話題:加工写真

セピア色をした森は、不思議な魔法の力が働く魔女の森です。

酸素の代わりに富の元素が、窒素の代わりに愛の元素が‥つまりは、空気の代わりに魔法があるのです。

そして、森の中では全ての望みが叶うと云われます。


貴方の願いは何ですか?


そんな魔女の森の入り口で、一人の旅人が迷っています。

入るべきか‥
入らざるべきか‥

魔女の森は、心を捕らえて離さない魅力的な魔法の森です。

迷いは惹かれている証拠。そして、迷えば迷うほど、心は深く惹かれてゆくもの‥。

しかし、本当は…

魔女の森は、あやかしの森。

森の中で手に入れた全ては儚い夢幻(ゆめまぼろし)にすぎません。

旅人が例え一歩でも森を出たならば、叶った全ての願い事はシャボンの泡のように消えてしまいます。

でも‥たった一つだけ、残る物があります。

それは、鬱蒼とした森のように深いセピア色の喪失感です。


貴方はどちらを選びますか?


そろりと足を踏み出しかけた時、旅人は気付きました。

自分は、もうとっくに、魔法の森の中に足を踏み入れている事に。

目の前にぽっかりと口を開けている魔女の森こそ、自分の心の中にある“あやかしの森”が生み出した一つの幻影に過ぎなかったのです。


果たして、その旅人は幻影をふり払う事が出来たのか‥それとも、“あやかしの森”の奥深くへ進んで更なる幻の享楽に身を委ねたのか‥

結末は、今まさに“あやかしの森”の前に立つ、貴方自身が決めなければなりません。

森の入り口の朽ちかけた木の立て札に、こんな言葉が書かれています。


貴方の願いが叶う場所は何処ですか?


◆追記にプチこぼれ話。
 
 
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