話題:ちょっwおまw
フッ
俺は、日常に潜むアッと驚く事件や危険な情報を日夜追い続ける、ハードボイルド特命探偵だ。
こんな商売だから名前は勘弁してくれ。
なに?
名前が無いと呼ぶのに困る?
そうだな‥じゃあ【ん】とでも呼んでくれ。
なに?
そんな名前じゃ呼びづらいだと?
フン。知った事か。
いいか、一つだけハッキリ言っておく。
『俺の名前は、お前に呼ばれる為に存在する訳ではない』(ハードボイルド語録@)
それに、ハードボイルドの世界じゃ饒舌は禁物なのさ。
アンダスタン?
…アフガニスタンじゃねえぞ。“ご理解頂けましたでしょうか?”って意味の英語だ。
とまあ…
そんなこんなで、今日も俺はヘルニア気味の腰をかばいながら、夜明けと共に颯爽と街に溶け込んでゆく訳だ。
気になるならついて来な。但し、何があっても知らないぜ。
いいか、自分の身は自分で守るんだ。
ま、いざとなったら俺が、愛用のコンバットでお前を守ってやるけどな。フフン。
…ん?
違うぜ!Baby-Q!
【コンバット】はゴキブリ捕りじゃねえ!
357コンバットマグナム。
753と間違えるな。
『ハードボイルドに千歳飴は似合わない』(ハードボイルド語録A)
そして、俺のマグナムが火を噴く時、全ての悪党は両手を挙げ観念するのさ。
じゃ、そろそろ出掛ける‥
‥と思ったら大間違いだ!
お腹回り隠蔽スーツ【メタボ隠蔽君】を危うく忘れるところだったぜ。
腹の脂肪はハードボイルドの敵なのさ。
いいかい‥
『俺はハート様じゃねえ!』(ハードボイルド語録B)
ン!?
ちょっと待て!
何やら情報が飛び込んできたようだ。
俺は耳に装着した特殊レシーバーから送られてくる情報提供者からの通信に耳を傾けた。
〈代々木公園に【本物のデスノート】が落ちているらしいよ〉
なにっ!!
そいつは危険だ!
そんな危ないノートを見逃す事は出来ない。悪の陰謀を阻止するのも、俺の大事な仕事なのだ。
早速、俺は愛用の一輪車に颯爽と跨り、夜明けの代々木公園へと向かった。
途中何度か転んだものの、何とか無事に到着した俺は、早速、ポケッツから二本の針金を取り出した。
探し物は全てダウジングで探す。それがハードボイルド主義なのだ。
すると、ある場所でダウジングロッドが明らかな反応を見せた。
L(・o・)」!!
見れば、公園の隅にある植え込みの中に一冊のノートが落ちているではないか!!
俺は夜露で少し湿ったノートを拾い、緊張しながらページを捲った。
最初のページには、こう書かれていた。
『今日から日記を付けようと思ってるんですけど、続ける自信は全くないです』
むむ、この静かな出だしは……
逆に恐ろしいかも知れない!!
私は迫りくる恐怖を振り払いながら次々とページを捲り続けた。
10/15
『明日は代数のテストです』
10/16
『かっぱえびせん、ヤメラレないです』