話題:妄想を語ろう
私、ただ今“あるスピーチ原稿”を書いております。
と云うのも‥
明け方近くに掛かって来た一本の電話で、自分がノーベル賞を受賞した事を知ったからなのです。
さあ、大変です。正直、今年のノーベル賞は諦めていたので、受賞のスピーチなど全く考えていませんでした。
えっ?
それで、ノーベルさんの何賞を受賞したのか?‥ですって?
それは失礼しました。
私が受賞した分野はですね‥
ズバリ!!
ノーベル『犬の散歩賞』です。
さて、受賞の決め手となった理由ですが…
先日の深夜、紅茶のストックが切れているのに気付いた私は、コンビニまで買いに行く事にしました。
ところが、
夜道を歩いている途中で、或る事に気が付いたのです。
それは…
私の右手には犬のリード(綱)が、そして左手にはエチケットバッグが、しっかりと握られている事でした。
深夜に外出する用事と云えば、最近は犬の散歩ぐらいしかありませんから、家を出る時、無意識の内に【犬のリードとバッグ】を手に取ってしまったのでしょう。
さあて、どうしたものか‥
家を出て直ぐなら引き返せば済むのですが‥もう、コンビニと家の中間点まで来ています。
犬も居ないのにリードとバッグだけを持ち歩く私の姿の【ハンサム度】を等式で表すと、だいたい‥
草刈正雄≧福山雅治>中井貴一>私>ジャン レノ>スーパー仁くん>アルタミラ洞窟の壁画に描かれたクロマニヨン人>北村(中学の同級生)
こんな感じになる訳です。
この状態はまずい。
そこで私は、咄嗟の機転を利かせ「透明な犬を散歩しているフリ」をして何とか上手くごまかす事に成功しましたが…もし、この秀逸なアイデアが浮かばなかったら、スーパー仁くんに抜かれていたかも知れません。
そして、どうやら、この時の功績が決め手となって【ノーベル犬の散歩賞】受賞が決定したみたいなのですが…
私はふと思ったのです。
幸いにも私は、たまたま自分に適したノーベル賞が存在したから良いものの…他分野で受賞した面々を見ると、どうしても【雲の上の存在】に思えてしまう。
実際、受賞式会場へと向かう飛行機の中では間違いなく【雲の上の存在】です。
恐らく皆さんは、こんなふうに思っている事しょう。
(自分にはノーベル賞は無理だな)
私はそれが非常に寂しいのです。
夢と希望を、常にポケットに入れて持ち歩いて欲しいのです。
そこで私は今回、ノーベル財団に【誰にでも受賞のチャンスがある新しい賞】の設置を提案して来ようと考えています。
しかし…