てみた。
どんな顔で俺を見てんだろうなって思ったから。たぶん笑ってるか、何も感じていない無表情かだろうな。
しかし、四方は俺と目が合うより先に動いていた。殆んど飛びつくみたいに、俺の上で笑う男に向かって。
殴り合いの喧嘩は嫌いだ。痛々しくて、恐ろしい。
四方と四方の兄貴らしき男は、掴み合って、蹴り合って、殴り合って、突き飛ばし合って、最後は鼻血を流した男が脱衣所から出て行って収まった。勝負が付いたというよりは、自分の鼻血に興が醒めた、という感じだった。
脱衣所に散乱する物を、俺は何故か拾った。倒れたラックを直して、散らばったタオルを畳んで、歯ブラシと歯磨き粉を洗面台に並べて。
四方は俺を助けたのか?
分からない。
俺はやっと見付けた自分の服を見て、ああ、これが欲しくて片付けたんだ、と思った。
「いてぇ」
四方が言ったのは、たったそれだけ。あんな風に殴られて突き飛ばされたら痛いだろうさ。殴り合いの喧嘩なんかしたことがない俺は、そんな四方の姿にさえ憧れを抱いてしまうのだから、これはもう馬鹿だ。
髪を染めて、話し方を真似て、女の子と遊んで、バイトして。それでも俺は『彼ら』とは違った。
人種が違う。
人生が違う。
俺は薄々気付いていた。四方は俺が思っていたような人間ではないことを。四方はダサくない。カッコいい。
黒髪を、ただ短く整えただけでカッコいい。
四方は喧嘩ができる。
四方は女を家に連れ込む。或いは男をも。
俺は、四方みたいに成りたかったんだ。憧れていた。大学に入学すればそう成れると信じていた。風呂場にクレンジングオイルがあって、トイレに生理用品がある男に成りたかった。
俺は拾った服を着ることにした。
「四方って俺のこと好きなの?」
「は?」
「バイってやつだろ。好きじゃなくても俺とヤりたくて連れ込んだの?」
俺はパンツを履きながら言った。ヤケクソだ。
四方は意外にも笑わないで答えた。
「ヤらしてくれんの?」
マジかよ。衝撃的過ぎる。四方にそんな目で見られてたなんて考えたくもなかった。たぶん俺はマックでコーラを落としたあの時になんかしら違う世界にワープしたんだ。パラレルワールド。違う世界線。
「マジかよ……」
それ以外に何か言える筈もなかった。
「てかお前は? 俺とヤりたいって思う?」
「思わねーよ。ビッチかよ」
「俺はビッチ嫌いだよ。病気持ってそうでちんこ痒くなる」
てめーこそ病気持ってそうだよな。
でもあんなにコンドームがある潔癖症なら病気なんかもらわないか。
「ねえ、名前なんていうの?」
「は?」
え、お前、俺の名前知らないの?
俺は四方を睨んだけれど、たぶん向こうは気付いていない。あの男がやったみたいに殴りでもしない限り、俺には、四方を怒らせることもできないらしい。
「いや、下の名前」
「は?」
「下の名前教えてよ」
俺は四方が用意してくれた部屋着のズボンに足を通した。
名前ぐらい、教えてやるけどさ。
「おさむ。さんずいに台形の台って書くやつ」
「あぁ、『治』。良い名前じゃん。なんで誰も呼ばねーの」
「田村の方が呼びやすいから? 分かんねーけど。中野は治って呼んでるけど」
四方は「そう言えばそうだな」と言って笑った。その笑顔は今まで見たどの笑顔よりも自然で、却って寒気を覚えた。たぶんだけど、いつもこうやって女の子から名前を聞いているんだろうなと思った。
「なんか疲れた。もう寝る」
俺がそう言うと、四方は「いいよ」と言ってすんなり部屋まで連れて来てくれた。
なんかする積もりじゃなかったのか、と思った俺は、何かが起こるかもしれないと期待していたのかもしれない。四方が俺を抱くというのは、それはちょっと想像つかないけど。少なくとも、こいつは俺のことを前から知っていて、近付きたくて、それで今日ここまで誘ったのではないか、それくらいの期待はしても意識過剰ではない筈だ。
でもなあ。
それさえおそらく、勘違いだ。
「ベッド使っていいよ」と言われて寝ていたら、急に横に潜り込んできた四方に抱き着かれたって、俺はもう驚かなかった。
俺は四方の体を肘で押した。
それを四方は嫌がるでもなく、むしろ抱き締めて、そして耳元で何度かキスした。
「四方、起きてんの?」
「んー?」
「俺とヤんないの?」
四方は笑って「眠いんでしょ?」と言った。それは恋人同士のやり取りみたいで、経験の少ない俺はどこかで楽しんだ。
もう四方を怒る気力なんてなかったし、怒ったとしても相手にされないだろう。
俺と四方では喧嘩にもならない。
曰く、“相手のない喧嘩はできない”。