あやかしの魔女の森(セピア色の喪失)。

話題:加工写真

セピア色をした森は、不思議な魔法の力が働く魔女の森です。

酸素の代わりに富の元素が、窒素の代わりに愛の元素が‥つまりは、空気の代わりに魔法があるのです。

そして、森の中では全ての望みが叶うと云われます。


貴方の願いは何ですか?


そんな魔女の森の入り口で、一人の旅人が迷っています。

入るべきか‥
入らざるべきか‥

魔女の森は、心を捕らえて離さない魅力的な魔法の森です。

迷いは惹かれている証拠。そして、迷えば迷うほど、心は深く惹かれてゆくもの‥。

しかし、本当は…

魔女の森は、あやかしの森。

森の中で手に入れた全ては儚い夢幻(ゆめまぼろし)にすぎません。

旅人が例え一歩でも森を出たならば、叶った全ての願い事はシャボンの泡のように消えてしまいます。

でも‥たった一つだけ、残る物があります。

それは、鬱蒼とした森のように深いセピア色の喪失感です。


貴方はどちらを選びますか?


そろりと足を踏み出しかけた時、旅人は気付きました。

自分は、もうとっくに、魔法の森の中に足を踏み入れている事に。

目の前にぽっかりと口を開けている魔女の森こそ、自分の心の中にある“あやかしの森”が生み出した一つの幻影に過ぎなかったのです。


果たして、その旅人は幻影をふり払う事が出来たのか‥それとも、“あやかしの森”の奥深くへ進んで更なる幻の享楽に身を委ねたのか‥

結末は、今まさに“あやかしの森”の前に立つ、貴方自身が決めなければなりません。

森の入り口の朽ちかけた木の立て札に、こんな言葉が書かれています。


貴方の願いが叶う場所は何処ですか?


◆追記にプチこぼれ話。
 
 
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残念すぎる童話のギフト『桃太郎の詰め合わせ』。

話題:突発的文章・物語・詩
皆様。

少し早めではありますが、今年の御歳暮に【残念な桃太郎の詰め合わせ】が届きました。

それでは早速、開けてみましょうか♪


―――――――


■第1話『夢見る桃太郎』。


むかしむかし♪

あるところに、お爺さんとお婆さんが…(居ると良いなあ〜っ)と、桃太郎は桃の中で独り夢を見ていましたとさ。


めでたしめでたし♪


【終わり】


―――――――


■第2話『情報化社会の桃太郎』。

むかしむかし‥

はい、先生。昔と言いますけど、それはいつ頃の事ですか?」

さあ…判りません。

兎に角、

むかしむかし、あるところに…

はい、先生。あるところとは何処ですか?もう少し具体的な情報をお願いします」

えーと‥何処なのでしょう?

で、

むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが…

はい、先生。二人の名前は何ていうんですか?それから、歳や背格好、顔のタイプや服装の好みも教えてください」

…ごめんなさい。

全然判りません。

はい、先生。それでは具体的なイメージが全く湧きません。今の時代にはフィットしないと思います」

ハァ‥。

こんな調子では、この先も「桃の銘柄」や「犬の種類」「きび団子の製造元」「鬼の神話的体系」などについて、細かく突っ込まれるんだろうなあ‥と、物語の語り部は少しブルーな気持ちになりましたとさ。

めでたし、めでたし♪


【終わり】。


―――――――


■第3話『ファイルが圧縮された桃太郎』。

むかしかし、お爺の柴山で洗濯ぶらこ〜♪

どぶらこ♪
どぶらこ♪

桃スパッとす猿‥きじ団子‥お腰犬。

見ろヶ島だ。

き、鬼太郎!!

お宝ゲッツで‥

でたし、たし♪


【終わり】


―――――――
 
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十月の優しい電流。

話題:花の写真

今にも雨が降り出しそうな白い空の下。

一輪の花が、無機色の電線に小さな想いを伝えます。


あの人の暮らす蒼い部屋に‥

どうか‥

薄紅色の小さなあかりを灯して下さい‥と。


鉄塔と花の交わした、誰も知らない密やかな想いの交流は、憂うつな午後を流れる、十月の優しい電流でした‥。



追記にプチ格言&こぼれ話。

 
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偽ロダンの『考えるフリをする人』。

話題:エムブロ!

実はいま、軽ゥく考えている事があるのです。

さて、それは次の内どれでしょうか?

例によって三択でお答え下さい。

―――――――

@‥ナマコ味の新しいカップラーメンを開発しようとしている。

A‥自分の足の裏の写真を、雑誌《FIGARO》の表紙にしようと出版社に働きかけている。

B‥Yシャツが進化するとZシャツになる事を学会で発表しようとしている。

C‥幾ら粉チーズが好きでも、粉チーズだけを山のように食べると、口の中がパッサパサになる事を世間に対して警告しようとしている。

D‥ひざ小僧が、ひざ子象になる事を恐れている。

E‥正露丸でプチネックレスを作ろうとしている。

F‥ジャッキーチェンの鼻を世界遺産として登録すべく関係各位に根回しをしている。

G‥小日向文世のマトリョーシカ人形を作ろうとしている。

H‥ついでに、哀川翔の声で起こしてくれる目覚まし時計(起床時刻は午前四時半に固定。止めて二度寝しようとすると、中から手が出て来て軽くブッ飛ばされる)も作ろうとしている。

I‥どこが三択やねん!と自分にツッコミを入れようとしている。

―――――――


さあて、皆様。

お判りになりますでしょうか?

では、秋の野原に沈む夕日の写真を見ながら、シンキングタイム スタート♪(・o・)ノ

…って 真面目に考える方は誰一人として居ないと思いますが(笑)


正解発表は、横浜も黄昏る【追記ひろし】ページで、マイク片手に拳を握りしめながらどうぞ♪


 
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石の上にも残念(STONEがストーンと堕ちた日)。

話題:笑える話

先日の朝の事です。

道の前方から、何やら人間の形をした光り輝く未確認生物が歩いて来たと思ったら、それは友人の猫背丸三郎くん(仮称)でした。

いつも猫背で丸まっている彼の背中が、今日に限ってはモアイ像のようにシャンと真っ直ぐに伸びています。オマケに、彼の体からは阿弥陀如来のような光芒が幾筋も放たれていたのです。

(エイリアンの実験台にでもされたか!?)

ところが、猫背丸くんは開口一番、満面の笑顔で私に向かってこんな事を言ったのです。

猫背『出たんだよ!』



時に会話上の言葉は【主語】が無くても意味が通じる時がありますが、この場合は無理です。

私『何が?』

猫背丸くんの表情は、あまりに笑顔で綻びすぎていて、顔の筋繊維がおかしくなっているのではないかと、思わず心配してしまう程でした。

猫背丸『だから、石だよ石!』

…石。

すると彼は‥皆に内緒で鉄鉱石の採掘でもしていたのだろうか?

猫背丸『今朝、トイレで用を足したら…コロン♪…って出て来たんだよ――!』

どうやら鉄鉱石では無いらしい事が判明しました。

私『で‥何の話?』

私の真っ当な質問に、彼は相変わらずの【超ゑびす顔】で答えました。

猫背丸『ザ・尿道結石!!!』

なんと!石とは、体の中に出来た結石の事だったのです!

猫背丸『いやもう‥ここ何日か全く生きた心地がしなくてさあ!…それが今朝、コロンって♪コロンだよコロン♪』

そう言えば昔、【コロン】というお菓子があったような…今でも、あるのかな?

それにしても、猫背丸くんの嬉しそうな顔といったら…十年近く付き合って来て、こんな嬉しそうな顔の彼を見た事は一度もありません。

顔中の毛穴という毛穴から輝く光の矢が放たれていて、その様子はまるで、顔の中で【プラズマ実験】をしているかのようです。

“人は心底嬉しい時、毛穴からプラズマ光を放出する”

私は自分の【格言手帳】に、それを書き留めました。

 
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