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ピノ ザハト/嘘吐き

泣くんじゃないか、と思った。

ノイウェンスが泣くことはなくて、それどころか冷静になってみれば彼の言動はとても静かだったことに気付かされる。眼前の彼の双眸には、喚いて涙を流すような子どもっぽさは微塵もない。

「ありがとう」

俺がそう言うと俺の手首を掴んでいた両手がだらりと下がった。同時に全身の力が抜けたらしく、膝で立っていた身体はその場に崩れる。

「作り物の君は嫌だ」
「え」
「君は作った笑顔で作った台詞ばかり言う」
「そんなことないよ」
「どんな君だって誰も嫌いになんてならないのに」
「……」
「君がそんな風にならなくたって、誰も君を責めなかったのに」
「……」
「嘘の君なら好きにならなかったよ。今の君と初対面なら、僕はとっくに見限ってる」
「……」
「でもそうじゃないから、嘘のない君も知っているから、みんなが君に憧れたんだ」
「……」
「誰も嫌いになんてならないよ」
「……」

ノイウェンスは俯いていて、どんな顔でこれらのことを言っているのかは窺い知れなかった。

「君が好き」
「……」
「それもとことん好きなんだ」
「……」
「僕はどんな君を見知っても、まだ君をこんなに好きだよ」
「……」
「だけど、」

言葉を区切ってから、「君にその嘘の顔で好きだと言われるのには、我慢できないらしい」と続けた。

「……」

なんだそれ。

「もうそんな嘘は言わないで欲しい」
「嘘じゃない」
「嘘だよ」
「違う」
「違わない」
「……」
「君が面白がるのも分かるけど、そんなに馬鹿にされては僕だって、」
「え、ちょっと、」
「何」
「さっきも言ってたみたいだけど俺はふざけてないし面白がってないし馬鹿にもしてないし」
「そうなの?」
「そうだよ」
「……」

ノイウェンスは微弱に肩を揺らした。俺にはそれが笑っているようにも泣いているようにも見えた。

「じゃなきゃ引き留めたりしないっつうの」

レルム

穏やかな殺傷


「この宿、安全でしょうか」
「ねえ、君って死ぬのは怖いの?」
「どういう意味ですか」
「そのまま」
「親しい人が死んでしまうのは、怖いかもしれません」
「へえ、…すごいね」
「ありがとうございます。ですが、本当にこの宿ボロボロですよ」
「だから選んだ」
「なぜですか」
「痕跡があるから。ジキルはおそらくここで暮らしていたことがある」
「痕跡なんて、」
「ジキルが気まぐれに残した暗号を君は知らないんだろ」
「知りません」
「君はネット空間を無意識に避けているよね。それはジキルの親心だとは思うけれど、いつか困ることもあるんじゃないかな。暗号にしたってそうだ。君はレルムの影であり、レルムの本体なんだろ。いつまでもジキルの呪縛に取り憑かれていてはこの旅も始まらないよ」
「……」
「俺は本来、機械は専門じゃないんだ。そこは、時には君にも、助けて欲しいこともある」
「……」
「ネットにはジキルの残したデータやメモが散乱していて、それが現実世界にも痕跡を残している」
「テンマのデータが…」
「そう」
「でもネットは、いけない気がするんです」
「へえ、ロボットの勘?」
「……」
「まあいいや。俺がデータを引っ張って、君はそれを調べればいい」
「すみません」

ブレイディの方が機械のことに、詳しいに違いない。

ローリー

突発のマンネリズム


彼らは一見して怪しい風だった。兄弟のようで友達のようで親子のようで他人のようで師弟のようで、そして何よりリアリティがない。

「何泊のご予定ですか?」
「今日だけなんだけど」
「でしたらご用意できますよ」

よかったですね、と子どもの方が笑う。

京平

「『京平』、おはよう」

俺の言葉で漸く気付いたのか、良平は酷く不機嫌な声音で「やっぱりここにいたのか」と呟いた。それに笑顔だけで返事をする。

「…図書館にいるから授業までに手が空いたら来て」
「いや、いま聞けるよ」
「そう?」

良平は女の子の肩を横からふわりとごく自然に抱いて、「ごめんねー。ちょっと良平借りるねー」と生徒会室から追いやる。

「おい、京平、」
「次は俺のことも誘ってねー」

俺は口だけで諌めながら、良平の変貌振りに内心で笑った。

生徒会室に2人だけになると、良平は困ったと言うように眉を下げた。

「今日、入れ替わりたいの?」
「ここでお前待ってたらあの子が来て、勝手に勘違いしただけ」
「そっか」
「良平がノリノリでよかったわ」
「気付かれた方が困るよ…」
「でも良平が生徒会やってからは入れ替わったことなかったし、もうできないかと思ってた」

机から出した書類に同じく机にあったペンで勝手に記入すると良平が後ろに回ってきた。

「手伝ってくれるの?」
「……」

良平は弱い。俺はそんな良平に弱い。

黙っていると後ろから首に腕を回された。ベタベタされるのは好きではないけれど昔から良平のそれだけは好きだった。左手で良平の腕を撫でると冷たくて、悲しくなる。

「ね、今日入れ替わる?」
「いいよ。でも俺生徒会の仕事はできねえよ。お前だってあの頃とは違うだろうし」
「同じだよ。同じでいい」
「……」
「名前は分かるでしょ。いまメモ作るから」
「……ま、いっか」

俺から離れると楽しそうにメモをつくり始める。

この『メモ』は入れ替わる時にいつも作っていた、それぞれがこなすべきタスクリストだ。提出すべき課題や今日中に終わらせたいことなどをすべて書き出し、互いに任せてしまう。

朝来に悪戯しようと密かに思ったことは、良平には黙っていた。

セツ

「ルーセン、街を移したかもね」
「…そうなんですか?」
「首が届かないもの」
「……」
「残念ね」
「ええ」

探そうと思えば直ぐだけれど。

三谷

「お、三谷じゃん!」

呼び止めたのはアキだった。教練には出ずに試験だけ受けているらしいが、彼は今年からもう実践のクラスに移っている。

アキとはあまり話したことがない。

「どうも」
「ね、リュウ知らない?」
「いや、ちょっと分からないですけど…」
「そう、ありがと」
「いま知り合いが来てて。それで避けてるのかもしれません」
「知り合い?」
「ええ」
「ふうん、そう。ありがと」

胡乱な目つきで見られたけれど嘘は言っていないし、それにおそらく本当だ。

リュウはロスを避けているのだろう。気持ちは分かる。でも僕は心の奥深くのどこか、自分でもはっきりしないところで彼を尊敬しているから逃げたりはしない。だからここへ来た。

アキはくるっと軽快に回転すると、どこかへ行ってしまった。

風みたいな人だ、と思ってしかし実際のところも彼はほとんど風なのだと思い直して笑ってしまった。

ノイウェンス ハウゼン/体温

ピノと仲良くなれそうで、その為に今はとても大切な時期に思えて僕はこっそりピノの部屋を訪ねることにした。ジョシュには悪いけれど今ピノと離れたくない。

痺れを切らした、のだと思う。

「はい」

カチャリと開いたドアの隙間から覗いたのは目当ての人間ではなかった。大きい瞳とくせっ毛が印象的な、おそらくピノの同室者だろう、いくらか年下らしい少年。

「ピノはいますか」
「あ、…あ、はい。ちょっと待ってください」

少年はにこりと笑うとドアを大きく開いて部屋の奥へ行った。

暫くするとピノが現れた。そのすぐ後ろには携帯電話を持って困惑したような顔の先程の少年がいる。ピノが彼に構わず僕を接遇するのを見て怖ず怖ずと学習室に入りながら手にある携帯電話で通話を始めた。

「入って、入って。どうしたの?」
「……いや、」
「……」
「何か話せたらなって。それだけ」

ピノは特段の反応も見せずに綺麗に微笑む。

「ありがとう」

綺麗過ぎて、緊張した。

「体調はどう?」
「え」
「大丈夫ならいいんですけど」

また深く笑んだ。それを直視できなくて僕は目を反らす。

「……」
「何か話したいことがあったんじゃないですか?」
「いや、別にそういうことじゃなくて、」
「いいですよ」
「え」
「なんでも話してください」
「……」
「何かありましたか? 大丈夫?」
「……」

僕は圧倒された。優しさに。

「……大丈夫ですよ。なんでも言ってください」
「…違う…」
「……はい?」

圧倒されて、吐き気がした。

隣に並んでベッドに座っていたけれど、僕は無言で立ち上がって部屋の出口に向かう。

「帰る」
「え、ちょっと、」

ドアノブに手を掛けたところで腕を掴まれた。それを無視してドアを開こうとしたけれど後ろから抱き込まれるように抑え付けられる。同じくらいの身長なのに思ったよりずっと体格差があるらしく、抵抗といった抵抗はできなかった。

「離せ…!」
「落ち着けよ」
「…離せっ」

「どうしたの」と耳元で言う声は優しくて、今度は、泣きたくなった。

「ねえ、帰らないで。お願い」
「……」

分からないよ。僕には君が分からない。

「話しに来てくれたんだろ。だったら帰るな。俺だってお前と話したいって思ってたんだ」

ピノの言葉は僕をすっぽり包む彼の腕みたいに温かくて安心できた。強くて逞しくて哀切な温度で心を解かす。

「……」

言いたいことなんて、本当に無いのに。あったとしても、それは全部、彼が乱暴に代弁してくれるような気がした。

「この部屋なら邪魔されないんだ。ゆっくり、もっと何か、なんでもいいから話してくれよ」

うん、僕も同じことを思ってたよ。

また僕たちは部屋の奥へ戻った。ピノは靴を脱いでベッドの上に座っている。もともと部屋は薄暗くて、天井の低い2段ベッドの1段目の奥で壁に寄り掛かるから、その表情はよく見えない。見ようとも思っていないけれど。

「なんか、すみません。興奮して」
「……」
「腕も強く掴んじゃいましたけど平気ですか…?」
「うん」
「そう。よかった」

もう帰りたいと思ったけれど、同じことにならないように話しかけた。

「言ったよね。僕は君のことが好きだって」
「…え」
「ずっと君と友達になりたかった。初めて君を見た時から、僕は君のことが好きだったんだよ」
「……ありがとう」

自分の筋張った指を眺めながら「どういたしまして」と返す。

「私も君と話したかったんです。なかなか話せませんでしたけど、部屋なら安心して話せますね」
「うん」
「次は私があなたの部屋へ行きます」
「…うん」
「……」

君が分からない。どうしてそう簡単に嘘を吐けるのか、分からない。

「……」
「ジョシュとは仲が良いんですか?」
「…良いんじゃない?」
「そうですか」

痺れを切らした、のだと思う。

ベッドに上がって詰め寄る為に靴を脱ごうと前屈した僕を勘違いしたのかピノに「待って」と引き留められた。間もなく腕を取られて靴が脱げなくなり、僕はそれに構わず後ろを振り返ると至近距離に彼がいてどきりとした。けれど今はそんなことも関係ないくらいに腹が立っている。

「ふざけるな」

渾身の力を目に込めて睨む。

「…ノイウェンス、」
「ふざけるな。馬鹿にしてるのか」
「どうしたんですか…!?」

慌てたピノは両手を広げて降参のポーズを取っている。だけど靴を履いたままの左足に気を遣うことなく僕はピノに躙り寄った。背中が壁に辿り着くと彼は僕の肩を手で押さえ、接近を阻む。

「君が好きだ」

口を衝いて出るのはそれだけ。

苛立ちも嫌悪も超えて、僕の口からは愛の言葉しか出てこない。初めて見た時から好きで仕方なくて偏執としか言えないような片想いをしてきたから、見返りなんて無くたって、僕はきっと君を愛する。

僕が酷く惨めで憐れでも、君は少しも悪くない。

チーフ

ノックの音で目は覚めた。黙っていればこの部屋に無断で入ってくる人間などいないはずだから起きようとは思わなかった。

ところがドアはすんなり開き、誰かの侵入を容易に許した。

足音がすぐ側で止まったから目を開くと少年がいた。細身で肌の白い脆弱そうな子どもだった。薄着の服から露出された肌は傷だらけで、知性のありそうな凛々しい目付きとは対照的でアンバランスな印象を受ける。

「誰」
「……、すみません」
「誰。お前」

少年が狼狽して後退るのを手首を掴んで捕まえると、思ったよりしっかりした骨格であることに気付いた。細いけれど決して不健康ではない。

「ごめんなさいっ」
「……」

それは丸で演技染みた弱々しさだった。

「…ごめん、なさい…」
「まず名前を言え」
「……リュウ」
「……。なんの為にここへ来た?」
「え?」
「どこの犬? それとも蝶かな」
「……」
「なあ」

手に力を込めて引き寄せると強張ったリュウは蹌踉けて床に膝を付いた。腕を持ち上げて立たせようとしたが、力が入らないのかそのままの体勢で話し始める。

「僕は、人間です」
「……」
「働けというのなら働きますが、僕は、人間として、働きます」

俯いている顔を伺おうと思い腕を上へ数回強く引いたが、リュウは下げた顔を上げない。

体重は重くないらしく、立ち上がって更に強引に引くとリュウの身体ごと持ち上がり、片腕で体重を支えるような姿勢にさせることができた。髪は短いから悔しそうな悲しそうな顔がすぐに見えた。綺麗な顔立ちをしていた。

「ここではな、俺が犬になれと言ったら、お前は犬になるんだよ」
「……っ」

俺の視線から逃げるように顔を背けた少年は、やはり酷く脆弱そうだった。

「悪戯も程々に、な?」

ダリア

朝起きるとまたリュウがいなくなっていた。

寝る時には確かにベットにいた。狭い部屋に並べられた2段ベットの下の段に、存在ごと消え入りそうなか弱い寝息を立てながら眠っていた。

「糞、」

身体に纏わり付く厚手の毛布とシーツがひどく鬱陶しく、自分の悪態が何に対してのものなのかは分からなかった。部屋にはまだ2人が眠っているから静かにしなければいけないが、それにすら無性に腹が立つ。

廊下でブーツの紐を結ぶ間に、自分の情けなさに、苛立った。

ミツル

望んで手に入れたものは恋人。

「寒いねー」
「恋人に温めてもらえよ」
「…ミツルって時々そういう気持ち悪くて真っ当なこと言うね」
「わざとです」

チャップはその童顔に不釣り合いな溜め息を吐いた。

「業者呼ぶ程チーフも神経図太くないってことでしょう」
「そもそも空調壊れてるの知らないんじゃねえの?」
「……あり得る」

楽しそうな声音に顔を上げると、それに気付いたチャップはやや首を傾げた。「なんだ」と聞いてみたけれど、ふふんと笑うだけで何の答えもない。

リュウよりずっとあどけなかった。

デンプンとヨウ素液

デンプンはヨウ素液を真っ直ぐ見上げた。その瞳の煌めきには、まだ現実の厳しさを知らない無邪気さがあった。

「それ、なあに」

デンプンが尋ねる。同時に小さな指でヨウ素液の手にあるものを差したけれど、ヨウ素液は黙って破顔するだけだった。

ヨウ素液の胸中には、既になんらの躊躇も無い。


ヨウ素液が優しくデンプンの頬を撫でると、デンプンはきゃっと言って笑った。

花が咲くように笑うデンプンの肌は無垢な乳白色で、そこに微かに赤みが差すと美しいグラデーションになる。ヨウ素液の心はデンプンに初めて出会った時から、この清廉な肌に捉えられ、そして緩やかな、しかし強い衝動に支配されいた。

『このあどけない笑顔を汚したい。私がその唯一、最初のものでありたい』

ぽたり。

「やだっ」とデンプンが声を上げても、遅かった。一滴目は眦に。あとはぽたぽたと続いて遠慮なくデンプンの肌に垂れていく。ヨウ素液はこの乱暴な行為に目を細めた。

愛おしいデンプンを汚すことに得も言われない愉悦を感じる。デンプンが泣いて助けを求めるその声すら、独占できるから。

白い肌に広がった、それは鮮やかな紫をしていた。

シバ

一方通行の共感
阻むものは何もない


レルムはさらさらとしていて一緒にいると落ち着く。ジキルもそうだった。

「車なんて初めて乗ります」
「そう?」
「すごいなあ、カッコイイんですね」
「そう。ありがとう」

レルムは15年以上も変わらない姿で、俺はだから安心してしまう。ジキルはもっと合理的な理由でレルムを寄越したのだと頭では理解していても心のどこかが勝手に安らぐのだから仕方ない。

世界に対する疎外感が薄れてゆく。

運転操作の一々を目を輝かせて見る少年が俺と出会うまでどれ程惨めだったか、俺なら分かる。その孤独に共感できる。

君が分からなくてもいい。

『感情のあるアンドロイドと無感情な生身のクローン、より人間らしいのはどっちだと思う?』

IMROで行われていた研究のほとんどを理解し時にそれらの研究に口を挟んでいたジキルが最も嫌悪していた研究、それが人工生命だった。EPである彼には当然のことかもしれないけれど。

「構造が全然分からない」
「え?」
「車ってすごいです。怖いけどすごいです」
「そんなに気に入ってくれるとは思わなかったよ」
「形もカッコイイです」
「ちなみに俺たちが今乗ってるのは俺と知り合いとの手作りだよ」
「へ!?」
「塗装とかエンジンは俺たちじゃないけど、設計とか加工は機械借りて少しずつ作った」
「すごいです…!」
「壊れやすいけどすぐ修理できるから便利なんだよ」
「…すごい…!」
「理論さえ分かればけっこう簡単なんだよ。そんなに言うなら君の分も作ってもらえるように頼んでみようか」
「え、あ、あ、ありがとうございます!」

自慢したことに嘘も混じってると感づく気配はなかった。

世界のあらゆることを純粋に知識として取り入れようとするレルムをこうしてからかうのは楽しい。本当に知らないのだと思えて幼児を相手している気分になるのだ。

「まあ、嘘だけど」

勢いよくこちらを見たレルムには笑顔だけ返した。

小野

ノックすると直ぐにどうぞと聞こえ、しかしその声はあまり聞き覚えのないものだった。たまに生徒会室に来るけれどノックにいつも応えてくれるのは千里ちゃんや高橋先輩だからだ。

「失礼しまーす」
「どうぞー」

そこには会長がいた。会長と2人きりというおいしい状況に思わずにやけてしまう。

ラッキー!

「おはようございます」
「おはよう」

「今お一人ですか?」なんて必要以上に親しげに話し掛けると「まだ朝ですから」と笑顔で答えてくれた。会長はテレビの俳優や歌手も目ではないくらい整った顔だから話しているだけでも私は嬉しかった。

哲くんへの用事はどうでもいい、本当は。

こんなこと綜悟さんにバレたら苦笑いされてしまいそうだけど私は容姿のいい人が好きなのだ。会長は私の出会った人の中では断トツで美形で見てるだけで頬が緩む。

するとノックの音がした。

返事を待たずに開けられたドアからは会長が現れた。

私はとても間抜けな顔をしたと思う。
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