スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

LeTAO


ルタオ
LeTAO
チョコレート(9粒)

ネイビーのシックな装丁。中にはピラミッド型のチョコレートが並んでいて幾何学的。

紅茶の香りがほのかにあって甘い。
柔らかい食感は口溶けがとてもよく、甘さもしつこくない。幾つも食べても飽きない安定した味わい。

常温で保存できるので人への贈り物にもちょうどいいと思う。

るろうに剣心/明日には(前編)

※妄想小説
※伝説の最期編の数日後設定
※剣心薫で、すれ違い




夕飯の支度をあらかた終えると、道場の縁側で左之と弥彦が何やら話しているのに気付いた。こそこそと内緒話しをしているようである。

「なんの話しでござる?」
「おお! 剣心か!!」
「おろ?」

左之は楽しそうに歯を見せて笑って、「お嬢ちゃんの話しだぜ」と言った。

「薫殿の?」
「そうそう。いやな、ここんトコお嬢ちゃんがすっげェ機嫌がいいんだが、気付いてたか?」
「いつもと同じに見えたが…」

左之は弥彦に意味深な視線を送った。

弥彦の方はちょっと嫌そうな顔をしている。

「やめろよ。ぺらぺら言い触らすことじゃねーだろ」
「なにガキが大人ぶってんだよ!」

左之が弥彦の頬を抓ったので「左之!」と言って止めたが、左之は少しも懲りていない表情でまだ不敵に笑んでいる。

「なんで機嫌がいいんだろうなって、弥彦に聞いたらよ」

左之は弥彦を見て「なァ」と続きを促した。

弥彦は諦めたのか渋々口を開いた。

「だから、アレは、男だろ」

弥彦の簡潔な言葉に左之はとても楽しそうに大笑いした。薫殿がいたら道場を追い出されていそうな程の大笑いだ。近所に響き渡っていそうで拙者も少し恥ずかしい。

「薫が男?」

拙者が尋ねると、左之は右手の拳を突き出してから、小指を綺麗にぴんと立てた。

「何トボけてんだよ。薫が、じゃなくて、薫『の』、男だろォが!」

左之は続けて「あいつ、ガキだと思ってたらいつの間になァ」などと呟いて、それでも楽しそうだった。

薫殿に男がいてなぜ楽しい?

「心当たりがあったのか?」

こういうことについて左之は面白がるばかりで頼りにならない気がしたので、弥彦を向いて尋ねることにした。弥彦も承知しているのか左之には構わないようにしているらしい。

「なんとなくだよ」と、弥彦は言い難そうに答えてくれた。

『なんとなく』?

弥彦は目を逸らした。その顔が赤くなっているのに気付いて、弥彦の『なんとなく』にそれなりの根拠があることを知った。

何か見たのか?

俺には何もわからない。思い当たることがない。

不意に斎藤の言葉を思い出した。

『あの娘は大勢の若い男を相手にする仕事をしている』

『油断すると痛い目見るぞ』

記憶の中の斎藤は、煙草の煙をふかしながら、声もなくニヒルに笑った。そこには時尾殿がそっと寄り添っていた。

羨ましい、なんて。

おかしいな。

本当に、俺はどこかおかしいらしい。

薫には気持ちを伝えるようにしていたし、彼女も俺に応えてくれたと思ったけれど、それらはひょっとしたら自分の勝手な思い込みだったのではないか。俺みたいな血生臭い人斬りより、新時代を生きて活人剣を志す若者に惹かれるのは、至極当然のことではなかったか。

ずっと見えていたものが見えなくなった日。

顔を洗うと頬を撫でた、あのおとなしい手が消えた日。

巴を忘れた日。

俺は、あの日から、誰かから愛されたことが一度でもあったか?

否、俺は、巴にさえ……。

「ふふふ。なんとなく、でござるか?」

笑うしかなかった。生きたいから、望みを全て捨ててでも、もし自分の命が何かの役に立つならば、俺は生きたいから、だから笑った。いつもどおりを装おって、のんきな顔して笑った。




【明日には(前編)】




「なにしてるの?」

その声は薫殿のものだった。出稽古を終えたところらしく道着姿のままだ。

「薫。おかえり」

弥彦の言葉に、薫殿は「ただいま」と優しく答えた。

弥彦は渡りに船とばかりにさっと立ち上がってその場から離れた。どうやら剣術の稽古中に左之に無理矢理相手をさせられていたらしい。

「夕飯、もう準備はできているでござるよ」
「ホント? お腹空いてたから嬉しい」
「左之も食べるか?」

左之は「いらね」と短く答えた。

「珍しいわね。何かあるの?」

薫殿が尋ねると、左之は嬉しそうに笑った。

「珍しくもねェだろうが。もう食べてきてんだよ。喧嘩を売られてるんでな」
「あ、そういうこと」

左之は立ち上がってから「うーん」と唸って背伸びをした。それから軽く屈伸運動をすると「じゃあな!」と背中を向けたまま大きな声で言って外に出て行ってしまった。

騒がしかったのが嘘のように静かになった。

薫殿に、何か、言いたい。

そんな気がしたけど、言うべきことは何もなかった。

薫殿は「あー、お腹空いた」と言いながら立ち上がって、敷地の奥の方に入って行った。おそらく玄関から家に上がって着替えてくるのだろう。

「あ。食事の支度、しないと」

なぜか零れた独り言は、誰に向けたものでもなかった。

台所で食事の支度をしていると後ろに薫殿が立ったのが気配でわかった。衣擦れの音と、なんとも言えない落ち着かない気配だった。手伝ってくれるのかな、と思っていても声を掛けてくれる様子がないので、なるべく自然に振り返ってみた。

「…あ、なんか、手伝える?」

薫殿はやはり落ち着かない様子でそう言った。

「大丈夫でござるよ」

いま薫殿が隣に立ったら、きっと、抑えが、効かない。

拙者が笑うと薫殿は残念そうに「そう?」と言って、静かに隣の部屋に移って食卓に座ったようだった。

支度と言っても温めた味噌汁をお椀に取り分けるだけだったので、それを御盆に乗せて食卓に運ぶと、薫殿が『機嫌よさそう』に微笑んだ。拙者もつられて微笑んだ。

ああコレか。

コレじゃないか。

つくづく弥彦は勘がいい。

気付こうとしなかっただけで拙者も知っていたことだ。確かに薫殿はここのところ『機嫌がいい』。思い返せば、京都へ行く前からこうだったような気がする。

『機嫌がいい』のは、『男』がいるから。

相手は誰だ?

今日の出稽古先はどこだ?

様々な名前を思い浮かべては自分でそれを否定して、いつもの味噌汁を薫殿が「美味しい」と言うだけで、拙者にとっては刀で斬り付けられるより堪える。

なんだ、本当に、嫌になるくらい『機嫌がいい』。

「風呂を用意してくるよ」
「え? 剣心は、ご飯いいの?」
「後で食べるでござるよ」
「なんで。あ、ごめん、あたし、汗臭い?」

薫殿は腕の辺りを顔に寄せて、顔を赤くしてにおいを嗅いだ。

「一応、着替える時に手拭いでからだ拭いてきたんだけど、ごめんね!」

顔は更に真っ赤になった。

男が、女の汗に興奮することがあるのを、彼女は知らない。彼女の恥じらう姿が無性に愛しくて堪らなくなる拙者の気持ちを、彼女は知らない。

伝えたことがないからだ。

「ちょっと拭いてくる…」

薫殿が席を立とうとしたので拙者は思わずその腕を捕まえて引き止めた。

「大丈夫でござるよ」
「いい、拭いてくる」
「すまない。そういうつもりじゃなかった」
「自分でも気になってきちゃったから…」

薫殿は拙者の手を振り切って立ち上がった。

逃げられているみたいだ。

いや、『みたい』じゃない。逃げようとしているのだ。この手から。薫殿に拒否されるのはとても悲しい。人生全てを否定された気になる。

追い掛けて拙者も立ち上がった。

「薫」
「え?」

ああ駄目だ。駄目になる。

薫殿に手を伸ばそうとした時、物音がした。弥彦がいて拙者達を見て「飯できた?」と尋ねた。

「できているでござるよ」

薫殿はそのまま部屋を出て行った。

「わりぃ」

弥彦はそう小さく言って食卓に座った。弥彦が何に対して謝罪したのかはわからなくても、自分が変な空気を作っていたことの自覚はあったから申し訳ない気持ちになった。

「なあ、剣心。薫から聞いたか?」

勢いよくご飯を口の中へかき込みながら弥彦が言った。

何を?

『男』のことを?

「いや、なにも」と、拙者は答えた。

弥彦がそれから何も言おうとしないのでなんのことか聞こうとしたら、ちょうど薫殿が戻ってきた。弥彦はもう食べ終わったところらしかったけど、薫殿を見て席を立とうとはしなかった。

「あら、弥彦もう食べちゃったの?」
「ああ」
「せっかく作ってくれてるんだから味わって食べなさいよ」
「うるせー!」
「何よー、その口の利き方!」

薫殿が弥彦に掴みかかる勢いで詰め寄ったので、さすがに見ていられなかった。

「まあまあ、薫殿。ご飯が冷めるでござるよ」

薫殿は拙者を見て「剣心の為に言ってるのよ!」と言った。

「わかってる。気持ちは嬉しい」

拙者が笑うと薫殿も笑った。

「なあ、薫」

弥彦が声を掛けた。食卓に肘をついている姿は、剣士というより左之に似ていると思った。言うと嫌がられるから言わないが。

「なに?」
「その髪飾り、新しいよな」
「え、ああ、そうね」

髪飾り?

確かに薫殿はいつもの一つ結びにした髪を綺麗な飾り紐のようなもので結んでいた。先程から付いていたか、席を外してわざわざ付けたのか、思い返してもわからない。

「誰かからもらったのか?」

弥彦が尋ねると、薫殿は顔を赤くして言い淀んだ。

「なんだよ。隠すことじゃねーだろ」
「うるさいわねー」
「自分で買ったのか?」

薫はさらに顔を赤くした。

「そうよ」と言ったその顔が恥ずかし気に俯いて、俺は言葉にできない濁った感情に支配された。

我慢ならない。

耐え難い。

いや、俺にはそんなことを思う資格もない。

自分で買ってあんな表情をするだろうか。きっと誰かから贈られたものだ。俺よりずっと自由に外出したり仕事したりしているから俺の知らない付き合いもあるだろう。

贈り物。

誰からの?

「今度、燕にも買ってやろうかなー。店の場所教えろよな」

弥彦が言うと薫は「今度ね」と答えた。

誰から?

『男』だ。

それは誰だ?

それを知る権利が俺にはあるか?

薫がちらりと俺を見た。

俺はいつもみたいににこにこ笑っている自分が酷く滑稽で情けなくなった。



つづきはmblg.tv
続きを読む

狩りーチップス


大人によるダジャレによってこの世に生み出されてしまったお菓子。
10周年記念 モンスターハンター展にて購入。ダジャレを讃えてではなく、パッケージのイラストが良かった。

けっこう辛くて本格的な香りがする。とてもよい香り。カールのカレー味と一線を画したつもりか?
スパイシーでなかなかおいしかった。

ただ、香りはいいけど、なぜか味が薄く感じた。私だけかもしれない。


疑問なのは、モンハングッズの一環として売るなら、ゲームしながらつまめるものの方がよかったのではないか、ということ。予想どおり、もちろんこれはゲームしながらは食べられない。余程不潔なひとならいけるか。
ゲームしながら食べられるお菓子だったら、モンハンオフ会の素敵な手土産になってもっと売れたと思うのだけど。そんなことないか。

猿の惑星 創世記

猿の惑星

チンパンジーとゴリラの離別シーンでうるっときてしまった。いい年してなんだろうな……。

るろうに剣心

※妄想
※原作と違う斎藤一
※原作と違う緋村剣心
※伝説の最期編ネタバレ(ネタバレ前に注意書き有り)




剣心は親しくなった女性に愛情を抱くタイプだと思うんですよ。これに対して志々雄さんは惚れちまった、というタイプだと思います。剣心は正義感が強くて激情家だけど、身内に対しては慎重で我慢強くてとても愛情深い。

剣心の薫に対する気持ちも燃えるような恋ではなくて、そんな愛情なのではないかな。

もし14歳で師匠と喧嘩別れしていなければ、美味しい酒の呑み方や女性との付き合い方も、師匠から教えてもらえたのかな、と思うのですが、実際は家出同然で師匠と別れて一人で不味い酒の味を覚えて行きずりみたいな形で巴と一緒になった。

薫との関係にちょっと怯えている剣心がいたらいいなあ。


薫は、絶対に守ってあげたい存在だ。思いもよらないことをして驚かされたり苛立たしく思ったりもするけど、彼女の笑顔を見るととても安心する。

またここへ戻ってきたい、と思う。

彼女に「おかえり」と言われると、胸の奥から何かが込み上げて、幸福感、みたいなものを、こんな俺でも感じられる。

俺が彼女を守るんだ。

薫の明るい笑顔とその温もりを、絶対に。

しかしそんなことが許されるだろうか?

汚れた俺に許されるだろうか?

逆刃刀でできるだろうか?

彼女は受け入れてくれるだろうか?



そこで人生の先輩、斎藤さんの登場ですよ。

以下、妄想。



よお、抜刀斎
おっと今は『緋村』だったな
辛気臭い顔で何を考えているんだ

おろ
斎藤

この世の不幸を一身に背負っている積もりか?
馬鹿馬鹿しい…

(どこかで聞いたセリフだな)
ははは、そうではごさらんよ

ならばどうした

相談に乗ってくれるのか?
なんだか気持ち悪いでごさるな…

ひどい言い様だな
志々雄真実が死んで俺は機嫌が良いんだ
次の仕事が始まるまではな
だからお前のチンケな悩みの相談ぐらい乗ってやってもいい
不幸自慢なら御免被るけどな

拙者をけなしているように聞こえるのだが…

けなしたくもなる
どうせ、あの道場娘のことだろう

!?

顔に書いてある
女のことで悩んでますってな

(顔に!? ってことではないか)
勘が良すぎて怖いでごさるよ…

実は高荷恵から聞いた
お前と道場娘が煮え切らないんで見ていてムカつくってな
お前も相変わらずスケコマシだな

す、すけこ…って失礼な

それで、どうなんだ
あの娘とくっつくのか?

えっ

くっつかないのか?
何か決めていることでもあるのか?
若い娘と同棲して食わしてもらっておいて男としての責任を取る用意も無いなんてな
いくらこの明治の御時世でもそれはお前いつか女に後ろからその逆刃刀でぐさっと…

わー!
話しを進めるな!

なんだ?
違うとでも言うのか?
お前がスケコマシじゃないって?

そう何度も言うな!
こんな市中で…

「あの女」のことでも考えているのか?

……

俺はお前の女関係のことなど全くもって興味はないが
見ていてムカつくってのは同感だ
どうせトリ頭にも同じことを言われているんだろう

左之は…
何も言ってこないでごさるよ…

ハッ
喧嘩の実力と同じで半端な野郎だ

左之は関係ないでござろう

怒るなよ
お前の態度が悪いって話しだ
どうするんだ
子供ができたら、などとぬかすなよ
まず、あの娘とはどこまでいってる?

どこって…

……

いや…気持ちは…その、一応、それなりに…伝えてはいるつもりで…拙者なりに…

……

いや…一応……

……

拙者だって一緒に暮らしている身で、その、このまま身勝手にまた流れるってつもりもないし…
責任、とまでは、言えないが…
薫殿の亡きご両親に顔向けできないような関係を続けるつもりは…

今のお前の状況を爛れてるって言うんだろうな

わー!!!

全く
いい年した男が赤くなるな

そんなこと…
だってまだ薫殿とは…

なんだ今夜にでも関係するって言い草だな

わー!!!

五月蝿い
刀程ではないがな、このサーベルだって人を殺せるぞ

すまない…
(冷たい…優しくても怖いけど…)

あの娘もいい年だしな、俺だってそれをどうこう言おうってんじゃない
ただ今のままが良くないってことは抜刀斎、お前だってわかっているんだろうが

うむ

で、『気持ちは伝えている』ってのは?

えっ…

ほら、言え
犬も食わんようなことを俺は吹聴しない
早く言え

(なんでそんなこと…)

赤くなるな
早く言え
お前に言うべきことがあるかどうかはそれから判断してやる

(もうすでに言いたい放題じゃないか…)
いや、だから…
別れ際に抱き締めたり…
あとは…二人で夜空を眺めたり…
最近は、ただいまと言ったり…

阿呆が

え?

そんなことでよくも言えたものだな
『気持ちは伝えている』?
『身勝手に流れるつもりはない』?
『両親に顔向けできない関係を続けるつもりはない』?
『責任を取る』?
冗談はよせよ
胸くそ悪くなる

そんな…

祝言を挙げるつもりがないなら言葉で言え
でなければ伝わらんし食い扶持にされてるって思われ兼ねない
男ならけじめをつけろ
『流れるつもりはない』と言ってあるのか?

それは、薫殿はきっとわかって…

絶対か?
絶対にと言い切れるか?

いや…

貴様も不安になったからそんな陰気な顔をしていたんだろう

それは、確かに
斎藤の言うとおりだよ…

じゃあどうするんだ

そんな…
いま急には決められない

本当に惨めったらしい男だな
女を不幸にするのが貴様の仕事か?
その刀のせいで性根まで腑抜けたか?
やはり「あの女」のことが忘れられないのか?

俺にも気持ちがある

ほう?

巴のことは、今は関係ない
俺は薫を薫として扱ってきたし、これからだってそうだ
薫殿に巴の姿を重ねたことは一度もない
お前に言うことではないが、誓ってそうだ
薫殿を女として見てないわけでもない
心の綺麗な、魅力的な女性だと思ってる
気持ちを伝えてきたつもりだというのも、お前にはわからないだろうが、二人にはわかることだってあるんだ
空気というか…
雰囲気が…

それが反論か?
そんな歯切れの悪い話しならするな

(言い返せない…)
お主は、どうしているんだ

俺達は会える時間が少ないからな
会う度に言っている
『愛してる』『お前は世界で一番素晴らしい女性だ』『ずっと一緒に居たい』ってな

!?
(聞かなきゃよかった…)

言わせておいてお前が赤くなるな
ずるい男だな

す、すまない…

お前は自分のプライドを守りたいのかもしれないが、娘に捨てられてからでは遅いんじゃないのか?
ましてあの娘は大勢の若い男を相手にする仕事をしている
油断すると痛い目見るぞ

(若い男を相手にって…誤解を招くような表現だが…実際、斎藤の言うとおりだ…)

どうしても恥ずかしいというのなら気付いた時に贈り物ぐらいしてやれ

贈り物?

髪飾りとか綺麗な花とかなんでもいいだろう
女はそういうのが好きだからな

なるほど…

じゃあな
仕事があるんでもう帰る

あ、ああ
かたじけない
なんだかお主を見直したでござるよ
意外だが、女にだらしない男が嫌いなのか?

違うな
他人の女のことなどどうでもいい
ただ貴様が嫌いなんだよ

ははは
今度は拙者が相談に乗るよ

ハッ
それで冗談のつもりか?

(斎藤は見かけに寄らず女性の心情に詳しいな…時尾殿との意思疎通の賜物かな…)
なるほど
贈り物、か



そして…

【伝説の最期編】※ネタバレ注意


薫殿…

ん?
(なに? もみじ?)

それが一番綺麗だ

???

……

……



ということだったらいいなあ、という妄想。
続きを読む

あなたのモノなら全て頂戴

ユーリ・スパスキー
亡国の英雄
記憶の能力
ギャンブルで国を救う
救えない

エトージュ・オラフソン
追放された者
電気の能力
無能の為に国を滅ぼす
国は栄える

GODIVA


ゴディバ
GODIVA
chef inspirationシェフインスピラション(8粒入)

装丁は鶯色の独特の色合いに、ゴディバらしいゴールドが入っている。
中身は、ダークチョコレートからミルクチョコレート、ホワイトチョコレートまで見た目に楽しくなっている。ゴディバの「G」のロゴが入ったガナッシュ オ クロミツのダークチョコレートを真四角に作った重厚感と、シロ ドゥ リエージュを飾る赤い丸が全体を引き締めていて見た目にまとまりがあり、贈り物にもよいと思う。

型で作った感の少ないカフェ プラリネやミエール キャラメリゼはゴディバらしくないけど好印象。

味は裏切られない。
とても甘い。ムース ドゥ テ ノアのペッパーが口直しになる。
苦味のあるもの、甘みのあるもの、フルーティなもの、意外性のあるもの、香りがとてもよくて食感にも遊びがあり、とにかく楽しめるし全体としてのバランスが素晴らしい。シェフの自由な発想でたまたまこうなったとは考えにくいが、そんなことはどうでもよいくらいバランスが素晴らしい。

見た目から中身までゴディバらしくなくバラエティ豊かでかつバランスが調った素晴らしいアソートメント。
本当に好き。

バレンタインまで売って欲しい。
バレンタインの時期であればとても売れたのではないか、と下世話にも考えてしまった。
続きを読む

京香/三度目の移動術

“あれ”が来た、と直ぐに分かった。

揺れる視界。

平衡感覚を失って、地面が抜ける感じ。

目を閉じて身体に力を入れて衝撃に備えたところでそれは無駄だった。そこだけ重力が強くなったみたいに身体が重くなって立っていられなくなった。両肩を上から強く抑え付けられたみたいだった。

背中が痛い。

そして私は内心で期待した。

衝撃の強さが、身体の重さが、前に感じたのは確か、この世界に来た時だったからだ。ラゼルといた時にまた術にかかった時は今程は重くなかった。短い移動では身体への負担も小さいらしい。理屈は分からないけれど。

私はゆっくりと目を開いた。

私は仰向けに寝転んでいた。




【三度目の移動術】




柔らかい。ベッドの上?

そして、身の前に、赤。

違った。そうだ、違ったんだ。

「大丈夫?」

この人は。

この人は、確か、あの人だ。

「京香?」

とにかく分かったことは、私はまだ元の世界に戻っていないということだ。この赤く燃えるような髪色の男は元の世界では不自然で異彩を放ったけれど、ここでこうして見るとそう不自然でもない。

「レオン?」

レオンは私の寝るベッドの近くに木製の簡素な椅子を置いてそこに腰掛けた。その顔には安堵の笑みが浮かんでいる。

「ごめんね」

何故、謝るの?

「ここはどこ?」

レオンは事情を知っていそうだったので、私はまずそれを尋ねることにした。

頭が少しずつはっきりしてきたので辺りをよく見てみると、ここはどこかの建物の一室だった。前に居たあの街は、どの建物も基本は石造りだったけれど、この建物は石造りではないようだった。

なんていうか、近代的。

「軍の、メインベース」と、レオンは言った。母親に間違いを告白する子供みたいだった。

そうか。そうか。

元凶は彼だ。

私は多分とても酷いことをされた。

彼がどんな風に申し訳ないと謝ったって私の自由を奪って意思を踏み躙って乱暴な方法でとんでもないことをしたに違いない。あの“術”とかいう得体の知れないもので私の身体に何かしたのだ。

「具合はどう? とても強い術式に触れたから、もし体調が悪くなったら直ぐに教えて。術士じゃない人間が術式に触れるのは、本当は良くないんだけど。ごめんね」
「メインベースって何? ここはどこ?」

基地ってこと?

全然説明になってないよ。

「俺は軍人なんだ。京香を引き取る為に接触した。騙してごめん」

『引き取る』?

レオンは私を心から労わるような口調だから責める言葉を口に出せない。でも明らかに彼の言っていることはおかしいし道理がない。納得できる訳がない。

レオンに指示を出した人間がいるの?

だいたい『軍』ってどういうもの?

日本で言えば自衛隊?

私には彼の言っていることが全く理解できない。

「悪いけど、全然分からないよ。そっちの都合ばっかりで公平な説明とは思えない。引き取ったって言うけどさ、私はここに来る前は誰に保護されてたって言うの?」

引き取ったって言うからには私は元々どこかに属していたことになる。

それさえ私には分からない。

「ごめん。ちゃんと時間を作って説明したいんだけど、今はタイミングが悪いんだ。これは俺の都合じゃなくて、京香の身体の為だから、お願い、少しだけ寝て、それから時間をくれないか」

レオンの髪が、黒く濁った気がした。

あんなに鮮やかだったのに。

「眠くない」

私はレオンを睨みつけた。

13歳の私に一体どれ程の迫力があったのかは分からない。

「俺は京香の身体が心配なんだよ。じゃあ、ちょっとだけ検査させて欲しい。それで大丈夫と言われたら、それから説明するよ」
「検査?」

私はさながら宇宙人に拉致された地球人の気分だった。『検査』と言われてあっさり了承する気分にはなれないし、はっきり言って何をされるか分からないので恐ろしい。頭を切開して何かを埋め込まれるとか、電波を身体に照射されるとか、身体の一部を動物に作り変えられるとか。

想像するだけで恐ろしい。

「そんなの、どうぞって、言うわけないよ」

私は上体を起こして這うようにしてレオンから距離を取った。

レオンは悲しげに眉尻を下げた。

「だったら寝て。お願いだから」

寝ている間に何かする積もりではないか?

私は首を横に振った。

「アルは? アルに会いたい」

私の言葉に、何故だか「アル?」とレオンは不思議がった。

私を『引き取った』と言うからには、彼は私のことを知っているはずだ。きっと私の瞳が黒いからとかそんな理由だろう。だとしたら、何故智仁のことを知らないのか。

一緒に暮らしていたのに。

家族なのに。

何故?

似ていないから?

「ペットか何かならここへ連れて来られるように取り計らうよ。でも『アル』が人間なら、おそらく暫く面会はできない」
「暫く?」
「暫く、長い間」

レオンは音も立てずに立ち上がった。

危ない、と思った瞬間、レオンは私の身体を抑え付けていた。それ程強い力ではないのに抵抗を許さない圧力がある。

掴まれたところが熱くなった。

何?

なんで?

「京香、ごめん」

なんで謝るの?

こんなはずじゃなかった。

私はただの入学したての大学一年生だったし灘崎の家で穏やかに暮らしていたしいつも近くに智仁とほのかと和山さんがいて時々小言を言われたけど優しくもされて将来のことを考えることも青年らしく苦悩することもあった。

月並みだけれど、人並みだけれど、私成りにやってきた。

それが何故か“こっちの世界”に飛ばされた。

突然だった。

それでも“こっち”に来てからだって私達は一生懸命やってきたし戻る術がないと分かったら“こっち”に馴染む努力もした。智仁は働いていたし私も何かしようとしていたんだ。

形にはなっていなかったかも知れない。

でも私達には希望があった。

記憶が薄れている自覚がある。身体が若返ったのだから、脳に影響があることは覚悟していた。

好きだった歌。通学路の風景。部屋に置いてあったもの。大好きだった人達。私を呼ぶ声。温かい食事の匂い。朝焼けの鮮やかな赤。月のほの白い明かり。夏の底抜けに明るい青空。冬の吸い込まれそうに輝く空の星。藤棚の柔らかく甘い香りと控えめな藤色。

それらもいつか忘れるだろう。

私には何もない。

智仁とも離れてしまって、好きではなかったけれどもミクやバイアスやラゼルとももうきっと会えない。

私には何もない。

もう嫌だ。

これ以上、奪われるのは、嫌だ。

もう悪いことはしないから、人を傷付けないようにするから、どうかお願いだから、もう何も奪わないでください。

「やだ……」

そう言って、私の目からは涙が零れた。

「眠いだろう。少し寝たら、君は必ず目覚める。その時まで、ほんの少しだけおやすみ」

レオンは私の額に手を当てた。

身体がぼーっと熱くて私はレオンのことをじっと見詰めることしかできなかった。

額も熱い。

身体があつくて、もう、なにも、かんがえられない。

あつい。

あたたかい。

ともひと。ともひと。おねがい、また、あいたい。

「エレム・ノクト。ラムール……」

最後のその言葉は、私にはほとんど聞き取れなかった。
続きを読む

ヤン・ロウ・クリスプ

軍医
軍学校卒の生粋の軍人
術式による指輪
あらゆる術に触れると締め付けて、いずれ指を切断する
レオンの移動術にも同行できない
術士の恋人と別れた
戦時の古い罠
レオンなら解けるはずだけど解かない
いつでも指を切り落とせる上官

スペースポテトチップス

宇宙博でつい購入したスペースポテトチップス。塩味。

カルビーのポテチを食べ慣れていたので塩味が薄く感じられたが、袋の質感や包装にプリントされているシャトルから漂うそこはかとない“宇宙感”によって味などはどうでも良いと思わされた。この包装から伝わるもの、これは決して無意味な壮大さや誇大な広告ではなくこのポテトチップスを立派に構成するその一部であると確信する。
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2014年09月 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
アーカイブ